雲の巣日記8
2024/10/5
11時すぎに、キノタカハシは雲の巣に行った。洗濯とか手間取り、10時開店には間に合わなかった。
駐車場に結構、車が停まっている。午前中に、雲の巣が混み合う事は滅多に無い。昼過ぎからお客さんが来るパターンではあった。
カウンターには、ゴーリーとバタどらがいたので、間の席に座る。
「さっきまで、店内は満席だったんですよ。」とゴーリーがつぶやく。
「へっ。?」とキノタカハシ事自分は眼を見開く。
午前中の開店から満席になるのか…
見つかってしまったのか。
自分が来店した時に、ちょうどお客さんの入れ替わりだったらしい。
ゴーリーとは、時間のすれ違いで中々雲の巣で会えなかったので、ロック談義に花が咲く。
ビアリストックスの新譜アルバムで、自分は仙台のLIVEに行くので、ゴーリーにも、「LIVE行こうよ。」と誘ったけど、LIVE派よりレコード、CD派らしい。
バタどらも、和菓子のバタどらの評判がすこぶる良く、あちこちから引っ張りだこ状態になりつつある。またDJを始めたらしく、次回の時は行く約束をする。
双子のパティシェールの妹の、リリショーが新作スイーツを持ってきた。
サクッとした外側に中はバター。食べやすい。栗バターサンド。
雲の巣日記は、リアルと物語が入り混じる話である事を述べておきたい。
お客さんが、昼過ぎの一瞬を除いて、途切れない。夕方にオーナーのセイテイに聞いたら、過去最高の集客とのこと。
雲の巣が見つかったのは、初期の常連にとって、嬉しくもあり、ちょこっと寂しかったりもする。
常連と新規が入り混じる店内。6月にオープンして、自分の予想よりも早く、お客さんが来始めてきた。派手な告知はしてないとセキテイは言うけど、口コミかなと思う。何故なら、リピーター率が多いからだ。カウンターに座っていると、見たことあるお客さんの遭遇率が少なくない。
看板スタッフの、たけすぽ目当てのお客さんも多いけど、お客さんが落ち着いた時に、たけすぽの話を聞いた。いつしか、初老のキノタカハシは、たけすぽのメンタルカウンセラーになってしまっている。ただ、たけすぽの話を聞くだけだけど。
周りに気を使い過ぎるよなと、たけすぽを見てて常々思う。自分なんか必要以上、気を使わないタイプ。基本ぼっち行動だし、意外と初見で相手から声をかけられる事は、ほぼ無い。近寄ってくる事はあるけど、向こうから話しかけられない限りスルーする。雲の巣だけが例外であるのだ。すべての人に好かれる気は毛頭無いし、そのために自分自身を消耗するなんて本末転倒である。基本、友達は必要無いと思ってるからかな。
キノタカハシ、昔は、たけすぽと同じタイプだった。消耗し切ってしまい、いい人になるのを辞めた。
昼下がりから、再びお客さんが来始めてきた。
自分より歳上かなと思われる人が来店して、たけすぽと知り合いらしく、映画と音楽好きとのこと。ナンバーガールが好きらしく、バタどらとゴーリーが去ったあとだったけど、ゴーリーが仕入れた、ナンバーガール再結成解散LIVEの「無常の日」のディスク3を掛けた。
既に、常連のカズルーン、あきたなつもテーブルに座っていたけど、ナンバーガールが掛かったら、あきたなつが、「わたし、ナンバーガール好きです。」と告白した。
雲の巣のスタッフ、常連のナンバーガール好きの多さ。
無常の日のディスク3は、自分が好きなタッチや、アイドォントノーが入っている。英語表記が面倒なのでカタカタ表記でごめーんよ。
五城目から来たお客さんもいて、店内は大盛況。
17時過ぎに、やっと落ち着いた。セキテイと、ごりょうさんと談笑。
予想より早く、お客さんが来るようになった雲の巣。常連と新規のお客さんのバランスの塩梅がこれからの課題になりそう。
スイーツの質、店内の雰囲気(音楽、マンガなどのサブカルチャー。)が知られてきたのは良い傾向。家やアパートでは中々掛けられないレコードなども掛けられるのは嬉しい。
お客さんが勝手にレコードを持ち寄り、勝手に好きにレコードを掛けているので、JASRACには触れないのだ。
キノタカハシは、化身のタカハシ仮面2号と共に、しばらくは雲の巣見守り隊を勤める所存である。
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