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フィンランドでカメラを忘れた話(前編)

 もう10月の話ですが、半月ほどヨーロッパを旅行していまして、その際にカメラを忘れるという失態を犯したのですがこの経験なかなか勉強になったので顛末を書いてみました。

●後悔先に立たず

 それは2週間のヨーロッパ旅行を終え、朝早いヘルシンキ発の飛行機に乗るためにいざホテルを離れようとした時のことだった。

カメラが…無い…

 あちこち考えられるところを探したけれどやっぱり無い。迫る出発時刻。焦っても仕方がないので自分の脳うをフル回転させて記憶を辿らせてみる。そうだ、前日のヘルシンキ中央駅付近のレストランやバスターミナルでは一眼レフで写真を撮っていた。その後はバスターミナルからヴァンター空港行きのバスに乗り、そこからタクシーでホリデイインのホテルに向かっている。つまり考えられるのは、(1)バスの車内、(2)ホテル室内、のどちらかに絞られる。

 時刻は日曜の朝6時。とりあえずバスの車内だ、と思いバスを運行している航空会社・フィンエアーの電話番号をネットで検索して電話したら、オペレーター氏にバスについては別の番号にかけてくれと言われる。指定された番号にかけるといかにも眠そうなおっちゃんが電話に出た。

俺氏「バスの中でカメラ忘れたのですが」
おっちゃん「オフィスアワーは平日10時以降だぜ」
俺氏「いや今日日本に帰るのですがなんとかならんのですか」
おっちゃん「それじゃあ日本帰ってもう一度電話して送ってもらうしか無いんじゃないの」
(※ちなみにフィンランドではほぼみんな英語が通じます)

とのことでもう一回後で掛けなおしてくれ、と言う。そもそも届けられている保障もないが、もう打つ手もないし仕方ない。ホテルにも確認しても今のところ何も届いていないので、後ろ髪ひかれる思いで予定通り飛行機に搭乗した。

 やってしまったな…とあらためて思っていた。カメラ自体はもうおんぼろのキヤノン40Dだが、中身の写真がなかなか諦めきれない。道中念のためタブレットにバックアップでもしようかと思ったのだが、面倒臭くなってやめたので、カメラが出て来なければ写真のほとんどは永遠に失われる。忘れ物には気をつけていたつもりだったが、風邪で発熱したのもあって注意力が散漫になっていたのだろう。

●謎の忘れ物会社、現る

 ヘルシンキからウィーン経由で成田に帰国し、現地時間月曜10時(日本時間17時)を待って再び件の電話番号に電話。

俺氏「昨日電話したけどバスの中でカメラ忘れたと思われるのですが」
窓口氏「土日の公共交通の忘れ物は月曜午後にならないと届かないぜ」
俺氏「(早く言えや…)じゃあ今日本にいるから(時差の関係でそっちの)明日朝また掛け直します」
窓口氏「それかネットでも調べられるぞ。found.fiってググってみな」

といって検索したのがコレ

これがなかなかのスグレモノで、言われるまで知らなったけど、会社の説明文によれば、フィンランドでは空港、都市交通、レストラン、ホテルなど主要なところでの忘れ物はこの会社に一度集められるらしい。忘れ物をしたユーザーは手数料を払って忘れ物の捜索依頼をかけるのだ。確かにあちこち聞きまわるよりは断然システム化されていて利便性は高い。

 ということで、ここのEnquiryのボタンを押して5ユーロ払って捜索依頼をかけてみる。とりあえずバス内で忘れたことで検索。中央駅13時発のバス、後部座席で…などとフォームに入力。見つかれば3日~2週間以内に返信があるらしい。

さてカメラは見つかるのだろうか。そもそも見つかったところで届くのだろうか。

(続く)


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