家畜福祉の歴史と現状

「家畜福祉学」第2章 第1節より

2005年に実施されたユーロバロメーターと呼ばれるEU版の世論調査による約2万5千万人もの市民の回答が基になっている印象的な結果は、
・EU市民の約7割は、家畜を飼っている農場を訪問した経験がある。
・約7割は自らの購買行動により家畜福祉が改善されると考えている。
・約4割はゲージフリーの卵を購入している。
・約6割は福祉的飼育システムで生産された卵に、割増単価を支払っても良      いと考えている。
・約6割は自国政府の農業政策において家畜福祉が十分に重視されていないと考えている。

2019年に実施された日本全国の採卵鶏の生産者アンケートでは、約70%の生産者が家畜福祉の指針を知っており、日常の飼養管理に指針を活用している。
2006年に実施した消費者アンケートによれば、日常で肉・卵を購入している時に重視していることは、鮮度、消費期限、価格、安全安心の順であり、家畜の飼い方を重視している人は、わずか2%に留まった。