見出し画像

近頃、私を勇気づけてくれた東京からの2本の電話 【前半】

この頃、励ますつもりが逆に勇気づけられた話がある。
東京の友人Aさんとの電話、Aさんは、芸能事務所の社長代行で、このコロナ禍をどうやってしのいでいるかと、
「最近はどう?」と気がかりで訊ねると、

私が地味に注目しているガラクタ芸人のOくんが、Uberをクビになりかけた、という。

私「え?え?え?Uberをクビ?Uberってクビになるの?」

友「そうなんですよ。まー、どっちかっていうと、Uberって会社クビになったやつがやれる仕事だと思うんだけど、やつは評価がひどくてアカウント停止ってことみたいです」
(Uberイーツで真面目に働いてる方すみません)

私「よっぽどだよね、それ」
友「あいつは、Uberクビになったら、もう一個のバイトは、どことは言えないですけど、線路内で架線が漏電してないか手で直に触って確認するってバイトだけになっちゃうんですよね。触ってビリビリってしたら漏電してるかわかるってバイト(笑)」

私「(爆笑)Oくん、すごいね。でも、それでも生きてるんだよね。ふつうに。そんなバイトしかないけど、それで、Uberクビになったとしても、電気止められたりとかしてないんでしょ?大都会東京で。地方の若者の憧れの街で。人間として、最低限の暮らしはできてるってことだよね。いや、すごいよね。それ、コロナ関係ないよね。」
友「そうですよ。あいつはコロナの前も後も、大して生活変わってないんすから」

私「Oくんはさ、いつも大体、それ元は何色だったの?みたいなTシャツ着てるし、貧乏が板について、貧乏神みたいになってるけど、今、コロナだからって彼のメンタルはやられたりしてないんだよね」

友「全然ですよ。あいつにメンタルなんてあんのかな?そんなことより、ノガミさん、あいつを知ってるからわかるでしょ。あいつが漏電チェックしてる電車って、考えてくださいよ。あいつが乗客の安全を守ってるんですよ。それ知ったらもう、乗ってる方がメンタルやられるでしょ。あいつも命がけだけど乗ってる方も命がけなんだから(笑)」

私は可笑しくて涙が出るくらい笑ったんだけど、爆笑がおさまってから改めて聞いた。

私「Oくんて、今年いくつになったの?」

「彼は40になりました」

確かトルストイの言葉にこんなのがありました。

人間死んだり、金銭を失ったり、家がないとか、財産がないとかいうことが、哀れなのではない。
なぜなら、これらすべてのものは、人間にもともと備わっているものではないからだ。
人間は、自分の本来の財産、最高の財産、すなわち「愛するという才能」を失った時が、哀れなのである。


まぁ、Oくんに「愛するという才能」がそなわっているかどうかはともかく。

ホントにね、コロナで大変な方はたくさんいらっしゃると思います。
思いますが、芸人としてプロフィールだけは事務所に作ってもらっているものの、正式な所属ではないOくん(大矢フェスティバルという芸名があった)のように失うものがないほど底辺で生きている彼にはいつも希望しかなく、とくに焦りも不安もない様子。
そして、周囲がイラつくほど真剣さが足りない、そんな生き方もあるんだと思ったら、なんか、もっと気楽に生きていいんじゃないかね。
なんとかなるよ。うん。

↓リアルのび太を見つけた気がした。

#大矢フェスティバル
#元気だしていこう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?