動き出してしまった歯車は誰にも止められない。
この運命の行き先がどんな結末になるのか。
私の想像などはるかに飛び越えてしまうのだろう。
現実は誰にも変えることはできない。
どんな結末を迎えるにしろ、私にはそれを受け入れるしか道はないのだ。
たとえそれが、どんなに受け入れ難い事実だとしても。

動いていくバスを。近づいてくる逢瀬を。
その身を委ねることしかできぬ焦燥と高揚感が後押しする。

私がその罪を彼に告白することは一生ないだろう。
ただ、その姿を目に焼き付けるために。
私という存在が、彼の人生に確かに関わったという事実のために。
私は今、長い道のりを揺られている。

どうしようもなくこわい。
現実はいつだって怖いのだ。
どこにも居場所のないこの身を一体どこにおけるというのだろう。
何かが始まる予感は、恐らく的中している。
それが良いものになることなど、今の私には想像できない。
歯を食いしばっていないと涙が溢れてくる。
それを耐え、呑み込み、ギリギリを生きてきた。
心がどんなに泣いていようと、外に出してはいけない。

私は強くありたかった。
ただ、一人で生きていくだけの強さがほしかった。
誰にも関わらず、傷つけることも傷つけられることもなく生きたかった。
声を出さずに泣く方法を身につけ、喪失感と孤独感に苛まれ、胸の奥が痛んでしょうがない夜を何度も過ごした。
それでも生きなければいけない。
彼の存在だけが、私をこの世界にとどめた。

こんなにも依存している。
それを噯にも出さないで、私は笑うのだ。
私の死には何の意味もない。
ただ私という存在が消えて風化してゆくだけ。
誰の記憶にも残らず、いつかはこの漫然と流れる時の大河の中に消えてゆく。
刹那的に生きることに、何の罪があろうか。

私はただ、私という存在を繋ぎとめていてくれる彼に、執着している。
たとえそれが、嘘で塗り固められた関係でも、私は確かに、彼を愛している。

愛を、どうしたら証明できるのか。
長年哲学者たちが挑んだであろうこの命題に、私ごときが答えを出せるだなんて思ってはいない。
答えのない問いを考え続けることが私にできる唯一の生きる道。
執着と愛は別物か。
さあ、わからない。
私は何もわからない。

考えることをやめた人間に、一体何の権利があろうか。
私には何もない。
空っぽの人間。

ただ、忙しなく過ぎ去る日々の中で、なぜか歩調のあった彼を。
その関係を、私がただ愛と呼ぶ。

もう後戻りはできない。
会ったら最後、私は彼を永遠と愛することしかできないのだ。

ぐちゃぐちゃで、整理なんて全くついていない私の内心を吐露しただけの文章を。
私はこうして日々量産している。
救いようのない私だ。