だから僕たちみんな 野球場へゆこう

プロ野球というエンターテインメントを奪われて数か月が経っている。

球場に行くのが好きだ。ここ1年は理系大学院生となって研究や就活の日々が忙しく、「誰かを応援する」余裕がない自分だが機会があれば球場に足を運んでいる。

僕は大阪住みで、ヤクルトファン。しかも、そこまで熱心なファンでもない。神宮球場へ通うことができなくても、もはや贔屓のチームの試合でなくても、球場に足を運びたくなった。

去年のゴールデンウイークは思い立って京セラドーム5Fの自由席でオリックス対西武戦を見に行った。リーグすら違うのに、楽しいひと時だった。そんな適当な思いつきで小学校時代の友人と奇跡的に再開を果たしたのも、思い出の一つだ。

シーズンが開催されない中、Youtubeで毎日野球の動画を見ている。里崎智也氏のYoutubeチャンネルや、応援歌の動画など、面白いコンテンツが山ほどある。

このような動画を見ていると、余計に球場に行きたくなってしまう。

現地観戦で思い出深い話がいくつかある。その一つが、3年前の神宮球場での巨人戦だ。この日は10年近い付き合いの巨人ファンの友人と同行した。

この年のスワローズはシーズン96敗を記録するなど、散々なシーズンだった。しかもこの日、直前に山田哲人が負傷で2軍落ち。先発投手が炎上。主力を欠いた打線も沈黙。散々な試合だった。

でも、ちょっと面白い出来事があった。ちょうど50, 60代くらいの、ヤクルトファンと巨人ファンの2人組が僕らの隣にいた。

お二方と軽い冗談や世間話で盛り上がった。ありがたいことに、ビールまでおごっていただいた。「よし、ここで代打杉浦や!兄ちゃん知ってるか?」「あぁ~、日本シリーズで代打で満塁ホームラン打った~」「よ~知ってるなぁ~」

目の前の選手のプレーに一喜一憂し、くだらない冗談を言い合う。それはまるで僕たちの40年後の様子のようにも思えた。同時に、10年近く付き合ってきた友人と、40年後もあの気前の良いおじさん2人組のように仲良くしたいと思った。

選手のプレーに湧き、ファンとの一期一会を楽しむ。そんなエンターテインメントを詰め込んだ球場が好きだ。

またいつか、球場へ行きたい。


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