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ケイオス様について色々考えてみた

※注意

デッキ構築ではなく、群雄譚の考察です。
群雄譚およびサイドストーリーを読んでいる前提で書いているので群雄譚のネタバレが含まれます。
群雄譚本編と、アルキテのアナザーストーリー辺りを読んでいただければネタバレは大丈夫かなと思います。

猩々童子とモーダリオンのアナザーストーリーのネタバレは多分ないです。でも内容が本当にいいので未読の人は読んで下さい。

また、これを書いてる座布団の宗教および神話への知識は一般常識レベルないしそれ以下です。
当然ながら、宗教を馬鹿にしているつもりは一切ないです。

一応ある程度は調べたりしていますが、ここの解釈間違ってるぞ、というのがあればこっそり教えてくださるとありがたいです。
群雄譚や読み物に対しても情報が多すぎて追い付いていないかもしれないので……

相変わらずですが座布団の妄想が炸裂してるのと内容が支離滅裂なので苦手な方はお気をつけ下さい。
手癖で書きたいところから書いてるので話題があっちこっちに散らかります。
ここで警告はしていますので苦情は受け付けません。

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0.前書き



※さっさと考察かけ!って方は読み飛ばしてくださって全然構いません。座布団の自語りです。

座布団、Dスタンがでて暫くした後にヴァンガードそのものから離れていました。

そんな座布団を引き戻したのが現在のチムメンである介護人という男なのですが、復帰する前からヴァンガードからは離れててもルールはわかってるだろう!という理由からデッキを借りて相手をしていました。

その際に借りてたデッキの1つがタマユラだったのですがリリミ&ララミのデュアル国家を知った時はマジで驚きました。ヴァンガードって混色を嫌ってるイメージが強かったので。
遠い昔にシングアビスとかいうデッキが悪さしてたせいだと思う。

座布団「この二重国家てドラエンだけ?てかなんで二重国家?」

介護人「公式小説の関係者が二重国家のデッキになってる、リリモナだけは二重じゃないけど。
この双子はダクステ出身だけどドラエンのタマユラと一緒にいるから二重国家扱いだよ」

座布団「なるほど、じゃあ双子とは逆でダクステの人と一緒にいるダクステじゃない国家出身の人もいるのか?」

介護人「いる。ダクイレみたいにソウルめっちゃ貯めるデッキ。で、二重国家のユニットの名前がミカニ。名前にミカって入ってるよ。ミカ、お前が組まない理由ないよね?」

これが座布団がケイオス様を組んだきっかけです。

ちなみに組んだら組んだで金かかるデッキ組んだなと言われました。お前が組めっていったんだ

動機はこんなのですがデッキを組む以上、ユニットのことはちゃんと知っておきたいなと考えてたのでクレイ群雄譚も読みました。

「何これめちゃくちゃ面白い!!!全部無料とか本当に良いの!!??」

こうなりました。

不定期更新とはいえ金とれるレベルの文章を無料で楽しめるのすごすぎないでしょうかヴァンガード。
結果、残りの煌求者も組みました。あろうことかトリドラ発売前に

この後ロロワ君のライドラインもSPになった

で、組んだし読んだのはいいものの
群雄譚よんでもケイオス様のこと全くわからなかったな……?
という考えに行き着きました。

いや本当にわからないんですあのデーモン。
ラスボスなのは察してるんですけど何が目的なのか、正体が何なのかさっぱりです。
勿論、今後の更新で明らかになるわけですが、疑問を抱えたままなのも考えものです。

わからないなら自分で調べるなり考えるしかないな

そう考えた座布団、色々調べてXの方にメモ書きを投げていました。

なので、ここに書かれてる内容はXにメモ書きとして投下したものや独り言として呟いたもの、書いたけどスマホに保存したままXに投下してなかったメモなどを全部まとめて加筆修正して再構成したものです。

Xだと文字数の制限やツリーが伸びてTLで迷惑をかけること、何より色んな人の目に入ることを考慮して短くしたり宗教的な話題とかはなるべく避けたりしていたのですが、ここだとそういうことは無さそうなので思うまま書いていきます。

結論からいっておくと「これ!」という答えには至ってないです。本当にわからないとしか言いようがないので。




前書きここまで
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1.ケイオスとミカニの名前について


何かについて調べる時は名前から調べていくのが一番早いのでここから調べました。

まずケイオスの名前ですが、混沌(chaos)由来なのはサポートカードに「混沌を司る者」というカードもありますし、なにより本人(本デーモン?)が「カオスカオス~☆」という挨拶をしているのでほぼ確定ですね。


ならば外国語版でのケイオスのカード名はChaosなのかと思って調べたところ、綴りはKheiosでした。

Chaosじゃないの?

群雄譚ユニットで一番名前の由来がわかりやすいユニットなのに何で!?

……と思って調べたところ、混沌(カオス)を意味する英語には綴りが2種類ありました。
ひとつはよく知られている英語Chaos。
もうひとつはギリシャ語のχάοςをローマ字表記したKhaos。
綴り的にKhaosの方が近いですね。

因みにこの二種類の違いは日本でいう現代文と古文みたいなものらしく、Khaosは滅多に使わないらしいです。日本語でなら「い」と「ゐ」みたいなイメージでいいと思ってます。
……つまりケイオス様の正しい表記はケヰオス様、とかけゐおす様になるってことですか……!?

根絶者みたい

ちなみになんですが、ChaosとKhaosが表記の違いであるならば名前もKhaosそのままでいいのでは?となって調べたところKhaosの表記の場合は発音もギリシャ語よりになるようで「カオス」になるようです。
(ギリシャ語のχαって「カ」というより「ハ」に近いけど)


ギリシャ語由来の綴りだけれども読みだけは英語になるように折衷した結果がKhaiosという表記なのかなと考えました。ちょっとややこしい。
これ、ケイオスって名前は偽名で本名はカオスだったりしないだろうな……

また、ケイオスの従者であるミカニの名前はギリシャ語で、機械(μηχανή)
機械を差す英語というとマシーンが思い浮かびますがあれは実は和製英語だそうで、μηχανήを英語に当てはめるとメカ(mecha)になるようです。
メカの語源も「機械装置」を意味するmechanismや「機械の~」を表すmechanicalの省略形だそうですが、外国語版カードのミカニの綴りはMikaniになってます。

まんまローマ字

主人であるケイオスと揃えて考えると、先程の単語からmechaniまでを抜き出してギリシャ語よりの綴りや発音にした結果かもしれないですね。
これ書いている座布団はギリシャ語なんて第六の地平線の歌詞くらいしか知らないので適当言ってます。ギリシャ語わかり手いたら教えてほしい


名前の由来や綴りやらがわかると次に気になるのが何故この二人がギリシャ語由来なのかです。
一応ケテルサンクチュアリ=イギリスとして惑星クレイの地図と地球の世界地図を照らし合わせるとギリシャの位置はドラゴンエンパイアとダークステイツの境目くらいに位置してそうに思えます。
座布団は地理が苦手なので全然違うかもしれない
が、それだけではなさそうなので深掘りしてみます。

ギリシャといえばギリシャ神話ですよね。
詳しくは知らなくても古今東西のファンタジー作品やらゲームなんかではよく見かけますし、星座の話なんかにも関わってくるので神様の名前はいくつか知ってるなんて人も多いと思います。
神話体系では最も有名だといっても過言ではないでしょう。

ヴァンガードだとオラクルシンクタンクやジェネシスにギリシャ神話、またはギリシャ神話に強く影響を受けたローマ神話が由来のユニットがいます。
特に最初期の神器名称ユニットはほぼローマ神話由来で、ミネルヴァ、ユピテール、ユーノはギリシャ神話だとアテナ、ゼウス、ヘラになります。

当時はメインVでなく、ただの名称バニホ互換にゼウスという美味しいネタを使うのかと思いましたね
まあ双闘から超越のジェネシスは北欧神話主体で、双闘ユニットのユグドラシル&ノルンも神器ゆえに名称もほぼ北欧神話になるわけですが。


そんなギリシャ神話について調べていくと、ギリシャ神話の原初の神がカオスです。
ギリシャ神話におけるカオスは全ての神々や英雄たちの祖にあたり、あらゆるものを超越する無限を象徴しているそうです。
無限の宿命者とかでてきたけどそれは多分関係ない

また、カオスの名は「大口を開けた」「空っぽの空間」の意味を持ちます。
無限を象徴している割にはなんか虚無といった感じの意味をしていますね。
零の運命者とも恐らく関係はない

なぜ、そういった意味合いがあるのかというとギリシャ神話におけるカオスとは空や大地、生命が生まれる前の何もない空間だから。

箱庭を作る際の箱というか、絵を描くときの紙というかいってしまえば世界そのもの=カオスです。

なかなかにスケールがデカくなってきて座布団の脳ミソでは処理できなくなってきましたが、惑星クレイの成り立ちも最初は「虚無」なんですよね。

クレイの始まりまで遡ると億単位の年月があるため、流石にクレイの成り立ちにまで関わっているわけではないとおもいますが、ケイオスの出自には何かしら世界の根幹に関わるものがある可能性はありそうです。


逆にミカニがギリシャ語な理由はケイオスに合わせたくらいしか思い付かないのですが、ギリシャかつ機械というと思い浮かぶのがデウス・エクス・マキナですね。

デウス・エクス・マキナはギリシャ語のἀπὸ μηχανῆς θεός (アポ・メーカネース・テオス)をラテン語にした言葉で、古代ギリシャの演劇に使われる演出です。
機械とつくので当然ですがミカニ(μηχανή)と同じ文字が含まれています。

これは劇の内容が錯綜してもつれた糸のように解決困難な局面に陥った時、絶対的な力を持つ存在(神)が現れ、混乱した状況に一石を投じて解決に導き、物語を収束させるという演出で、機械仕掛けと名がつくのはこの神を演じる役者を登場させる機械が「機械仕掛け」と呼ばれていたことに由来するそうです。
物語の構成として、シェイクスピアの夏の夜の夢やウェーバーの魔弾の射手などもこのデウス・エクス・マキナに含まれるそうです。
これを由来として群雄譚に当てはめるとグランドグマ関連で大パニックになったところでこの二人が何かするんだろうか……


2.ケイオスとキリスト教について


ギリシャ神話語っておきながら次はなんでキリスト教?
と思われそうですが、群雄譚でケイオスが初めて登場した際『闇色の祭服を纏ったデーモンの男』と描写されているんですね。

ここにある祭服とは一般的には祭祀の際に神官などが着る服のことで、特にキリスト教の聖職者の衣装という意味を持つわけです。
また、衣装だけでなくカード名もキリスト教や聖書を思わせる単語が含まれているのでそちらを掘り下げてみます。

【哀れな子羊達への聖譚歌 ケイオス】

FFRが似合うイラスト1位(座布団調べ)


・聖譚歌(オラトリオ)

キリスト教を題材として演奏会の形式で行われる大規模な叙事的楽曲のこと。楽曲そのものを差しているからか日本語だと基本的には聖譚曲と書かれます。

ストーリーのある大規模な楽曲となるとオペラと似ていますね。
ただ、オペラが背景や衣装、演者の動作など視覚的な要素からのアプローチがあるのに対し、オラトリオではそれらは用いられないそうです。
イメージとしては合唱スタイルのオペラといった感じでしょうか?

代表的な楽曲はヘンデルの『メサイア』ですね。
曲中に歌われるハレルヤコーラスは有名なので誰でも耳にしたことがあるとおもいます。
ちなみにハレルヤとはキリスト教で感謝や喜びをあらわす言葉で、「主を讃美せよ」「主に栄光あれ」を意味するヘブライ語です。
ラテン語では最初のHを発音せずにアレルヤというそうです。ガンダムにそんな人いたな

また、楽曲名であるメサイアはメシアの別表記で救世主を意味する言葉、即ちキリストを差す言葉です。
キリストの名を冠しているこのオラトリオはキリストの生涯を元にした53の楽曲で構成されているそうです。
ミスディーズ・ドラゴンの言っている聖譚歌はケイオスないし巨躯についてを歌う聖譚歌かもしれない(多分カード名にかけた比喩表現なんだろうけど)

・子羊

一般的には子供の羊を表す言葉ですが、キリスト教においては迷える子羊や神の子羊といった言葉があります。

前者は文字通り何かに対し、どうすればよいか迷っている人を表す言葉です。
漫画などでも神父やシスターが「迷える子羊たち」なんて台詞を言っていたりしますよね。

なぜ人を子羊に例えるのかというと基本的に子羊は無力で弱い生き物であり、迷っている人間もまた子羊と同じくらい無力だからとされています。

ちなみに子羊がどれだけ弱いかというと

・臆病。
・群れからはぐれてしまうと自力で戻れない。
・倒れてしまうと自力で起き上がれない。

といった具合で野生下でどうやって生きているのかが疑問なくらいか弱い生き物です。
ちなみに羊といえば、なモコモコの毛ですが家畜化された現在の羊は自然に毛が抜けないため、人間に毛刈りをされないと熱中症になってしまうのだとか。

また、ルカによる福音書15章3~7節では羊にまつわるキリストの慈悲深さを表す記述があります。
要約すると「神は迷いをもたない大多数の人よりも、迷っているたった1人を気にかけてくれる」ということを意味しているそうです。

後者である神の子羊は人類の罪を肩代わりし、神への供物として捧げられるキリストその人を差す言葉です。 

旧約聖書においては生贄を捧げ、穢れのない子羊の血を振りまくことで罪は赦され得るものとされてます。
神の子羊であるイエスが磔にされ、その際に流された血によって人類は免罪されたとされるのだとか。


【讃美の歌が聴こえる】

・讃美歌

キリスト教、特にプロテスタント教会において礼拝や集会等で歌われる神をたたえる歌です。

キリスト教にカトリックとプロテスタントがあるのは知られていますが、讃美歌は基本的にプロテスタント教会での名称でカトリック教会では賛歌という名称になります。

キリストが十字架を背負い人々の罪を全て引き受けたことから人々は自分たちが生きていることの感謝を歌にのせて捧げるようになったそうで、これが讃美歌のはじまりだといわれています。
キリストの生誕を祝うクリスマスでも歌われるのはそのためですね。

有名な讃美歌である「主よ、御許に近づかん」は映画タイタニックで沈んでいく船の中でバンドメンバーが演奏していた曲なのでもしかすると耳にしたことがあるかもしれませんね。
また、有名なアメイジンググレイスも元は讃美歌だそうです。
曲名を翻訳すると「素晴らしき神の恩寵」になるので納得ですね。



3.ケイオスと反キリスト教について


ケイオスとキリスト教を結びつける要素を書いておきながら今度はケイオスに含まれる反キリストっぽい教要素を書いていきます。

と言うのもこのデーモン、見た目はキリスト教関係なのに構成要素を見ていくと反キリスト教っぽいのです。要するにここからが本番です。

・蛇

G1、混沌を司る者を除いてケイオスのイラストには蛇のような存在が描かれています。
この蛇が群雄譚本編にて示唆された巨躯(アンノウン)でしょう。
巨躯とケイオスは関係性こそ明確ではありませんが何かしら繋がっていることは確かです。

蛇は各地の神話や宗教にも登場することが多い生き物で、ギリシャ神話では蛇の髪を持つ怪物のメデューサが存在し、キリスト教圏においてはアダムとイブの楽園追放のきっかけとなった原罪の象徴、邪悪の権化とされています。
また、キリスト教には七つの大罪というものがありそれぞれに動物が当てはめられているわけですが、そこに蛇も含まれ、最も重い罪である「嫉妬」に当てはめられていますね。

ギリシャ神話、キリスト教は上記でケイオスと結びつけた要素ではありますが基本的に悪いものとして扱われています。
(
蛇使い座ことアスクレピオスの話もあるため、必ずしも悪とされているわけではありませんが……)

また、タロットカードにおいても蛇は登場しています。

それはウェイト版タロットでの恋人のカードで、女性の側に木に絡みつく蛇が描かれています。
この恋人のイラストはアダムとイブの話を元に描かれているので、失楽の原因となった蛇も描かれているわけですね。

ちなみに恋人のカードは逆位置に「誘惑に負ける、誤った選択をする」等の意味を持っています。
意味合いも蛇に唆され知恵の実を口にしたイブを想起させますね。

また、イブに知恵の実を食べるように勧めた蛇の正体は悪魔サタン。もしくは神への反発心を持った堕天前のルシファーとされていることが多いです。

そう言えば、イブの別表記はエバ。
エバと親友のアルキテは共に「楽園」を名前に持ったカードを持っている訳ですが、楽園を白の研究所とすればエバにとっての知恵の果実は副所長であるハロルドによって作られた知性でしょう。

副作用が大きいとはいえ、どんな存在でも天才へと変える手術とは割ととんでもないことをしている訳ですが当のハロルドはアナザーストーリーにおいて出世のために手段を選ばず、部下の手柄を横取りすらする人物とされています。

また、アナザーストーリーにおいてハロルドはエバとアルキテを「バケモノ」と呼んでいます。
エバだけであるならばアルキテの母親を解体した所業からそう呼ぶのはわかりますが、アルキテが研究所に訪れた時からそう呼んでいます。

アルキテのアナザーストーリーは天才と凡人の差をかなりはっきりと書いているように個人的には感じています。

生まれながらの天才であったアルキテの考えを凡人である父や教師は理解できず普通という型にはめようとしました。
特に父親は自分より優れていた妻(アルキテの母)の存在もあってか、アルキテが天才だとは認めたくない感じでした。

アルキテの母親もかつては天才とされていたそうですが、アルキテに対して行ったのはかつて自分がさせられていた雑務をやらせて研究の機会を奪っていましたね。
かつて自分がそうされたように。

それでも、アルキテはウェイビロスを完成させたわけですが。

エバ曰くアルキテの母は「おバカさん」とのことなので、天才と持て囃されていても所詮は凡人の中の天才だったのでしょう。
結局アルキテを真に理解できたのは人工的とはいえ同じ天才のエバだけだったわけですね。


これに当てはめるとエバとアルキテを「バケモノ」と呼んで理解しなかったハロルドは「天才」ではなく「凡人」ということになりますよね。
また「おバカさん」であるアルキテの母の研究成果を奪っていたそうなので、アルキテの母よりも劣っていた可能性はあります。

では何故、凡人であるハロルドがエバという天才を作れたのかが疑問に残ります。

ハロルドの持つ技術は大したものではないもののエバの好奇心と混ざりあって大天才が生まれたと考えれなくもありませんが、ハロルドがオブスクデイトにエバとの過去を語った際に「予想外の結果だった」等の発言をしていないので想定内だったと考えられます。

従者がブラントゲート出身なのも踏まえるとブラントゲートに滞在したことありそうですが研究所にちょっかいかけたりしてないよなあのデーモン
ちょっと飛躍しすぎなので流石に自重しますが、群雄譚内でロロワたちはブラントゲートを訪れていないですし何かしら関わっていた可能性はあるように思いますね。

ちなみに由来的に一番蛇と関わりそうなエバですが、現状ケイオスとの接点がありません。
逆にオブスクデイトは士官学校時代に教師と生徒としてケイオスと出会っているようです。

また、キリスト教ではルシファーとサタンが同一視されており、ルカの福音書ではイスカリオテのユダがキリストを裏切った理由はサタンに取り憑かれてしまったからとされています。
巨躯が表舞台で活動するガワとして誰かの身体乗っ取ったり、化けている姿が今のケイオスだったりしないですかね……?
普段の愉快なお兄さん的な振る舞いは元になった誰かの性格をエミュってる可能性はありませんかね。

ここまで西洋圏の蛇に対する悪印象を書きましたが逆に、非西洋圏においては蛇は神に近い存在として書かれています。

例えば仏教における蛇は弁財天の使いとされ、脱け殻を財布に入れると金運が上がるなどの謂れがありますね。
干支にも蛇は採用されています。

また、中国神話における最初の人類は伏羲と女媧なのですがこの二人は頭は人間、身体が蛇の形で描かれています。
人類判定していいのかという疑問はありますが

アステカ神話の代表的な神格であるケツァルコアトルの名前は「羽毛を持つ蛇」の意味を持ちます。
アステカ神話といえば人身御供の風習があり、血生臭い印象がつきまとうわけですが、ケツァルコアトルは人身御供を止めさせた心優しい平和の神として知られます。
元は水に縁のある農耕の神でしたがギリシャ神話のプロメテウスのように人類に文明を授け、火をもたらした神とも解釈されているそうです。

最後にインド神話では釈迦が悟りを開く際にそれを守護したとされるナーガラージャが存在します。
このナーガラージャは仏教にとりいれられ、さまざまな竜神の元となっています。
著名なのは仏法の守護神である八大龍王でしょうか。
八大龍王とは、雨乞いや海難など、水に関する神様8人の総称で、全国各地に祭られています。

・13
ケイオスのスキルの条件に設定されている数ですね。
13枚ではなく13種類なのが条件達成の面倒さに拍車をかけています。
とりあえず枚数か種類かはさておいて13という数字に注目します。

日本では4と9を死や苦に結び付くとして嫌いますが、海外では13を嫌う傾向にありますね。
オカルトな話にはなりますが、学校の七不思議によくある1段多い階段も増えるのは大体13段目。
死刑台に登る際の階段が13段なんて話もあります。

13にまつわる話って色々あるんですが北欧神話では、12人の神が祝宴を催していた時に、招かれざる13人目の客としてロキが乱入したそうです。
ロキといえば北欧神話のオーディンの義兄弟であり、トリックスターとして知られていますが盲目の神へズを利用して光の神バルドルを殺害し、後に起こるラグナロク勃発の起因となった神でもあります。

ヴァンガードにおいてロキそのものはいませんが、ロキの子供達は存在していますね。

 
 
三名とも絵師が強すぎる


宴に乱入したロキは自身がバルドルの殺害に関わったことを明かし、宴に参加していた神々全員の黒歴史を暴露し恥をかかせます。
これにより神々の怒りを買ったロキは拘束されて洞穴へと幽閉されるのですが、ロキが拘束された場所は洞穴の中でも蛇の毒液が滴る位置でした

身動きのとれないロキのために妻のシギュンが皿で毒液を受け止めてロキを庇っていました。
が、受け止めた毒液で皿が満杯になると当然ながら捨てに行かなければならずその間ロキは毒液を浴びることになります。
毒液を浴びたロキがその苦痛によって大声で叫び身を捩ることが影響し、地上には地震が起こるそうです。

巨躯が現れる時も地震が起こっていた気がしますね。
巨躯は文字通りの巨体のようなので移動だけで地震くらいおこりそうですし関係ない気もしますが、一応

また、13人目の招かれざる客によって災いや不幸がもたらされるという構図はグリム童話の「のばら姫」とも共通しています。
誰でも知っているおとぎ話でも不吉や悪を象徴する数字とされているわけですね。

キリスト教においてはイエスを裏切った弟子であるイスカリオテのユダは最後の晩餐で13番目の席についていたとされています。
キリストの弟子は12人なのにユダが13番目の席についていたというのはキリストを含めるとその場に13人いたからでしょうか。
絵画の最後の晩餐でも描かれているのはキリストを含めて13人ですね。

ケイオスはストイケイアにおいて「建国の父ストイケイアの教えを広めるために軍から派遣された」という立場ですが、師の教えを広めるというのはキリストの弟子達が行っていた布教活動と重なります。

ケイオス以外に同じような活動をしている人物がいるのか、あるいはいたのか。それは今のところ不明なのでなんともいえませんが、ケイオスが語ったストイケイアの教えには「絶望せず感謝せよ」とあります。
感謝という行為はキリスト教では祈りや喜びと並んで重要視されています。

「いつも喜んでいなさい。 絶えず祈りなさい。 すべての事について、感謝しなさい」
というのがキリスト教における生き方の基本
として聖書に書かれています。

これを踏まえるとストイケイア師とケイオスの関係性はキリストと弟子の関係性に近しく見えます。
それでいて13という数字に関連をもつことには不安要素しかないわけですが。

・赤毛

G2までのケイオスは黒髪ですが、G3のケイオスは赤毛です。
この赤毛に関してもキリスト教に関わる意味合いがあるので書いていきます。

西洋圏には「赤毛の人間は死後、吸血鬼になる」という伝説があり、吸血鬼発祥の地であるルーマニアには赤毛に青い瞳を持つ吸血鬼ストリゴイの伝説があります。

基本的に黒髪が多いアジア圏ではあまり馴染みがないですが、西洋圏には様々な髪色を持った人がいるのですが金髪と赤毛を持つ人は少なく、比較的珍しい身体的特徴だそうです。
珍しいものといえば希少なものとして尊ばれるか、または変わりものとして嫌悪や蔑みの感情を向けられるかのどちらかの対応を受けるのは想像に易しですが、金髪は前者、赤毛は後者の扱いを受けているそうです。

赤毛の人に対する「ジンジャー」という蔑称があるわけですが、これは赤毛の者はすぐにカッとなる。という偏見からきているそうで、カッとなることとショウガのピリッとした風味に例えているのだとか。

この扱いからもわかるように赤毛は差別やいじめの原因にもなりえる身体特徴であり、歴史的にもキリスト教の異端審問の際に赤毛の者は実際の信仰に関係なくユダヤ人とみなされて迫害される等差別的な扱いを受けていたそうです。

この差別的な扱いは現実だけではなく、児童文学で有名な赤毛のアンでも主人公のアンが赤毛を馬鹿にされ、(赤毛故に)癇癪持ちだと蔑まれる扱いを受けています。
本人も自分の赤毛を酷く嫌っていて髪を黒く染めようとした結果、騙されて失敗するという話まであります。

またハリー・ポッターシリーズでもマルフォイがロンに対して「赤毛にそのお下がりのローブ、ウィーズリーの家の子だろう」と馬鹿にする台詞がありますね。
日本人からすればロンの外見特徴をあげつつ、お下がりのローブという箇所で馬鹿にしているんだというのがわかるようになっている訳ですが、赤毛に対する差別意識を知った上でこの台詞を見ると最初から喧嘩を売りにいっているのがわかります。
映画だとこの後にハリーに声をかけていますがフラれています、自分に親切にしてくれた相手やその家族を馬鹿にしたのだからまあ当然の対応ですよね。

児童文学に分類される作品でもこのような描写がなされるということはそれだけ差別意識が根深いことを表しているとも言えるのではないでしょうか。

そして、ここまで赤毛が差別されるかの原因は聖書にあります。

というのも、
人類初の殺人者であるカイン
キリストを裏切った弟子のイスカリオテのユダ。

この二人が赤毛とされているかららしいです。
……そりゃキリスト教圏の国では悪印象を抱きますね


次に何故その二人が赤毛となった理由ですが、
キリスト教は世界各地への布教を行った際に一神教であるがゆえに相容れない他宗教や他文化の神を貶める行為を行ったわけですね。

そして北欧への布教の際、その土地の人々に信仰されていた雷神トールを悪神として扱ったそうです。

ちなみに北欧神話の主神はオーディンですが何故トールが標的にされたのかというと、トールは元々オーディンと同格以上の神格とされていたこと。
また、雷神であると同時に農耕の神でもあったため農民階級から広く信仰されていたためだと思われます。

そしてトールは赤毛です

これがきっかけでキリスト教では赤毛=悪という構造ができたそうです。
なんなら北欧神話にて悪として扱われるロキも赤毛とされています。

当時の識字率は高くなかったこともあり、文字が読めない相手に布教すべくキリスト教は宗教絵画を作成することになるわけですがそれを着色する際にキリスト教では悪とされる赤毛という要素をカインやユダに与えたわけですね。

(ちなみにキリスト教は北欧だけでなく他の神話でもやらかしており、現在は悪魔として知られるバアルやアスタロトも元はカナン人が信仰していたウガリット神話の神です。
バアルは主神、アスタロトはその陪神であり妻──要するに元は女神であるにも関わらず、醜悪な姿の悪魔として現在は書かれています。)


元は女神……!?

余談ですが、雷神トールは洪水にあった際にナナカマドの杖により命を救われたという逸話があります。
そこから北欧においてナナカマドには水難避けの効果があると信じられるようになり、スウェーデンでは船を作る際の素材にはナナカマドを必ず取り入れているのだとか。

また、実を付ける前の花びらが5弁。そして実についている筋も放射状に5本なので五芒星に見立てられ破魔の力が授けられているという伝承もあるそうです。

更に北欧神話に登場する世界樹ユグドラシルの正体は巨大なトネリコの木とされています。
ナナカマドとトネリコはまったく関係のない植物なのですがトネリコの葉とナナカマドの葉は見た目が類似しているようで、それによりナナカマドは「Mountain ash」という名前を持ちます。
トネリコがash treeなので山のトネリコという意味ですね。

ロロワはナナカマドのバイオロイドであり、世界樹のバイオロイドであった理由は恐らくそこからだと考えられます。
ケイオスの髪色の由来がトールにあるのであれば、このナナカマドとの関係性もどこかで拾われたりしないかなと思ってます。

・後光冠

ケイオスは後光冠(ハロー・クラウン)という装飾品を身に付けています。

後光というと仏教においては仏や菩薩から差す光、キリスト教においては絵画で対象の人物の周りを包むオーラのようなものとして描かれるもの。
後光冠はそれを象った頭部の装飾ですね。

画像検索すると実在する装飾品ではあるようですが女性向けです。また、一般人が普段使いするような物にはとても見えません、ハロウィンくらいでしか使えない気がします。
そんな装飾品を男性でありながら日常使いしてちゃんと似合ってるケイオス様、かなりのお洒落上級者ですね。

G2までのイラストにかかれているケイオスの後光冠は金色でカチューシャのような形状をしています。
が、G3になると一変し、黒色で頭部全体をぐるりと囲むような形状になっています。
装飾も刺のような鋭いものに変化していますね。

これ、茨のように見えないでしょうか?

茨の冠というとキリストがゴルゴダの丘で磔刑にされる際にキリストを苦しめ、嘲笑するためにローマ兵が被せたものです。
冠と言えば権威の象徴であるわけですがそれを嘲るための道具として使い、貶めたなんてこれ以上にない侮辱ですよね。

茨はアダムとイヴが原罪を犯した際に地面から生えた呪いの象徴、その鋭いトゲは痛みと苦痛をもたらす人類の罪の象徴であるとされています。

呪いと罪の象徴でつくられた冠をキリストが被り、磔になる、つまり神にその身を捧げたことでキリストが人類すべての呪いと刑罰を引き受けたことで罪が許されたといわれています。
罪の象徴であるわけですが、見方によっては許しの象徴とも解釈できますね。

また、イラストが公開されたグランドグマも頭上に茨の冠のようなものがついています。

過去にモーダリオンとオブスクデイトは巨躯はグランドグマの信者かという予想をたてていましたが、仮にそうだとすればケイオスの頭の冠はグランドグマになぞらえたものと解釈できますね。

ただ現世を幸福で満たす(とされる)グランドグマおよびその顕現を願うハッピー常闇村の村人と、欲望を賛美し、それにより引き起こされる酸鼻を極めた光景を望むケイオスは相容れなさそうです。
幸福で満たす=欲望が叶うと解釈するとケイオスの望む欲望によって引き起こされる酸鼻がおきなくなりそうですし、あり得る形としてはお互いを利用しあう持ちつ持たれつの関係性くらいかなと。

グランドグマが本当に幸せをもたらす存在なのであれば、ですが。
まあ、絶対なんかヤバイことやらかす存在でしょう。

グランドグマは「3000年前に本をとられて眠りについた」とのことですが、言い換えると3000年前に顕現しているわけですね。
ロロワがグランドグマの顕現を見ていないことから、ロロワが眠っている間に顕現したとみていいでしょう。

そして、ロロワが眠っている間に始まったのが消滅した無神紀です。
ケイオスがロロワに見せた記録では暗黒時代といってもいい時代だったわけですが、そんな状況であれば信仰に救いを求める人がでてくるのは別段自然な話ですし、それこそモーダリオンが言っていたように甘い言葉で誘惑すれば生贄になってくれる人も沢山いたでしょう

3000年という月日の一致と歴史書の能力でグランドグマ関連の話を見せなかったあたり、最初のグランドグマ顕現にも何かしら関わってそうですね、手元に本もあるし。

ちなみにグランドグマという言葉は「グランド(偉大な)」と「ドグマ(教条)」合体語だと思われるのですが、ドグマ、および教条という言葉の意味を調べてみると

・各種宗教、宗派が信奉するそれぞれの独特の教義・教理。
キリスト教、特にカトリック教会における教条。 公に決定された権威を与えられて、反論する余地のないものとされた宗教的真理を表明する命題

とあります。

ちょっとややこしいのですが、信仰する宗教それぞれにある教えという意味合いだと思われます。
特にカトリック教会で使われる用語という感じですね。

また、ジラールが持っていた本のタイトルは大天涯グランドグマでした。

天涯ときいて出るのは天涯孤独という言葉ですが、元々の意味は「空の果て」になります。
正確には涯という文字に果てや限りという意味があるそうで、空の~という部分が天にかかるわけですね。

空には当然ながら果てなどないので永遠や終わりがないといった意味に繋がるわけですが、それを考えるとグランドグマが目覚めた際にはとてつもない範囲で被害がでそうですね。

また、グランドグマへの生贄の儀式を取り仕切っていたサクリファイス・グラスは頭部が砂時計になった所謂異形頭のデーモンでした。
砂時計といえば中世末期のヨーロッパで流布していた「死の舞踏」をはじめとして死のモチーフとして使われることが多いアイテムです。
FL∀MMe-Gの楽曲は多分関係ないです。

「死の舞踏」の有名な絵では貴婦人の前で死の象徴である骸骨が踊っているのですが、その足元には砂時計が置かれています。
その砂時計が示すのは貴婦人の寿命であり、もうすぐ彼女に死が訪れることを差しているわけです。

死の舞踏はペストという疫病の衝撃により誕生したテーマなわけですが、疫病というものは老若男女、貧富の差に関係なく死をもたらすものです。
拡大解釈すれば「死は全てに置いて平等」とも言えます。

グランドグマ信仰は弱肉強食、つまり平等とは相容れない考えが蔓延するダークゾーンやダークステイツで広まった教えとのことですがそれを取り仕切る存在が死を平等とする存在であると考えると途端にキナ臭くなりますね。
グランドグマのもたらす幸福がが死は救い、死ねば悩みも苦しみも全てなくなる!みたいなぶっ飛んだものでないことを祈るしかない。


3.ケイオスと仏教、ヒンドゥー教


ここまでキリスト教キリスト教と言ってきて急に違う宗教出すなと言われそうですが許してください……!!

あと座布団は別ジャンルの推しがインド神話由来なのもあり、インド神話由来の話になると筆が乗りすぎてケイオス以外のユニットの話が結構長いです。

ケイオス様の話をしてよ!!って方は申し訳ございませんがざざっと流し読みしてくださいね。

天輪世紀(Dスタン)のデッキにはインド神話やヒンドゥー教由来のユニットがちらほら見受けられます。
昔のインド神話関連ユニットといえばインドラ様やヴァーユ様といったロマン砲だったのに

インド神話って結構有名な神話の割にはDスタン以前でのヴァンガードではモチーフにされることがあまりなかったんですが、ここにきて結構増えました。

インド神話もさらっととんでもない描写がでてきて結構面白いですよ。
天空の城ラピュタのヒロイン、シータの名前の由来であり、ムスカ大佐も名前を出していたラーマーヤナなんて西遊記の孫悟空のモデルとされるハヌマーンもでてきて、ナートゥで話題になったRRRの主人公ラーマの由来もここからなので気になった人は読んでみてはいかがでしょうか。
(RRRのラーマは実在した人物ですが、インドの人名は神話や英雄からとられることが割とあるのでルーツは恐らくラーマヤーナですね。)


・ガーンデーヴァ

インドの叙事詩マハーバーラタの主人公であるアルジュナの愛弓が由来です。

この弓は火の神アグニから矢の尽きない矢筒と合わせてアルジュナへと授けられた武器で、アルジュナ以外の定命の者は扱えないとされています。
文武両道の美男子かつ王子様で自分しか扱えない武器を持っているとか、アルジュナまじ主人公。

家燃やされたりジャングルに放り出されたり女神に言い寄られた挙げ句性的不能にされかけられたり、お兄ちゃんに賭け金にされた結果国を追われて最終的には女装して他国の侍従になった挙げ句女装姿のままヘタレ王子様のケツ叩いて戦場に行くけど

ちなみに上記経緯から火属性扱いされがちでヴァンガードでも部隊名からしてモロに火属性ですが、実際は水神ヴァルナがアグニに貸し出し、そこからアルジュナの手に渡っているので本来の持ち主は水神ヴァルナつまり水属性らしいです……

マハーバーラタの終盤、アルジュナは兄弟や妻と共にヒマラヤ山脈へと行き最後を迎えるのですがその時にガーンデーヴァを水辺に返します。
ちょっとこのあたりはアーサー王とエクスカリバーに似ている気もしますね。


・葬空死団

葬空死団のメンバーって基本的に青系統の色名と進捗をあらわす単語じゃないの?

それはそうなんですけど葬空死団におけるアーヴァガルダ及びパイロットのソラ・ピリオドもインド神話由来だとする解釈が可能です。

というのも、アーヴァという言葉にはサンスクリット語で「最愛」の意味があり、インド神話にはガルーダという体は人でありながら鳥の頭と翼を持つ神がいます。
翼といえばアーヴァガルダのユニット設定では翼型の推進装置がついているとありますね。

ガルーダはヴィシュヌ神により不死となりヴィシュヌ神を背にのせて宿敵である蛇族と戦う戦神、つまりヴィシュヌ神の相棒です。
それに倣うならばアーヴァガルダは「最愛の相棒」という意味で解釈できそうですね。

アーヴァガルダがガルーダであるならば、ソラ・ピリオドがヴィシュヌ神となるわけですが、そのヴィシュヌ神がどういった神様なのかというと、創造神ブラフマーと破壊神シヴァと並ぶ「維持の神」です。
この三柱の神様は三位一体とされています。

アーヴァガルダはともかくソラ・ピリオドをこれにこじつけるのは無理があると言われそうですが、ヴィシュヌには10のアヴァターラという化身がいます。
これらはSNSなどで使われるアバターの語源でもあります。
また、同名の映画をみたことがある人もいるのではないでしょうか。あれもこのアヴァターラが由来です。

ではアヴァターラとは何ぞやという話ですが、ヴィシュヌ神は世界の秩序が失われると世界を正すために地上に降臨するとされており、その際に動物や人間の姿で現れます。
これがアヴァターラです。
(つまりアヴァターラが10ということは世界に10回降臨するわけですね。)
ラーマ、クリシュナ、仏陀といった名前を聞いたことある人もいるんじゃないでしょうか。彼らもヴィシュヌのアヴァターラです。

そんな中でソラ・ピリオドのようなアヴァターラといえばカルキではないでしょうか。

カルキは10番目のアヴァターラとされており、未だ降臨していない最後のアヴァターラです。

というのも、インド神話には世界のはじまりから終わりを4つのユガという区切りにわけて考えていてクリタ・ユガ、トレター・ユガ、ドヴァーパラ・ユガ、カリ・ユガという順番で時代は進みます。
ユガが進むにつれて法の力が失われていき世界には悪が蔓延ります。また人間の寿命も減少していきます。
人間もクリタ・ユガでは400年の寿命があるとされていますが、カリ・ユガでは100年程度の寿命になります。
つまり、今私たちが生きている時代はカリ・ユガにあたるわけですね。

悪の蔓延るカリ・ユガの最後に現れるカルキは白馬に乗った英雄、または馬の頭を持った人の姿とされありとあらゆる悪を討ち滅ぼし、悪のない世界の到来を促す救世主とされています。
カルキが去った後に世界は再びクリタ・ユガへと戻り、悪のない時代が訪れるという仕組みなので、言い方を変えれば「世界に終わりをもたらす存在」でもあります。

悪を滅ぼし、悪のない世界を作るというのは「この世界に根差す悪を殲滅する」という理念をもち、世界にとって悪であると見定めたものを徹底的に排除するという葬空死団との共通点も感じられますね。

カルキに対してユガ・クシェートラの話を思い浮かべたカルデアのマスターの方、大体あってます。あそこまで極端ではないけど

ちなみに葬空死団のメンバーは青い服を着ていますが、インド神話の神様は青色の肌として描かれることがあります。
インド神話において青は特別な色であり夜空の青、海の青で、永遠の神性を表すそうです。
この辺りを考えるとソラ・ピリオドという名前にも繋がってきそうですよね。

また、ヴィシュヌのアヴァターラは神の化身であるとの自覚がないことがあります。
本人に自覚がないなら、他人が気付くわけもないのでラーマやクリシュナも普通の子として育てられています。
正体を知られていないというのもソラ・ピリオドが葬空死団の長であることは誰にも知られていないという設定に繋がりますね。

ちなみにこれ書いている座布団は葬空死団いつ組もうかと考えてる最中にこれインド神話由来では?となり秒でパーツを買いました。


・ニルヴァーナ

ニルヴァーナの名前は「吹き消す」を意味するサンスクリット語が由来です。
日本語では涅槃という仏教用語として使われます、この涅槃とは悟りの境地を差す言葉です。

涅槃仏で調べると寝そべった姿の大仏が出てくるわけですが、これは釈迦の入滅(=死)の様子をあらわした仏像ですね。
日本人は北枕は縁起が悪いと嫌悪しがちです。
その理由は仏教において亡くなった人を北向に寝かせる風習によるものなんですが、その風習は釈迦が入滅時に頭を北に向けていたことに由来します。

また、ニルヴァーナは吹き消すを意味するサンスクリット語だと書きました。
吹き消すと言うと蝋燭の火を消すような光景が浮かぶとおもいますが、ニルヴァーナが吹き消す対象は生命体が等しく持っている煩悩という名の火であるとされています。

日本で煩悩といえば大晦日の除夜の鐘に関連する「108個あるとされる人を幸せから遠ざけ、自分自身を苦しめる欲望」なんですが、これは仏教に由来します。
その中で人々が煩悩に捕らわれて苦しむ原因となる心の毒が「三毒の煩悩」とよばれるものです。

・貪欲(とんよく)
物質的なものは勿論感情、人間関係、地位や名誉に対する何かを手に入れたい、保持したいという無尽蔵の欲望や執着を差します。

・瞋恚(しんい)
怒り、憎しみ、敵対心などの負の感情を差します。

・愚痴
一般的な「愚痴」でなく、愚かな痴(無知や誤解、妄想)の意味で、知識や理解が不足していたり事実や現実を誤解している状態を差します。

では、ニルヴァーナが差す煩悩とはなにかですね。

それは「生きていく上で必要な欲求、五感から生まれる衝動」であり、中には「食欲」「性欲」など生命の三大欲求なども含まれます
生きていく上で必要な生理的欲求すら煩悩とみなし、それを吹き消すということは「死」を意味しています。

だからこそ釈迦の入滅(=死)を表す涅槃と訳されるわけですね。

また涅槃には「輪廻からの解放」という意味があります。
仏教には死を迎えた後に再び生を得る輪廻転生という概念があるため、そこからの解放となるとそれは単純な死とは異なる現世からの完全な離脱を意味することになります。

また、ニルヴァーナの強化形態にはマハーニルヴァーナ、ニルヴァーナジーヴァが存在するがこれもサンスクリット語が由来となっています。

まずマハーは「偉大な」という意味です。

マハラジャという言葉を耳にしたことがある人もいるかもしれません。
マハラジャの語源は「マハー(偉大な)」+「ラージャ(王)」となっています。つまり偉大なる王、王の中の王といった意味合いになるわけですね。
偉大な涅槃、つまり偉大なる死といった意味合いでしょうか。

そして、ジーヴァは「生命」を差す言葉です。
ニルヴァーナという言葉自体が死に近しい意味合いの名前なので「生と死」といったネーミングになるかなと思います。


・バヴサーガラ

ニルヴァーナと世界の選択を争ったバヴサーガラ
名前に関しては蛇の項目で触れた八大龍王の1人である娑羯羅(サーガラ)、または娑羯羅の娘が由来と思います。

まず、サーガラは「大海」を意味するサンスクリット語です。
バヴサーガラは青い衣装を着てトリクムーンというタリスマンと共にいますがこれは葬空死団の箇所で触れた海と夜空の青に繋がりますね。

そして娑羯羅の娘は八歳でありながら大いなる智慧と研ぎ澄まされた能力を持ち、如来が説かれた象徴的表現の意味を会得している。
また、広大なる誓願と慈愛に満ちた心を持つとされている存在です。
バヴの部分だけはちょっと調べてもわかりませんでした。知っている人がいたら教えてください
サンスクリット語の滅びとかが近そうだけど発音がわからず……

また、武器を持つ女神という点を踏まえるとインド神話におけるドゥルガーを連想させます。
ドゥルガーは神々の宿敵アスラ族を滅ぼすために生まれた戦いの女神であり、神々から授かった様々な武器で武装しています。

・チャンドラ(銃)
インド神話の月の神の名前。
神話の時代に銃はありませんが、飛び道具であることからヴァーユに授けられた弓矢がモチーフかなと。
弓矢はインド神話の神や英雄のメインウェポンですが両手塞がりますしね……

・スーリヤ(槌)
インド神話における太陽神、インドの叙事詩マハーバーラタに登場するカルナの父。
ドゥルガーの武器に槌はないが、スーリヤはドゥルガーに毛穴から光線がでるような祝福を授けています。

・トヴァシュトリ(斧)
インド神話の工巧の神の名前です。

・スワヤンブー(盾)
ネパール最古の仏教寺院の名前です。盾は剣とともに死神からドゥルガーへ渡されました。

・プリティヴィー(剣)
インド神話の地母神。
インドラやアグニの母であり、大地を意味する言葉でもあります。

・アーディティヤ(槍)
インド神話の神の集団名で女神アディティの息子たちの意味です、スーリヤが含まれることもあります。

上記のとおり、全てインド神話や仏教に絡む言葉からとられていますね。


長くなりましたが、結論的には3000年の時を経て惑星クレイにおける神格がキリスト教由来であるメサイアからヒンドゥー教や仏教由来であるニルヴァーナへと変わっていることを言いたいだけなのでそれさえ覚えていただけたら全然大丈夫です。
ユニットの考察って詳しく書く機会があまりないので書きたかっただけです、許してください。

ではケイオスの話に戻ります。

長々とヒンドゥー教や仏教、インド神話を語りましたがケイオスにもその要素が見受けられます。

それは群雄譚の3章7話。
時空の歪みの中でロロワがみた欲望にまみれた人々とそれを見下ろすケイオスという光景ですね。

イラスト最高なのにデッキに入らないのが悲しい

ここでケイオスに向かって手を伸ばす人々はぬかるんだ泥濘として描写され、おぞましい光景とされている一方で、その中央にいるケイオスはわずかな汚穢すらなく神々しいまでに無垢とまで書かれています。

この光景で連想できるものといえば「蓮の花」です。

蓮の花は泥から栄養素を吸い上げ、花を咲かせます。
なので綺麗な水よりも泥水の中で育った方が大きな花を咲かせるという特徴があります。

仏教やヒンドゥー教では泥を困難や悲しみに、そこから立ち上がり美しく清らかな花を咲かせる蓮を人生に例えるなどして神聖な花として扱われています。

また、儒学者・周敦頤の書いた短文集「愛蓮説」には「出淤泥而不染」という一文があります。
これは「泥より出でて泥に染まらず」という蓮の花の生態を表す内容なのですが、欲望にまみれ泥へと成り下がった人々の中心にいながら無垢とされるこのシーンのケイオスとも合致していますね。

「そう、欲とは酸鼻を極める亡骸たちから生まれる混沌の花だ。美しいじゃないか。もし明日世界が滅びようとも、そのために私は種を撒き続けるんだ」

クレイ群雄譚1章14話より

これはケイオス本人の台詞ですが、上記の光景と照らし合わせた上でみると種を撒くはケイオスが泥濘として他の登場ユニット達に語りかける行為であり、酸鼻を極める亡骸とは欲望によって自らの身を滅ぼした者、または欲望の成就のために犠牲とされた者の成れの果て。
その果てに咲く混沌の花とは欲望にまみれた人々(泥)の中から顔を出している蛇とケイオスだと考えることができます。

クロノスコマンドドラゴンを襲った際に、巨躯は無数に存在するような描写がありましたが、この蛇を巨躯とするならば人々の欲望が巨躯を生み出しているなんて解釈もできそうです。
そう考えるとケイオス自身も何かしら巨躯と関係があるわけですし、彼が欲望を賛美しているのは自らの仲間や勢力を増やすことに繋がるからともとれそうです。
生命の目的は《生キル事》と《増エル事》ですが……ケイオス様って生命にカウントしていいのか?そういうのを越えた概念なのでは?という疑問はある。

またカードイラストのケイオスは蛇の上に腰掛けていますね。
蛇=巨躯および蓮の花だとするとケイオスはその花に座っているわけですが、仏教では仏は開花した蓮の花に座っています。
お寺に行く機会があれば見て欲しいんですが、仏像は蓮華座とよばれる蓮の花の台座に乗っているか、蕾のままの蓮を持っていることが多いです。

ちなみに仏像と共にある蓮華は蕾のままのものを未開敷蓮華、開いているものを開敷蓮華といいます。

仏像のうち、開敷蓮華の上に座っているものは修行を経て悟りを開いた如来と呼ばれる仏で「悟った人」のことを差します。

未開敷蓮華を持っているのは修行中の観音菩薩です。
菩薩とは「今にも悟れそうなほど修行を積んだ、仏に近づいている人」を言います。
要するに菩薩は修行中の身で、人の願いを叶えたり人々を救うために働いているわけです。

ところで、願いは言い換えれば欲望にもなりますよね。

イラストをみるに蛇は開敷蓮華におもえますが、ケイオスが他者の欲望をせっせと煽っている現状をみるにあれはあくまでイメージ図で本デーモンはまだそこに至ってなさそうです。
読み手がわかる範囲の勧誘は失敗していますし。

ちなみに観音菩薩は正式には観自在菩薩、あるいは観世音菩薩といい、人々の救いを求める声を聞くとすぐに救う、自在に真理を見通して救う慈悲深い菩薩だそうです。
また仏像でも菩薩は慈悲深さをあらわす微笑んだ優しい表情をしています

改めて見るとカードイラストに描かれたケイオスは全部笑顔なんですよね、特にG2までのイラストは上品に微笑んでいます
G3の2枚と混沌を司る者は本性を出しているからか口を開けて笑ってますが


そういえばG0ケイオスの名前は「慈悲深き者ケイオス」ですね。

フレーバーもそれっぽい?

また観音菩薩は日本ではその慈悲深さから子供を生み、育てる母親の愛情に関連付けられて女性的なイメージをもたれがちだそうですが、実際には性別がありません。

というのも、悟りの道に入った観音菩薩は人を越えた存在であるため男女という概念がないそうです。

また、観音菩薩は正式には観世音菩薩、観自在菩薩という名前です。
観世音菩薩という名前には「世の中のありとあらゆる音を観る」という意味があるそうです。
これは言葉にしなくても観音菩薩には貴方の思っていることがわかるということを表しています。

ケイオスが泥濘として登場人物に話しかけているシーンを確認してみます。

闇の奥から声がする。男のようで、女のようで、ただ音を組み合わせただけの弦楽器のようにも聞こえる。

クレイ群雄譚1章幕間より

泥濘の声として書かれるケイオスの声は、声だけでは性別が特定できないような書き方をされていますね。

また、対象となった人物に対して本人でも自覚していない願いや欲望を提示したり、誘導したりもしています。

ミチュに対する語りかけがわかりやすいのですが、ミチュの本当にしたいこと、一等純粋な欲望を知りたいといい「家族に見つけて欲しかった」という願いに誘導していっています。
この流れは最初からミチュの願いを最初から知っていたのだろうと思えますね。

逆に本人が願いを自覚し、それを強く願っている場合は声をかけていません。
例えばタマユラのために惨劇を起こしかねなかったリリミやララミですが、二人に対してケイオスは何もしておらず、あの爆弾騒ぎはリリミとララミが自分の意思で行っています。
確固たる意思をもつ相手は手駒としては操りにくいからでしょう。

また、ケイオスの語りかけの描写には次のようなものもあります。

──可哀そうに。

耳に馴染んだその声は、一すじ細く光りながら、するすると垂れてくる糸のように見えた。

クレイ群雄譚3章11話より

貝気楼の破片に花嫁姿の自分をみて取り乱すテグリアに対するシーンですね。

この状況のテグリアにとって、今まで自分を導いてくれた(とテグリア自身が思っている)ケイオスの声は救いだったと考えられます。

その救いを糸として例えていることから連想できるのは芥川龍之介の「蜘蛛の糸」ではないでしょうか。

蜘蛛の糸では御釈迦様が罪人カンダタに対し、生前蜘蛛を助けた善行からカンダタを地獄から救い出してやろうと考え、極楽へと繋がる蜘蛛の糸を垂らします。
特に「一すじ細く光ながら、するすると」という表現はカンダタの目の前に現れた蜘蛛の糸を表す描写と全く同じですね。

テグリアにとっての救いであることを強調するためにこの文を引用した可能性が高いですが、元となった蜘蛛の糸の話を考えるとケイオスは御釈迦様の立場にいるわけです。

観音菩薩との関連も考えると何かしらの意図があると考えれなくもないのではとおもえます。

まとめ


巨躯とはどういった存在なのか。

ケイオスの由来を調べていくと大体が神話や宗教などに行き着いたわけですが、それを考慮すると神格ではないものの神に近しい存在なのではないかと思われます。
どちらにせよ超常的な存在であることは確かですね。

他者の秘めた欲望を暴き、叶えさせようとする姿も大分歪んではいますが祈りにこたえて願いを叶えると解釈もできます。

モーダリオンがテグリアに話した内容から巨躯の活動がわかったのは神格なき時代、無神紀とです。
つまり、メサイアの統治下では目立った活動はしていなかったようです。
動いていたけどヴォイドやらギーゼやらのせいで目立っていなかった可能性はあるかもしれない

メサイアの由来はキリスト教における救世主なのでイエス・キリストに繋がるわけですが、ケイオスはキリスト教を思わせる服装などをしながらキリスト教において好ましくない要素も持ち合わせていて、メサイアのことが嫌いなのかと思えてきます。
従者がメサイアに出張したきり中々帰ってこないからか

これを考えると何かしらメサイアを遠因として力を失って堕ちてしまった存在なのかという気もしますね。
神格に成り代わろうとまでは思ってなさそうですが。

とにもかくにもサク様やグランドグマといった関わりのありそうなユニットもでてきて、ロロワくんもケイオス様の正体に気付きつつあるので近いうちにわかるのではないかなと思います。
考えた所で座布団が思い付くような展開をさらっと越える展開を出してくれるが群雄譚。ここに書いてる内容が全部外れてる可能性もある。

長文・乱文となりましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました。



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