#むかいの愛し方【下】

パンサー向井さんを好きになった、その過程を振り返る最終回。
畑に撒かれた愛の種は、今か今かと芽吹く瞬間を待ち侘びている。

KOUGU維新電撃加入事件

2020年秋。この頃、私は『KOUGU維新』に夢中だった。
#むかいの愛し方【中】でも登場した『有吉の壁』内で誕生した、お笑いコンビ『きつね』のネタだ。
(KOUGU維新については、またの機会に同じくらいの熱量で語りたい。)

そんな大好きなKOUGU維新に、向井さんが新メンバーとして加入した。
ビジュアル面での大抜擢だと思った。
しかし、KOUGU維新のメンバーはいわゆる「第7世代」が中心。
しかも、空気階段の水川かたまりさんを除いた全員が非よしもと芸人さんということもあり、なんとなく向井さんとの関わりは薄そうなメンツだなぁと感じていた。

さらに、向井さんと言えば「ビジュアル人気で売れる」「芸人がかっこつける(かっこいいと言われる)」ことに対するコンプレックスを吐露することも多く、こういった企画にあまりポジティブなイメージを持っていないのではないかと思っていた。

しかし蓋を開けて見ると、ノリノリでマイナスドライバを演じる向井さん。
またしても向井さんのイメージが変わったのと、「闇落ち」「厨二病」「敵キャラ」という私の大好きな要素てんこ盛りのマイナスドライバというキャラそのものに、とてつもなく惹かれてしまった。

#むかいの喋り方で完落ち事件

KOUGU維新電撃加入後、Twitterで「向井さんがラジオでKOUGU維新について語っている」という情報を見つけた。
そのとき、私は初めて向井さんがラジオをしていることを知った。

奇しくも愛知県に住んでいる私。
向井さんがKOUGU維新加入について語っている「#むかいの喋り方」を聴くことができた。
そこで語られていたのは、向井さんがKOUGU維新にずっと入りたいと思っていたこと、とてもノリノリでやっていたということ。
語っていた時間としてはものの10分程度だったが、とにかく向井さんがKOUGU維新にノリノリだったことが伝わってきた。
ここでまた、私の向井さんへの印象が変わる。

これまで幾度となく変わってきた向井さんへの印象だが、一貫して「尖っていそう」というイメージは残ったままだった。
しかし「俺KOUGU維新にめっちゃ入りたかったの!」と嬉しそうに楽しそうに喋る向井さんからは、一切の尖りを感じなかった。
引き換えに、「楽しそうなおじさん」のイメージがついた。
「楽しそうなおじさん」というイメージは、私は芸人さんに深みと愛くるしさを演出できる最強の要素だと思っている。

それから、私はこの「楽しそうなおじさん」のラジオを毎週聴いてみることにした。

「楽しそうなおじさん」は、こちらの想像を遥かに超える「哀愁」「コンプレックス」「人間臭さ」「熱さ」「若さ」を抱えたおじさんだった。
『#むかいの喋り方』は、最初の1時間は向井さんの1人フリートーク。
そのあと、クイズや大喜利のコーナーへと続く。

まず、このトーク部分がめちゃくちゃ面白い。
向井さんの「向井さん」な部分が凝縮されていて、話も上手い。
深夜ラジオに興じるような「なんとなく人生明るいだけではない奴ら」に響きまくるエピソードの数々。
【中】での鯉の餌の話のようなあんなことが、向井さんの人生では数え切れないほど起こっている。

そして、向井さんの聴いた音楽、見た映画、ドラマ、漫画の話もめちゃくちゃ面白い。
この人は本当にプレゼンが上手い。話がうまい。
紹介された映画もドラマも漫画も見たくなるし、見た気にもなる。それくらい上手いのだ。

あと、大喜利コーナーが面白い。
個人的な持論だが、面白いハガキ職人がついてるラジオ番組を持っている芸人さんは信頼できる。
世の中の面白い人々が「この人の大喜利コーナーで採用されたい」と思って日夜頭を働かせているんだ。
そんな人が面白くないわけない。
つまり、向井さんはめちゃくちゃ面白い。

愛の種を蒔いた畑から、柔らかな新芽が芽吹いた瞬間だった。
そしてこの新芽は、温かい日光、豊かな土壌、日々欠かされることのない水やりのおかげで、今は大輪の花を咲かせている。
向井さんという太陽に向かって、真っ直ぐに伸びる花。
あぁ、愛の花ってのは、こんなに赤く情熱的な色をしていたのか…。

#むかいの愛し方

これが、私が向井さんに落ちた経緯の全貌だ。
ここまで読んできてくれた方なら分かってくれると思うが、とにかく私は向井さんの「ギャップ(意外性)」「可愛らしさ」「面白さ」に落とされた。
落ちた後の人生は楽しい。
ラジオリスナーとしてメール投稿を始めた。(採用率はかなり低いが)
noteも始めた。
新しい目標も立てられた。
それだけで十分だ。

これが、私の向井さんの愛し方。
向井さんのことが気になった方は、一度「#むかいの喋り方」を視聴してみては?

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