モンジュウ屋さん

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こんにちは、遺言書在中なり。
本物の無職だった俺は7月某日無事アルバイトに着任した。音ゲーなどもはやタイタツしかないひなびたゲームセンターだ、いつ潰えるかもわからないが、毎日のように人間のガキが押し寄せては金色の石を狙って「くじ引かせてください」とにじり寄る。

俺はガキが苦手なので極めて敬語を駆使する。 3歳や5歳や7歳などの背に「いってらっしゃいませ」と卑屈な言霊をかける。ラウンドワンで独学に身につけた所作だ。貴様らのメダルは筐体のはらわたに巻き込まれて、筐体は飲んだメダルを吐きなおすかディスプレイに「貴様の破産である」と現を表示するだけなのに。輪廻に似ているね。

疲れて帰って来たら待っているのは、FPSという謎の文化に明け暮れるフルタイムの弟の休日日常と、㌅ともんじゅうたちだ。平均であれば、あと三年から五年の付き合い。

いつか彼らに土をかける日のことを思うと、コルチゾールを含んだストレス的汚汁が目から止まらない。薬でトランス人間が優位になって来た俺には耐え難い現実が近い未来待っている。世の中喪ってばっかり!

なお悪いことに最近それを考えながら酒を舐めることを覚えた。悪辣で醜い、どんでん返しでもなければアベレージお先の暗い人生が刻々と喰われてゆく。

喰うといえば、もんじゅうだ。
もんじゅうとは、揉獣、強いて言えば文鳥の隠語。毎日毎日、辛い虚空を埋めるためにもんじゅうの背に臓の入り口または出口になるびらびらをよせて、TwitterのFF内のモンチャンに思いを馳せる。剥離した人生。愛向ける方向を纏めるべきだ。実際問題俺は分裂症だ。

ところでもんじゅうは、手に対して腹や尻や背や頭より特に足爪に触れている時の方が多く、次にクチバシに触れている場合がほとんどだ。天性の継ぎ目なきフワフワを傍受できるのはもんじゅうが気を許しモチ化したわずかばかりの間で、ならモチとさせたらいいじゃないと思うかもしれないが、もんじゅうたちはもんじゅう同士で腕(かいな)からすごい変な怒りで撃ち落とし合う。

スマートフォンも喰う。 例によって足爪で喰う。爪に味覚でもあるのか。 多くの場合スマートフォンはばっちいのであまり食べないで欲しい所存だ。酷使されたスマートフォンがUNCOより汚いことで名を馳せているのはもはや令和の常識だ。

ところで2、喰うといえばもんじゅうはすべからく全身に水をかっ喰らうのがすきだ。水を全身で飲まないもんじゅうは偏屈屋さん、アナーキー、少数派、ほとんどありえない話しといえよう。

誰がそんな常識を教えたんだ。
野生ってなんなんだ。
アプリオリは異常だ。考えるほど怖いです。
もんじゅうは水を見れば浴びる。
本能。恐るべき。
俺はもんじゅうをエッグガキから育てた経験があるが、
そんなことを教えた覚えは一切ない。

本当にありません。命だけは……


アッ!




そうやって僕は鋼鉄になって。

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