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CB400SSの話 #2

そんなわけで不動車にしてしまったCB400SSだけど、カラダもいくぶんか整ってくると乗りたい気持ちが沸々と。
とはいえ過去4年もエンジンかけずにバイクを放置した事が無いので長期不動バイクを再起動するための情報集めから開始(2年ぐらい前の話)

復活に向けて

*ここから先の話はすべて俺というイチ素人の経験談なのであしからず。
まずはwebで不動バイクの再生についての簡単な知識をチラ見しつつ、家から遠くないバイク屋さんをいくつか見繕って相談。

わかったこと

・4年も不動だとそのままでは微妙なので整備は必要
(そもそも現状はバッテリーきれててエンジンかからない)

・不用意にエンジンをかけようとしないほうがいい
(オイル切れ他不具合が発生していたら、それでエンジンだめになる可能性がある)

・公道を走れるために必要であろうおおよその費用感
(想像してたよりわりとお高い)

この話を受けて考えてる間に世の中がコロナな世界に突入。

LIVE映像の仕事をしている俺にコロナは完全に直撃。
予定してた先の仕事がすべて消え(ライブが中止なので)、明日をも知れない状態のなかでバイク復活の話など軽く頓挫。

で、月日が流れ相変わらず世界はおかしな事のままだけど当初に比べてこの状況なりに世の中は回りだし、それなりな通常の日々になってきた2022年夏、ずっと燻り続けたバイク熱から改めてバイク屋さんに現状相談。

時間経過し不動期間が伸びたこともあって以前より反応が渋い。
しかもコロナの影響でバイク乗る人も増えつつあるらしく中古相場は高騰中、バイク屋さんも割と忙しいことが多いらしく他店購入の不動バイク整備には色よい反応ではない。

中でもお願いしようかなと思った店舗は作業が一杯で受付できるのはわりと先になるとの事。

どうすっかなぁ…まぁ待つか、そんで今度こそ走れるようにしよう。
と心に決めつつも決めたら決めたで整備待機の日々がもどかしく。

そわそわとする日々の中「6年不動車を走らせるって実際にどの程度の作業が必要なのだろう?」という興味本位から「不動バイク 再生 レストア 修理」とかをネットで改めて調べ始めた夏。

これまで同じような単語を検索してたときは、対応している修理作業をやってくれるバイク屋さんや値段の相場ばっかりみてたけど、改めてこの内容で検索すると自力でバイクを乗れるようにする人のyoutubeやBlogがたくさんヒットすることに気づく。

セルフレストアの世界

バイクに乗ること20余年。
古いイタリアバイクに乗ってた頃、しかたなく自力整備してた事はある。
SRに乗ってた頃にはちょこちょこ自力でカスタムもしてた。

とはいえ、ガッツリ自力で不動状態の整備なんて未経験であまり知らなかったセルフレストアの世界。
…そもそも、よく考えるとバイクにガリガリ乗ってた時代はまだネット文化が発展してなかったので、整備に関する情報をwebで調べるなんて感覚がそもそもなかった事に気づく。

てなことで
興味本位でレストア系youtubeを観てみたら、まぁ面白い。
そこそこ観たサイトをいくつか。

修理の内容を調べるつもりで観始めたら普通に面白くなってきて
他にもいろいろなサイトを物色してレストアやらDIYのyoutubeをアレコレ観るのがとても楽しい事に気づく。

で、ふと思ったことがひとつ。

あら…?
これ…俺、自力でやれるんじゃね?

と。

軽整備や軽いカスタム程度の知識と経験値だけど、その手のyoutubeみてると作業の大半は理解できる。

で、エンジン開けるとかは道具もないしちょっと厳しそうだけど、色々みてる間に6年放置の自分のバイク、ダメージの程度も走行までにやるべき手順もなんとなく想像はついてきて、余程の想定外がない限り手に負えないとこまで行かずに復活可能な気がしてきた。

さらに、たまたま偶然すこし先に仕事がぽっかり空いて時間とれそうな時期がある…あれ?やれちゃうぞ?? 

経験上、仕事してるときとか物作るときの感覚で、色んな要素がパズルみたいに偶然バチッと噛み合うときは、たいてい流れに乗れば上手く事が運ぶ。

これ流れがきてる? などと思いまず試算。

バイク道具はある程度処分してしまってたので手持ちは軽い日用工具程度。ここから必要そうな道具・パーツ・他費用を情報集めてリスト化。

その結果、
・想像通りうまく行けば出銭はバイク屋さんの半値ぐらいでやれるかも
・その過程で今後のメンテナンスに必要な道具・知識が手に入る
・なにより、オトナの1/1プラモ楽しそう!

ってことで完全に突撃モード。
最悪な事態とかで手に負えなくなったらそこで諦めてバイク屋さんに泣きつこう…という考えのもと自力でやってみるほうへ一気に心が傾いてきた。

旅をするには地図がいる

気分は固まったけど始めるたにあたり絶対に必要なものが2つある。

  1. サービスマニュアル

  2. パーツリスト

サービスマニュアルは組立説明書みたいな本。
ここに部品がこういう風についていて、ここのネジがこのぐらいの強さでしまっていて、この部品は消耗品だから交換…みたいなのが書いてる説明書。基本的な構造は同じであってもパーツの形状や数値は車種ごとに色々と違っていて、経験値のある人であればこれがなくても困らないのかも知れないが、俺のように素人には不可欠なもの。

パーツリストはサービスマニュアルをよりシンプルにした設計図。
組み上がっているパーツの図面と品番だけがシンプルに記載されていて細かい組み方は乗っていない本。経験値あればパーツリストだけでもバイクは組めると思うけど、俺はシロウトなのでマニュアル必須。そのうえでパーツの品番とかはこのリストがないと手に入れられないので、これは絶対に必要。

バイクに限らず物の修理の手順ってのは

  1. 現状の確認

  2. 故障・整備部分の見極め

  3. 不具合部分の修復、必要であれば部品を交換して組み直し

  4. 動作確認して微調整

と、まぁそんな感じだと思うんだけど、今回はこの2冊がなければそもそも1~4すべてが俺には不可能という代物。どんなにやる気があっても時間があっても、地図がなければ目的にはにつけない。

じゃあ手に入れればいいだけなんだけど、とはいえこれそんなに簡単な話じゃなく。

希少価値の低い絶版本

CB400SSって車両は2001〜2008年までの短命で終わった。
ってことはつまり

不人気車両である

ということ。

絶版して15年が経とうとしているCB400SSはサービスマニュアルもパーツリストもとっくに廃盤、問い合わせれば買えるものではない。つまり中古市場で手に入れる他に手段がない。

当然ヤフオクやらメルカリやらを覗いてみる。
………ない。

詰んだ。

車にもバイクにも「旧車」と呼ばれる世界があり昭和の時代に産まれた今も語り継がれる70〜80年代、ときにはそれ以前の一部絶版車には愛好家が世界中にいて物によっては今もオリジナルパーツがわりと手に入る(金額は別として)

ところが我がCB400SSは、旧車というには到底ほど遠い
「一部ファンのいるちょっと古めな不人気絶版車」である(悲しい現実)

需要ないとこに供給なく、パーツは他車種との共有もあるのでまだまだ現役で手に入るものも多いけど肝心のマニュアルは手に入らない。

まだセルフレストアなんて考えてなかった頃にいくつか売られてるのは見た…「高いな〜マニュアルってこんなにするのか」とたいして気にもせず眺めてた。いざあのときのそれを探すが”売約済み”後の祭りである。

とはいえこれがなきゃ何も始まらないので日々webの中古市場を徘徊。
詐欺サイトとか、抱き合わせ商法とかを色々観て
マニュアルは最終的にCB400SS用の手に入らず、CL400で代用(CBはこれのマイナーチェンジ版)

パーツリストもどうにか手に入った。

かくして準備がととのいハラが決まる、


これまでは妄想だったけど
すでにマニュアルとパーツリストの中古を買ったので出銭が発生した。
こうなれば前進あるの…で後は速いもので、毎日のように何かしらの通販品が届く日々がはじまる。


でことでようやく序章完了。我ながらスローペースなプロローグだけど
ここからはひたすら作業の日々へ。

それはまた次回。

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