2024/07/22

 死を覚悟するくらい暑かった。今日に限って社外の用事があり、痛みを感じるほどの日光で脳みそが沸騰して、そんな日光を浴び続けて溶けそうなくらい熱くなったコンクリートで靴を履いているのに足の裏を火傷してしまうのではないかと思った。明日以降もこの暑さって本当ですか。
 ホームに駆け上がる時に後ろでずっと聞こえていた声は私宛のものではなかったよな? 私はもう外で知らない人に呼びかけられても、それで私が命を落とすのだとしても、絶対に返事をしないと決めたのだ。話しかけられて死んだほうがマシだと思った経験の方が圧倒的に多い。有料特急の発車2分前に指定席券を買って、乗り込もうとしたら出入り口にサラリーマンが屯していて歯の隙間から漏れ出そうな罵詈雑言をすんでのところで飲み込んだ。
 電車の窓から殺戮のような雨粒が見えた。

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