編成写真の構図思案 概念篇

のちのち図や写真載せてわかりやすくしたいです。

きのう父親に「おんなじ写真撮って楽しいの?」って
言われました。
なんか光栄な気分になりました(感性バグ)

一般人からしたら同じように撮ってるように見える
鉄道写真の王道にして基本、編成写真の構図について
自分の解釈、意見を言語化してみます。

いろいろな意見もあると思いますが、
迎合ではなく(いっつも言ってる)各々の思想を理解、尊重して
最終的には撮影地での立ち位置交渉などに役立つかなと
そういうニュートラルでドライな議論をしたいわけです。

とくに用語に関しては仲間内で回ることが多く、
辞書などもないためニュアンスが異なって
話が噛み合わない可能性が高いです。

自分は全然写真がうまいとは思っていないですし、
他人から学ぶことも多いです。
もちろん風景写真の構図の組み方や人物写真など
写真はいろいろなものがありますが、
鉄道に関しては、編成写真という基礎ができてこそだと思っています。

基本的には制約の多い、長めの電車を想定しています。

用語

面デカ ⇔ 圧縮


"普通の"編成写真

編成写真ではついて回る問題だと思います。
これの対義語として紐をだす人もいますが、
半分だけ合ってると思います。
自分は紐の対義語は日の丸としています。

とはいえ、日の丸と面デカは近しい関係です。
自分の解釈では、面デカは
像面において、前面の占める面積に対して側面最後尾の占める面積が急激に低いことだと思っています。
面積を高さに読み替えてもオーケーです。
見方を逆にしたほうが構図比較でやりやすいとも思います。
だってどうせ引き付けても圧縮しても画面いっぱいに車両を映すとなれば顔の占める割合自体は変わらないので、相対的に変わるのは後ろです。

"超圧縮" 俯瞰撮影だと全くサイズに差がない場合もある

望遠レンズの圧縮効果はよくご存知だと思います。
遠近感の消失、これはそもそも立ち位置が下がることによる「複数被写体の地点における距離の差」と立ち位置からの距離の比が大きくなることによる
像面上の面積(高さ)の差が減少することなのです。

"面デカ" 広角の遠近感を活用したインカーブ

逆に広角レンズになると、立ち位置が前になり、相対的な被写体間の距離が大きくなり、パースが強調され、「近いものは大きく、遠いものが小さく」という遠近感が強くなります。

つまり、面デカの支配的要因はレンズの焦点距離だ
という主張です。
しかし、それ以外の要素もあります。
実際の距離差があるか否かです。
真横から撮れば、前も後ろもカメラからは同じ距離なので遠近感は無いです。
逆に正面がちになればなるほど、最後尾は相対的に遠くになるので遠近感が出ます。

つまり、面デカ回避のためには、
焦点距離を伸ばして横がちにすることが有効です。
これは、単純に遠近感の問題です。しかし次の
紐、日の丸との密接な関係により編成両数に応じて最適な立ち位置と切り位置が変わってくるのです。

逆に圧縮しすぎってあまり気にならないんですよね。

日の丸 ⇔ 紐

私の思想として、日の丸は完全に没、紐は妥協〜正規です。

日の丸と紐はなにによって判断されるかと言うと
ズバリ余白の配分です
左右>上下なら日の丸、逆なら紐です。
でも等倍だからって完璧だというわけではありません。
まず、先程の面デカです。紐気味だからといって線路に寄ったがゆえに広角を使用という流れです。
ここは立ち位置そのまま望遠使用で切り位置下げるべきです。できないなら紐がベストというわけです。

"日の丸" 同じ水平角で短編成
"紐" 同じ水平角で長編成

つぎに、光線や側面演出の問題です。
おなじく線路に寄る、圧縮するなどして長編成を画面いっぱいに入れた場合、かなり正面がちになります。
そうなると、側面内容が見えづらくなるだけでなく
側面の光線の反射角がきつくなり、
半乱反射のモデルではより側面向きの光ではないと側面と正面の光量が合いません。(この式は自分で考案)

その他、パンタ周りの余裕やSLの煙用スペース、障害物などの要因で紐を肯定する理由が存在します。

ただし、面デカや紐は定量的な指標はない感性の評価になるので個人差があるということは留意すべきです。
微妙に下を詰めたり、空や進行方向を開けたりするのが好きな人もいます。

カツ・スカ

日の丸や紐が余白のバランスによって決まると言いましたが、これは全部の余白の量です。
スカスカであれば画面上の被写体は小さくなりますし、(像判別として)有効な画素も減ってしまいます。
カツカツであれば窮屈で、車両だけが写り、「車両のある環境」を認識しづらくなります。

スカスカだと日の丸らしくみえる
トリミングで対応できる 日の丸っぽさが消える

また、上述のポリシーによって紐気味になった写真の場合、スカめの写真をトリミングすると左右が相対的に大きく詰まるのでより紐っぽく写ります。

他の要素と違い、トリミングによってスカ→カツの
不可逆的な変化が可能なのも特徴です。

串パン・面串・面横電柱

電化区間ではついて回る問題です。
自分の回避優先順位としては、ど真ん中面串>>>面横電柱>微妙面串>>>串パンです。
これは撮影地と編成両数やパンタ位置によって変わり、最適な切り位置立ち位置が変化する元となる支配的な要素です。(面デカ日の丸紐を固定化した場合)

1串パン 2面串 3面横電柱
圧縮により回避が困難になった場合 ただし面ど真ん中を避けて軽減

特にパンタ位置は多種ある上に圧縮により架線柱まみれなので長編成電車列車で回避するのは困難と見切ってます。

前進 ⇔ 後退

編成写真は線路に寄ります。
ホームや側道、踏切、跨線橋が撮影地の殆どを占めています。
後者2つはより限定的ですが、前者は特に立ち位置の自由度として、線路に対して「横」より「縦」の自由度が高いことが多いです。
つまり、面デカだからといって線路から離れたり、
紐だからといって近づいたりすることより
「前後」に動いて立ち位置を変えることになります。

ホーム 側道 跨線橋 移動の自由度

串パンを無視、面串回避のカットから前後進する場合の切り位置ですが、
ワンスパンずらす場合は、紐め・日の丸めの状態を日の丸め・紐めに変化することを承知でするということですので、大きく立ち位置が変わります。
切り位置をほぼ変えない場合は、立ち位置をあまり変えずに背景と被写体の位置関係や紐度を微妙に変化させやすいです。

基準 少し前進 大きく前進してワンスパン奥切り

少し前進した場合、切り位置が少し手前になり、
お互い距離が縮まります。故に広角=遠近感の増加=面デカぎみになるわけです。
大きく前進してワンスパン奥で切る場合、むしろ距離は遠くなる場合があり、そうなると望遠=圧縮になります。

そして、後退はその逆です。

順光(面潰れ⇔面トップ、日高屋⇔エロ光)

みなさん、光線の判断ってどうしてますか
太陽の向きのサイトやアプリ使ってます?
両数に応じて
変えていたりします?
大体水平角45度にしてます?
じゃあ仰角(or天頂角)の目安は?

45度?
当たり具合は十分?

感に頼っていませんか?
自分は星の配置から光線を計算するソフトを作ったのですが、一般の光線サイトとは少しずれているんですよね。
おそらく国際的な近似式と国立天文台の近似式が違うからなんでしょう。(自分のプログラムが間違っていたり、浮動小数点精度の問題かもしれない)

新子安エキセンの日別順光時間と仰角,シーズン表 表示バグあり

まぁそれでいろいろな撮影地の光線がわかるようになって、いわゆる“シーズン”を自動判別して表にする機能をつけようと思ったんですが、
水平角、仰角ともに順光の目安が無かったので、自分で基準を作ることにしたのです。

まずは水平角、進行方向に対して60〜45度
仰角は60〜30度(15度までエロ光)

水平角は長編成になるほど深くしていく想定です。
仰角に関しては、豊富ではない経験をもとに判別しているので根拠が乏しいですが、水平角よりアバウトでいいと思っています。

では、水平角はどのように決めたのでしょうか。

私は、全反射と乱反射、空間光を組み合わせたモデルで考えました。
自分で考案しただけなので間違っているかもしれません。
材質が金属質であるほど全反射の、プラスチッキーであるほど乱反射の、曇るほど空間光の影響が強く出るというものです。

光源の明るさの総和は1として
空気の淀み具合を A:atmosphereとして0〜1
材質の掠れ度を R:rough 0〜1
太陽-平板の角度をθin、平板-カメラの角度をθout
とします。
そして明るさの基準は平板単位面積当たりで考えます。

まずは全反射、
1-A when θin=θout
完全な鏡面は入射角と反射角が違うとなにも見えません。

これを拡張して乱反射の項にします
 (1-A)(1-R) (cos (θin - θout))^((1/(1-R))-1)

そして空間光の項Aを足して、
A+ (1-A)(1-R) (cos (θin - θout))^((1/(1-R))-1)

これは単位面積当たりの明るさで、撮像面からみた見かけの面積はcos(θout)倍なので、

cos(θout) (A+ (1-A)(1-R) (cos (θin - θout))^((1/(1-R))-1))
の値が正面と側面で同じになれば順光とみなせるわけです。

力尽きた
考えを簡略化します.
1 車体正面より側面のほうが長い
2 つまり線路に寄る
3 側面側のカメラに相対する角度は浅くなる
4 像面の単位面積あたりの光量は側面のほうが少ない
5 逆に考えて側面によく当てたほうがいい

側面に対する角度が浅い



あとはぼちぼち実例を追加していきますね

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