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感想【バンコクアソビ】

著:高田胤臣

コロナに罹った。初めに娘が罹り、次に息子が、そして私、夫に罹った。
家庭内感染を防ぐのは無理だ。子供が小学生なら尚のことである。回復の早い子供は二日目にはケロッとして三日目には隔離状態も限界になる。隔離を解いた瞬間にコロナは大人に襲い掛かるのだ。
罹患初日は余裕ぶっていた私も、次の日がコロナの本領発揮だったとみえて、呼気に血の味が混じった。肺が軋む感覚を得たのは錯覚だろうか。回復傾向にある今もなお、時折ピシッと肺や臓器が軋む。
とはいえ私達家族は軽症だった。誰一人死なずに生還できた。一度罹患すると数ヶ月は免疫を得ると聞いた。では今のうちに遊ぶべきでは?そうも思うが、小学生の子供を持つ主婦の遊びなどたかが知れている。
私が未婚子無しなら、コロナから回復したその足でタイに向かうのに。
高田さんのこの本を読むと、私が未婚子無しで「男」なら、タイのゴーゴーバーに駆け込むのに…と思わせる。男性の夜遊びは範囲が広くて羨ましい。

タイのゴーゴーバーはただの置き屋とは一味違うと何かの本で読んだ。商売と分かっていてもつい本気になってしまうのだそうだ。それは女性側もまた完全なプロと言うよりは、どこか素人との境界線が曖昧なのだと思う。
ゴーゴーバーに限らず、商売女性に本気になる男性心理がよくわからないな…と私は常日頃思っていた。水商売にどっぷり浸かっていた訳ではないが、それっぽい事ならば昔経験した。よくある日本の女子大生の、モラトリアム期間の冒険だ。
男性は何故お金を払ってお喋りをしに来るのだろうと不思議であったし、何故あわよくば付き合える、もしくはヤレると思っているのだろう?と不思議だった。
当時、腰掛けの私はその疑問を本腰入れて解決しようとは思わなかった。お酒は好きだったので勧められたら飲むし、潰れないので飲み要員として重宝がられたが、色恋対象にはならなかったし、自ら色気は消していた。お笑い担当の典型的なガヤである。

しかしこの年になると、若い子と話す機会はめっきり無くなったなと思う訳である。以前勤めていたバイト先に若いイケメンが居たが、話してると自分も若くなった気持ちになった。もしかしてあの当時の男性達もこんな気持ちだったのだろうか?少しだけその片鱗を掴めた気がした。
若いとはある種、正義である。

タイのゴーゴーバーは若くて可愛いピチピチの子が裸同然で踊っていて、あわよくば連れ出せるのならば男性はハマるだろう。この本ではゴーゴーバーの他にも様々なナイトスポットが紹介されている。そして利用方法も事細かに記載されてあるので、コロナ禍でナイトスポットの情勢が多少は変わっても基本的なルールを学ぶにはうってつけだ。
夜遊びされる方はどうか、夜のお帽子もしっかりと着用めされよ…。

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