見出し画像

遣唐使の頃の空海

秋の旅の用意1

その頃、私は旅を計画していた。高野山を含め二泊三日。実在した日本人の中で聖徳太子と並びお寺にものすごく祀られている空海。お寺を回っていると空海について知りたくなるのは当然のこと。

そのため、私は司馬遼太郎の「空海の風景」をかなり前から読み進めていた。

これは上下あって相当長い。実はこれを書いている間もまだ読み終わってなく、まだ空海が嵯峨天皇と出会ったあたりw しかし、同時に映画やyoutubeで点在している空海の番組を見て空海を勉強していた。

空海の映画は有名な映画が2本ある。1本は北大路欣也が空海の弘法大師空海入定1150年を記念して作られた映画「空海」。これは本当に素晴らしい。

新しい方の染谷くんが空海、夢枕獏原作、チェンカイコー監督の空海ファンタジー映画。「空海 KU-KAI 美しき王妃の謎


新しい方の空海は、設定が遣唐使に行っていた頃の空海が白居易と出会って、楊貴妃の謎を解くっていう、長恨歌でシャーロックホームズな、へんてこバディもの映画だったんだけどこれらを見ていて、司馬遼太郎の「空海の風景」の遣唐使時代の空海の話を思い出したんよね。


空海は最澄と同じ時の遣唐使で四隻の船で日本から出発するんだけど、他の二隻は沈み、空海と最澄の乗ってた方の二隻だけが唐へいけるねん。あの頃、唐へ行くまでに沈む船もたくさんあったらしく、「日出処の天使」で、皇子が「わたしにはたくさんの船とたくさんの経典が海の藻屑となって消えていくのが見える」みたいに言うやん、あれはほんまのかとやったんやねー。

で、最澄は行く時から朝廷からお墨付きのエリート倭の国の坊さんで通訳もつけてもらってるので、長安にもよらずに天台山へ直行。空海はその時は野良の坊主だけど、日本ではまだ誰も知らない密教を持って帰るぞ!と虎視眈々とその時を待ってるギラギラした若者。しかし、どうやって唐の密教の唯一の継承者の阿闍梨と会えるかと考えて、原本を読めるようになろうとその時のサンスクリット語を勉強して3ヶ月で自分のものにするねん。語学は達者だったらしく、元々中国語はペラペラ。

その後、空海の物書きとしての詩作の凄さ、文章のうまさで何度もフックアップされる。漢詩が超うまくて、文章うまくて、唐でめちゃくちゃ褒められるねん。文章が苦手な日本の官僚が唐に出さなあかん書類も空海が代筆して、そのおかげで何もかもうまくいくねん。

その密教の阿闍梨に会えることができて会ってすぐにお前に授けると言われて、密教をそれもなんと三ヶ月で自分のものにするねん。言葉もやけど密教なんて何十年かかっても習得できへんものやろうにねー。

で、その頃の遣唐使って20年が任期やねん。エリート最澄は短期間で帰れるようになってやる事やってすぐ帰ったんやけど、空海はもう教わることないと無断で2年で帰ってくるねん。


で、日本に密教の全てを持って帰ってから誰もできなかった阿闍梨から教わった二種類の密教を自分の中で解釈して一つのものとして再構築するという、スーパー頭良いことを成し遂げるねん。
その後もその前もすごい事だらけ空海やけど、留学生としての遣唐使の2年間の話が面白いわー。夢枕獏が書いてみたいのもわかるなー。
などと思いながらこれからも「空海の風景」を読むのだ。やっぱスターって超絶運がええねんなー。
空海は完璧過ぎて、その後にすごい坊さんが真言宗には育たず、最澄は完璧でなかった分その後に立派な僧が天台宗には多く出現したのだろうと司馬遼太郎は書いてたけど、完璧すぎる師匠って越えられへんし大変やろなー。。。
あ、空海の映画を見るなら北大路欣也版を先に見てくださいw西安ロケも素晴らしいよ!
何かの記事で大河ドラマの主役にしたい人の中でいつも空海が上がってるけど、それは難しいだろうと書いてたけどやったら面白いと思うけどなー。最澄と二大スターでできるのに!宗教が絡んだら難しいのかな?ベンハーみたいに空海ならドラマチックに撮れるのにねー。

21.8.31

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?