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BONDプロジェクトの事業報告書のおかしいところ。第10期編

はじめに

先日よりTwitterにて投稿している「BONDプロジェクトの事業報告書のおかしいところ。」シリーズです。
今回は第10期について指摘していきます。

BONDプロジェクトの事業報告書

BONDプロジェクトの事業報告書は以下の東京都のサイトにありますので、皆さんもダウンロードしてみてください。

第10期も漏れなく、事業報告書をぱっと見レベルで、あからさまにおかしな箇所があります。
東京都が出している記載例と照らし合わせれば、すぐにおかしな所を指摘することができます。

https://www.seikatubunka.metro.tokyo.lg.jp/houjin/npo_houjin/documents/files/0000001198/sankou.pdf

ではそんな事業報告書のおかしな点を1つづつ指摘していきましょう。

事業の実施に関する項目

まず、第9期ですべて空白だった事業費には数字が入るようになりました。
しかし、「講演会の開催による研修事業」は空白です。

事業の実施に関する事項 事業費の空白

でも、すぐ上の「1.事業の成果」で「講演、イベント等を中心に開催し、研修・啓発を行った」とありますね。

冒頭で「行った」と記載しているのに、なぜか事業費が空白です。
場所とか、講師への謝礼とか、パンフレット配布とか、事業費がかかってないということはないですよね。

また、表上に「事業費の総費用【60,605】千円」とありますが、
表の4つの事業費を足しても43,261千円にしかならず、17,344千円ずれています。

事業の実施に関する事項 「事業費の総費用」と「事業費の合計」の不一致

事業費を取り出した表なのに、事業費の合計と事業費の総費用が一致しないとか、じゃあこれは何のための表なんですかね。
もうこれだけで気持ちが滅入りますが、何でこんなおかしなことになるか、活動計算書と比較すると少しわかりますので、活動計算書を見てみましょう。

活動計算書

こちらが、第10期の活動計算書です。

第10期 活動計算書

青少年保護事業費¥3,321,186-、情報発信事業費¥815,000-は先述の事業費と同じです。
そして、他の何の事業費かわからないけど、何かに割り振られているだろう全ての事業費の合計が60,605千円なんですね。

活動計算書 事業費抜粋

なので、「事業の総費用」はここの事業費の合計を単純に切り貼りしているので、表の各事業費の合計とあっていないと思われます。
というか、そのズレに作成者が気付けていない感じかな。
やはり、あの「事業の実施に関する事項」の表の意味はいったい何なの?って話になりますね。

また、第9期でも指摘しましたが、普通は各事業を科目毎に「給与」や「旅費交通費」、「水道光熱費」等に分解して記載するはずなんですが、何故か「情報発信事業費」「青少年保護事業費」のように事業費を科目にしています。おかしいですね。
でもこれ、最新の第12期までこの状態なんですよね・・・。

そしてもうひとつ、おかしな点が見受けられます。
これは暇空さんもツイートしてましたが、

事業の実施に関する事項と活動計算書 抜粋

青少年相談事業:39,135千円

活動計算書の謝金の科目:39,135,027
一致します。
端数27円は千円単位にすると切り捨てになりますので、上位5桁の金額が偶然にも一致します。
4000万円近い金額が一致。これは偶然の一致なんですかね・・・。
鉛筆ナメナメしているのを疑われても・・・という話です。

まだまだ、続きます。
次に計算書類の注記を見ていきましょう。

計算書類の注記(前半)

「2.事業別損益の状況」もおかしくて、事業費ごとの内訳を書くはずが、補助金をもらった単位を項目にしています。

第10期 計算書類の注記 事業別利益の状況 事業名

記載例にもありますが、「定款に複数の事業名を規定している場合はある場合は、事業毎に損益の状況について~」とあるので、

東京都 記載例

つまり、事業名は「事業の実施に関する事項」の表に記載した事業名と同じになるはずです。

事業の実施に関する事項 事業名

もう全然違う表を創作してますね。
記載例とか見て作ってないのかな・・・。

そして、科目に活動計算書同様「青少年保護事業費」「情報発信事業費」と、いやそれ科目じゃないし・・・。

第10期 計算書類の注記 事業別利益の状況

「2.事業別利益の状況」タイトルの通りに、その事業名を項目にして、それぞれの事業単位で損益状況を示す表なんですけど?
表の意味を理解してないで作成している証左ですよね。

そして、「4.使途等が制約された寄附金等の内訳」に記載なんですが、

本来もらった補助金に関しては「4.使途等が制約された寄附金等の内訳」に記載するんですが、 「該当なし」 。
いやいや、「2.事業別損益の状況」で各補助金を事業の項目にしてますよね。項目としては間違ってるけど。(笑)
ちなみに、「4.使途等が制約された寄附金等の内訳」をのちの第11期(2019.11~2020.10)から記載してますが、2018年から同じ補助金をもらってますよね。

judgot様 厚生労働省⇒BONDプロジェクト

まだまだ続きます。長いので「計算書類の注記」を一度区切りますね。

計算書類の注記(後半)

そして、後半は記載ミスでは済まされないセンシティブな話です。
まず、「6.借入金の増減内訳」ですが、なぜか「該当なし」になっていますね。

借入金の増減内訳

でも、例えば、同期の財産目録を確認すると

第10期 財産目録 短期借入金

短期借入金ありますよね。
暇空さんがツイートで語られていた黒塗りの所です。
短期借入金は借り入れた翌期には返済するのが前提なので、借入・返済のどちらかが期内に必ず発生しているはずです。
なので、どちらかが明らかに間違いですね。
なお、BONDプロジェクトの短期借入金の推移をみると

短期借入金 期ごとの推移

毎年、短期借入金発生してますね。
もし「該当なし」が正なら、長期借入金ですよ。なので財産目録他すべての記載が誤り。
もし、短期借入金が正なら、毎年仮換えているので、増加・減少が発生するので「6.借入金の増減内訳」の「該当なし」の記載が誤りですね。
まぁ、長期借入金でも第9期と総額が変わっているので、「該当なし」の記載は誤りですけどね。

はい、そしてなんで借入いただいた方のお名前を黒塗りしているのか?の疑問にお答えできそうな理由が、次の「7.役員及びその近親者との取引の内容」で感じられます。

役員との取引

さっそく、「該当なし」と書かれています。
ここでいう役員はBONDプロジェクトの理事のことです。
先ほどの財産目録で黒塗りされていた所ですが

第10期 財産目録 短期借入金

もう既にご存じの方も多いと思いますが、過去の資料やネット上にある資料等でお名前は判明していて、お名前はここでは伏せますが
・理事と同姓同名の方
・理事のパートナーと同姓同名の方
がここに記載されています。私もその資料持っています。
(ネットで検索すると2023/2/19時点でも取得できます)
つまり、この同姓同名の方が理事本人の場合、「7.役員及びその近親者との取引の内容」の「該当なし」は誤りです。
私はそれを隠したかったから、または事を荒立てたくなかったから、黒塗りしたかったのかなと思います。

では、なぜこれを隠そうとした、または事を荒立てたくなかったのか。
他は誤りに関しては「BONDプロジェクトのミス」という話になりますが、ここの「7.役員及びその近親者との取引の内容」は当然ながらその対象者個人のお財布にとも連動していることになります。
記載に誤りがあれば対象者個人のお財布にとも連動するので、対象者個人のお財布の中身も間違っていることになります。
もし間違っていたら、それはつまり、個人に対するマルサ案件(国税局案件)に発展する可能性があるので、事を荒立てたくなくて、慌てて隠したのかなと勘ぐってしまいます。
おかしなところがなければ別に隠す必要は感じませんがね。何かあるのかもしれませんね。

最後に

いかがでしたでしょうか?
個人的には第9期同様、BONDプロジェクトも受領した東京都もどちらもグダグダ。なのに、黒塗りだけはしっかりする、そのセンスが凄いですね。
事業の中身の検証どころか、それ以前の所でどうしようもないのに、右肩上がりで補助金増額とか、どうなってんの?という感想しかないですね。
そして、年を追うごとに指摘箇所が増えてきますし、「もうなんだかなぁ」という感じです。
これでは東京都は監督できてるとは言い難いですし、むしろ東京都を誰かが監督しないといけないですね。
というところで、今回の話は締めたいなと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。
次は「第11期編」になるかと思いますが、気長にお待ちいただければと思います。

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