結婚がしたいですね

職場で恋をしている村山さんという30代の女性がいるのですが、最近はわりと気軽に話す仲になりました。徐々に距離を縮めていっています。ただ、決定的ななにかがあるわけではないので、あくまでも「仲のいい職場の人」といった程度の間柄です。

村山さんに「いましたいことは何?」と聞かれました。これまでアプリを作ったり、農業をしたり、ふつうに正社員をしたり、いろいろなことをやってきたなかで、それじゃあいましたいことはなんなのかと問われました。

正直にいえば「あなたともっとお話しがしたいですね」と言いたかったのですが、さすがにヤバい気がしました。が、「何がしたいのか」と問われて、じっと考え込んでしまいました。

この質問、けっこう深いんですよね。「将来どうなりたいのか」ではなく、「将来何がしたいのか」でもなく、「どのくらい稼げるようになりたいのか」でもなく、「何が好きなのか」でもなく、「いましたいことはなんなのか」だったので意外と答え方に迷いました。

結局のところ、いましたいことをやっていくなかで「将来」があるわけだし、「結果的にコレくらい稼げるようになりました」だし、「気がついたらコレが好きになっていました」だと思います。

「どうしてうちみたいな配送の仕事を選んだの?」と問われて、「とりあえず配送の仕事はしたことがあったし、引っ越したばかりで稼がなくちゃいけなかったから」と答えたら、「じゃあべつに配送がやりたいってわけじゃないんだ」と言われました。

ま、たしかに、配送がやりたいわけじゃない。「そんなことをいえば私も配送がやりたいわけじゃないけどね」と村山さん。結局はみんなソレがやりたくてやっているわけではないのですが、でも村山さんが私に「いましたいことは何か」と聞いてくる理由もなんとなくわかりました。

私はずっと自由気ままにやりたいことをやってきた人間だということを村山さんに伝えたからです。とはいえ、いまでもけっこうやりたいことをやっているほうだとは思います。自分に合った職場を見つけてそこで友だちをつくりたいという目標がありました。そしてそれは完全に叶えています。

結局、東京に引っ越してきて、いまの職場に入るまでに2回ほどバイトを辞めています。どちらも3日で。私のnoteをよく読んでいる方であればなんとなく覚えているかもしれません。自分に合わない職場にいても、自分と気が合う人は見つからないだろうと思ったからです。

村山さんのその質問に対して「結婚がしたいですね」と答えました。「あなたと」という言葉は取り除いて。

1Q84、1巻が読み終わりそうです。