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お金をドブに捨てる

「どん判金ドブ」ってありましたよね。懐かしい。

私もお金をドブに捨ててきた経験はたくさんあります。当時は「ドブに捨てたな―」と思いましたが、いまとなってはいい経験になったとも思っているので結果的にはドブに捨てていたわけではないのでしょうね。

私はあまり自分の過去を後悔することはないのですが、それは私がポジティブな人間だからではなく、後悔しようと思えばいくらでも後悔できるような人生だったからです。一度後悔しはじめるとキリがなくなってしまうので「もう後悔しない」と決めました。

しかし不思議なもので、「もう後悔しない」と決めた途端になんとなく未来を前向きに捉えることもできるようになるわけですね。一旦過去をすべて受け入れられたので(あるいは受け入れるしかない)、良くも悪くも未来を見るという選択肢しか残っていません。

いや、もうすこし正確にいえば、後悔や失敗をしすぎて開き直っているだけなのかもしれません。そして最終的にはスティーブン・キングの「楽しくなければ何をやっても無駄である」という言葉に絶大な信頼を寄せはじめるわけです。

スティーブン・キング好きなんですよね。『11/22/63』はおもしろかったです。ジョン・F・ケネディ大統領が暗殺された事件を描いた小説です。クソほど分厚い小説だったのですが、おもしろすぎて3日くらいで読みました。本作も私が好きなタイムトラベル✕ラブロマンスものです。

『11/22/63』を読んだのは20歳のときでしたが、当時は「自分もシュタインズ・ゲートみたいな歴史に残るノベルゲームをつくるんだ」と意気込んでいましたので、それはそれは多大なる影響を受けたことをおぼえています。

それと同時に挫折感をおぼえた一冊でもありました。こんなに複雑で壮大な物語を、もし仮に私がそんなプロットを思いつけたとしても、これほど鮮やかに一冊の作品としてまとめきることなんてできるのだろうか、と。

そんな最中にスティーブン・キングの「楽しくなければ何をやっても無駄である」という言葉に出会うわけですが、たしかに何事もその時間を楽しんで過ごしていなければ、たぶんドブに捨てているのと同じことなのでしょう。

100億回は引用されているであろうスティーブ・ジョブズの「もし今日が人生最後の日だとしたら~」という言葉もありますが、結局彼らは共通して「お金や時間をドブに捨てるな」と言っているのかもしれません。

1Q84、1巻が読み終わりそうです。