見出し画像

音響屋について少し語ります。

どうも。
音響エンジニアNOBU’s SoundWorks、
ノブです。

東京に着いて、あなごんワンマンライブを控えてます。
久々に記事を書いてみようと思います。相変わらず
コミュ障と相まって不器用な文章ですがあったかい目でお付き合いください。


多分このSNSを見てくれてる人たちは
大体俺の音響現場で出会ってる人たちだと思いますが、
今回はなんで音響屋をやってるんだ的な話をしようと
思います。

改めて自己紹介を。
福島県いわき市出身で今は広島に住んでます。
高校からコロナ禍になるまでずっといわきで
バンドやってました。
ロックやらメタルやらパンクやら色々やってました。
コピバンから始めて大学からはオリジナルのバンドも
やってました。その時に書いた曲を最近自分で録って
出しました。Apple MusicとかLINEミュージックとかのサブスクで聴けます。CDにする予定は今の所ないかな。

バンド始めた時からずっと、音楽で食ってきたいって
思ってました。曲書いてCD自作で作って売って
ライブハウス回って、バンド甲子園出たりとか
色々やってたなぁ。もう懐かしい話です。


さてさて本題。

なんで音響屋やってるんだって話になるんだけど、
きっかけから遡ってこうと思います。
遡る事3、4年前。2020年、ちょうどコロナ禍になった年だったかな。不要不急の外出は控えるように、
人の密集する場所にはなるべく行かないように。
世間ではこんな事ばっか言われてました。
得体も知れないウィルスがきたもんだから、
どんなもんか正直分からんわな。

当時俺は現役のバンドマンでした。
ずっとライブハウスのステージに立ち続けてきた俺たちバンドマンは大打撃を喰らいました。ライブやる場所
ありません。練習スタジオにもまともに行けません。
メンバー同士気楽に集まれません。体調崩したら絶対
外に出れません。負の連鎖よ。嫌になっちゃうよね。



そんなこんなで夏になりました。
バンド止まったから一気に暇になって、
バイトぐらいしかやる事がなくて、
あとは家でちょろっとギター弾いたりドラム叩いたり
大学のことやったり。そんな毎日を過ごしてたかな。
そしたらLESWORLDの無人島のイベントをインスタで見つけて、即応募したよね。
無人島貸し切って100人で音楽フェス。
音楽フェスですよ。音楽やってた人からしたら
音楽やりにくくなってる時にこんな話が来るんだもん、
もちろん黙ってられないよね。フラストレーション
が溜まりに溜まりまくってた時期だから
余計にテンションが上がっちゃった。
で、俺は福島から兵庫まで行って、LESWORLDの
無人島イベントに参加してきた。

そこで俺は2人のシンガーソングライターと出会った。
TOKIとanagon。
あなごんはLESWORLDのミュージシャンで
ワークショップでは音楽面のデザインを手がけて、
尚且つ自分の曲を出して国内外問わず精力的に活動してる「月明かりのような音楽を届ける」
シンガーソングライター。
TOKIは広島のシンガーソングライターで最近は自分が
受けてきた教育とかをトークライブ形式で発信してる。
広島に引っ越すきっかけになった人です。最近は
めちゃめちゃライブツアー一緒に回ってます。

この2人は、ミュージシャンも続けてもいいんだなって、俺の心を動かしてくれた人たち。ライブを見て、衝撃的なカリスマ性を感じてしまい、彼らが唄う曲も、
俺の感性にどストレートに入ってきた。
だからサポートミュージシャンやってます。

無人島イベントで、同年代なのに、独学でWEBデザイン勉強してそれ一本で生活してる人や、世界一周するから大学を休学したりとか、自分のやりたいことを極限まで突き詰めるために大学辞めてそれに向けて頑張ってる人とか、話し出したらキリがないんだけど、こんな感じでいろんなキャリアを生きてる人たちと出会いました。

地元の大学に行って、いい企業に就職して、
安定した生活をして、将来は家を継ぐもの。
だと教えられてきた俺からしたら、ぶっ飛んでる人たちばっかでした。

いわきにいる時は、そんな事してる同年代とは
出会った事がありません。大学の求人見て必死になって就活をしている同期ばっかり。
俺は音楽で飯を食いたいって思ってたから、就活なんかまともにやったことがありません。一応求人票を見には行ってたんだけど、もちろん音楽の求人なんてひとつもなかったんで、就活を真面目に頑張る気になど
なれませんでした。

ちなみに無人島イベントには酔った勢いで買った、
持ち運びできる音響機材とジャンベを持って行った。
それに合わせて着替えとかの自分も全部夜行バスに
乗せてったもんだから、相当重くて疲れたけど。
多分運ちゃんもびっくりしただろうな。あれだけで人
1人分ぐらいの重さあるから。
無人島に行って、行った当時は参加者だったから
あなごんTOKIくんにほとんどオペしてもらってたけど、たまに自分でもいじる時があって、
スタジオで少し触ったことがあるからいけるだろうなと思ってたけど、全然ダメでした。イベントでは完全燃焼してきたけど、
こんな簡素な機材もまともに扱えなかった悔しさ、
えぐかったなぁ。



でもね、ここで俺気付いちゃったんだわ。
俺、表舞台に立つことより裏でサポートする方が
向いてるんじゃないかなって。
それと同時に、無人島で出会った人たちは、
自分のやりたいことに向かってひたむきに努力を重ねて形にしてる。
俗に言う、社会のレールに無理に乗っかる必要はないなって思った。無人島の後は、あなごんのワンマンライブを音響とパーカッションでサポートした。
そこで俺は自分の人生を賭ける決意を固めた。

「音響屋としてみんなの輝く姿をサポートする」

それが俺なりの、音楽で飯を食うやり方だ。

そう決めて、TOKI君にすぐ電話して、機材の事とか色々聞いたんだ。あれが必要だこれが必要だ。
全部教えてもらった。
で、教えてもらった機材を、バイト代とローンを
組み合わせて次々と揃えていった。
そして迎えた2回目の無人島。
ここでもエネルギーは完全燃焼したけど、

あんまり思ってた結果通りではありませんでした。

システムを組んだのはいいけど、機能を把握しきれて
なかったから、2回目でもあなごんTOKI君にお世話に
なりっぱなしでした。情けねぇなあって。
やっぱり悔しかった。

無人島を終えて、コロナ禍なんで隔離期間的なのも含めしばらく家に帰れなくて、LESWORLDのカズの家に
何日か泊まらせてもらってたんだけど、
そしたら衝撃的な話が俺の元に入ってきた。

イマジンフェスで音響やらないか?って。

現場をまともに踏んでなかったから、少しでも何か収穫しなければって思ってた。ベストタイミングだった。
そこで、長野のシンガー湧さんと出会って、
マンツーマンで教えてもらった。やっぱ現場を踏むって大切なんだなって。率直な感想はこんな感じ。

そこからYouTubeやらネットの記事やら見まくって勉強して、幸あれの東京公演、国創りFES、OTONOHA
ミュージカル、TOKIツアー、3回目の無人島、大学の
文化祭など、屋内外様々な現場を踏んでいったわけ
なんですが、
あれ、そろそろ大学出るじゃん。生活どうすんだろ。

はいここです。TOKIは広島のシンガーソングライターで
ライブで一目惚れして俺の心を動かしてくれた人。
無人島の後も何回かツアーを一緒に回ってました。

なんかそこで確信しちゃったんだよね。

「一緒にいれば俺は確実に上に行けるんだ!!」

何の確証があったんだろう。で、長期にわたる家族への説得を終えて、実際に大学を出て広島のTOKIの
シェアハウスに引っ越しました。

引っ越してからすぐ、TOKI君がずっとお世話になってるベテランの音響さんを繋げてくれた。
最近は何回か一緒に現場をやらせてもらってて、
ご一緒した最初の現場の時は、独学だけでやっていた時とは全然違うような達成感と自信が溢れてきた。
俺は初めて、ベテランの音響さんの仕事を目の当たりにした。仕込みからバラシまでずっとね。プロの機材も
目の当たりにした。俺がほしいと思ってる機材、
いずれは自分のシステムとして組みたい機材が
殆どそこにあった。

やっぱり、音楽1本で飯を食ってる人の姿は、マジで
カッコいい。その音響さんにもカリスマ性を感じた。
わからない事があったら、聞けばすぐ教えてくれるし、自分の現場を取ったときに、引っかかる事があれば的確なアドバイスをくれる。俺にとっては師匠的な存在に
なってしまった。

その音響さんが持っている機材で自分が気になる機材があれば、借りて自分の現場に持って行ったりして
どんなもんか触れてみる。それでどんなもんか自分で
いじって感覚に叩き込む。本当に幸せなこと。

自分が出した音でアーティスト達の輝きを少しでも
サポートする事ができているなら本当に俺は幸せ。
まだまだ技術も耳も磨きまくれる。
俺は着実に一歩一歩積み重ねて、成長していく。
みんなが輝いてる姿を見る事が本当に幸せだし、
俺にとってのアーティストへの応援は
それなんだと思う。

自分が出した音で人の繋がりも生み出したい。
そう思ってます。

「輝きをサポートするのが好きだから音響屋をやってます。」 
「みんなが輝いてる姿を見てるのが幸せなんです。」
「アーティスト達を応援したいんです。」


今、思い浮かぶ答えだと思うな。

俺はこれからも一歩一歩、着実に現場を踏んで成長していきます。不器用ですが、不器用なりの向き合い方で。
今はバイトしながらだけど、「音楽一本で飯を食う」
夢に向かって歩み続けます。

余談ですが、現場で出会った事がある人は
気になっているであろう、俺がiPadを持ちながら
マイクに向かって唱えている呪文ような言葉の正体
簡単に解説します。

これは、スピーカーから聞こえてくる音を
その会場に最適な音で出るように調整する作業です。
また、その会場に最適な音量がどれぐらいかも同時に
チェックします。大きすぎてもダメだし、小さすぎてもダメなんです。

同じスピーカーを使っていても、会場によって聞こえる音は変わります。気持ち悪い部分を探すためにあの呪文のような言葉を使うんです。ワンツー、ヘーイ、シー、
ツェーィ、フー、ハー、チェック、などなど、
同じワードでも、発音の仕方を変えてみて、
これで低音から高音まで全部バランスよく出てるかを
チェックして、気持ち悪く聞こえる部分があれば
探して削ります。
淡々と発音しながらチェックする人もいれば、
すごいクセのある発音をしながらチェックしてる音響
さんなど、やり方は音響さんによって違います。

これを怠ったらどうなるか。
耳に刺さるようなところが出過ぎたり、喋ってる声が
はっきり聞こえなかったり、音量上げたらすぐ
ハウリングしてスピーカーやアンプを痛める原因に
なったり、様々です。俺が現場で出会ってきたプロの
音響さんは、みんなこの作業、必ずやってました。
ちょっと変な風景かもしれんけど、
いい音出すために必要な作業なので、許してね。

てな感じで、現場で見つけたことを少しでもいいから今年は発信していこうと思います。

こんな感じで、2024年も、NOBU’s SoundWorksを
よろしくお願いします。
明日はあなごんのワンマンライブ新月祭です。
もう少ししたらリハに行ってきます。


読んでくれてありがとう。
















この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?