銭(予算)が無いなら知恵と工夫3(スーファミチック編)

初代PSのゲーム(RPG)を営業・広報するのに前回書いたイラストがイケていたのでポスターとかは武器になる…が、パソコンゲームから移植なので平面2Dの地味な見た目…当時は3Dやらポリゴンが全盛期で(ファイナルファンタジー7など)もてはやされる時代、シナリオや雰囲気は最高に良いんだが…今のようにネットで宣伝とかできず紙媒体が中心なので伝えにくい。

そう、当時の環境では営業・広報するのに大苦戦は必至の状況…

子供の頃からゲームばかりやってきた俺、実は中・高校生の時に媒体がCDに変わり声が入るゲームが多く登場してて、アニメや漫画のゲーム化などに否定的、しかも「有名声優使えば売れるとか思ってゲームシステムを蔑ろにしやがって…邪道だ」みたいなノリだったんだが…ええ、俺も本数を上げるために邪の道(有名声優の使用)を行きますよ…

ところが、その前にワンマンな会長様から「開発に時間かけすぎて人件費が増えたから予算は少なくする、声優も声さえ入ってりゃいい」…とかって流れになっていたため、またまた策を考えなきゃ…当時、21歳なんですけどね(笑)

まず、声を収録する音楽系の部署は当然、こちらと同様に人気声優を使いたいので利害の一致でタッグ結成、ナレーションは某有名鑑定番組の人、主人公は声も見た目もイケメンだが、その後に黄色いカエルで「ククク…」とか言う人、他に当時のアニメで少女が革命を起こす主人公をされていた人など当時売り出し中やベテランの豪華メンバーをリストアップ、あとはコレを会長やら取締役が出席する会議で俺が了承をもらえるよう話術で陥落させるだけ…

で、会議ではさっそく会長様が銭をかけたくない的な話をし始める。
声を収録する部署の偉い人はこちらの味方なので俺に熱視線を送る。
偉い人の1人が、パソコン版と比較して画像が良くなっている的な話をしたので俺が用意していたキャッチの出番が到来。

「たしかに、パソコン版と比較して画質は良くなっていますが、スーパーファミコン的な見た目で、今流行りのFF7などと比較したら太刀打ちできません」

『スーファミチックなんです』

この偉い人、よく色々な人を説教して嫌われていたが、俺に対しては凄く高評価で「さすが(本名の苗字)さん!たしかにそうですね!」で納得。

そして、さらに切り札を用意してたりする。

「会長は以前、うちの会社は全部の声優会社とつながりがある…とおっしゃってましたよね?今こそうちの会社の強み、それを活かさないとこの見た目では雑誌に載っても本数は伸びにくいので、声優である程度の本数を確定させて、そこから上乗せさせるのがよいかと思います」

声を収録する部署の偉い人も「フルボイスじゃなくイベントシーンだけなので、そんなにテキスト量も多くないですし…」の援軍。

で、会長も逆に乗り気になってGOサインが出る。

これである程度の本数は伸ばせる土台はできた。
そして、この『スーファミチック』って言葉、この後でも重要なワードとして逆に俺が言われる事になる…

続く


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