会社を辞めることにしました

今月15日に会社を辞めます。
未来の自分の為に経緯を書き残します。

今の会社には、5年前の創業時に前社長に引き抜かれる形で入社しました。
事務全体を一任するし、外注手配や情報システム系の管理も出来る範囲でやって欲しいと言われ、会社全体の動きをみられる立ち位置に興味を持ちました。リスクが高いとも思いましたが、前の会社で行き詰りを感じていた事、娘もまもなく社会人で独立する事なども後押しとなり、転職を決意しました。

前社長は2年ほどで会社に来なくなり、そのままフェイドアウト。創業メンバーで株主の一員だった現社長に交代しました。前社長は私の能力をかってたので、それなりの給与条件での引き抜きだったのですが、現社長は、そこまで能力を認めていない気はしてました。外注手配等も一任するのではなく、自分で電話しないと気が済まない感じで、私も積極的に外注に連絡するのを遠慮するようになっていきました。

その後、私がSNS担当になり、それなりに力を入れて動いた結果、1万人以上のフォロワーに恵まれました。他の事務処理は無駄を省いて標準化していった結果、短時間で終わるようになっていたので、1日の半分以上をSNSに費やすようになっていきました。

一方、本業のBtoBな製造業はいまいち伸びず、2年ぐらい前から、消費者向けに自社製品を開発して一発当てたいという事業方針に転換していき、ここ1年は顧問に月々報酬をしはらって研究を重ねてる姿を見てはいました。
そんな中、SNSで反響があった話などをしていると、「それが利益につながったらなぁ」と言われるようになりました。売る物も開発目標も経営戦略も資金もないのに…
しかたなく、社内で空き時間に出来そうな物のアイデアを落とす事を繰り返し、なんとかカタチになってきた物があったのですが、本業が忙しくなったこともあり放置すること1年。
本業が落ち着くのを見計らい、キャンペーンの商品にしたいから作れない?と製造の職人に頼んだら快諾。ブラッシュアップした物が出来てきました。

そのあたりから、社長のご機嫌がなんだか悪くなり、私の知らないところで、その商品を外注で作れないか相談に行ったり、顧問の人と使い方を変えた方法を考えようとしたりしはじめました。

一方、私は2年前から母親が病気で手術や通院。1年前から娘がうつ病。とくに、うつ病の急性期が半年以上続き、お休みを頂くことも多く、自分自身もかなりの心理的負担を抱えて視野狭窄になっていたことは否めません。会社での発言も、配慮が足らずストレートになっていた可能性もあります。ただ、仕事は問題なくこなしていたつもりです。代わってくれる人もいないですしね。娘の薬の管理をするため、残業ができなくなったのですが、帰宅後家で作業したりして問題なく仕事は終わらせていました。

何度か商品の価格を決める話になったのですが、やたらと高価にしたがる傾向があり、何度も値決めの話が頓挫しました。そもそも利益率の定義もわかってないし、外注費と材料費の区別もついてない社長相手に、稼働率の話などをコンコンと説明したのが逆効果にしかならなかったようで、「俺の言うことが素直に受け入れられへんのは、俺に対してなんかあるの?」と言われるようになり、怒号をあげられたりするようになりました。怒号は2人だけの時で、周囲に誰かいると黙ってるので極力2人で話すのを避けてたんですが、話しかけられると無視もできないしね。

そのうち、怒鳴ってるのを他の役員も知るところとなり「それはちゃうやろ」と指摘されるに至りました。そこで、ゆっくり話をするということになり、この夏に2時間ほど2人で話をしました。
・支払っている報酬に対して、やってる仕事がたらない。
・現場の人間は残業もしてるし、役員も残って作業してるけど、私は親や子供の看病で残業や休出できない。だから時給換算すると自分より高給取りで社内のバランスがとれないから、今後見直していく。
・コミュニケーション能力に問題がある。
というのが、伝えられた骨子でした。

入社時の契約の事を言っても、その時は頑張ってたと言われる。
もっとSNSを通じて利益をあげる方法を考えて欲しいと言われる。なんでもええから売れる物を思いついて売上を出してほしい。
私も製品アイデアを出したと言っても、それは頑張ってるけど足らないと言われる。
コミュニケーション能力についても、掘り下げて聞いていくと、咄嗟に具体例は覚えてないからあげられないけど、問題があることが多い。いつも一言多いと言われる。

この会話を録音しておき、すべて文字起こししました。
何度読み返しても論理が通っていない。
自分自身の事だから判断力が鈍るのかと思い、信頼できる人に相談し意見を聞きました。
結果、辞めるしかないねって事になりました。
同時に、私の短所として。説明しすぎる事を指摘されました。論理的ではなく直感的にしか物事をとらえられない人間は、思い込みの範囲を超えることを説明されても、いじめられてるようにしか感じないんだよと。

そして、退職届を出しました。
引継ぎができるよう残り3か月の余裕を見て日付を設定し、残りの期間は給料を下げずに出してくれと言ったら、社長が「辞めるくせに偉い態度やな。払うかどうかは考えとくわ。」と文句言い出し、横から役員に諭される場面もありました。その会話も録音してあるけど、聞き返すと腹が立ちます。
でも辞めると決めた後も社長以外は、全員優しく接してくれたのが救いでした。

その後、引き継ぎがはじまりました。
社長が自分で引き受けるようで、思いつくことから順にやり方を問われる日々がはじまりました。私が帰った後で、私のPCや引き出しの中を許可もなく見られて、気持ち悪かったです。
でも、行き当たりばったりで、優先順位がつけられてない仕事の進め方を身近に見れたのは良い経験となりました。
俯瞰型の人間には耐えられない世界線を生きてる人がいるんだなぁ。
地図も磁石もなく、ヘッドライトだけで真っ暗な地底を掘り続けては問題があれば解決していく。
そんな風に感じた引継ぎ処理でした。
そりゃ、私が説明してたあれやこれやが「今それって必要ある?」って感じだっただろうし、ただの文句に感じられたろうとは思います。
もし私がこの引継ぎ作業を見てたら「まず業務内容をリストアップして、既存のマニュアルがあるものと無いものに分類し、無いものは重要度で優先順位をつけるところから始めましょう」って言ったと思いますが、社長はリストなんて必要としない人間だったわけで、うるさいなってなったんだろうな。
ちなみに、いつまでたっても銀行のキャッシュカードの暗証番号を聞かれないので、最終出社日の少し前に、現金を降ろしてきてくださいと頼んだら、銀行のATM前から「暗証番号なんやった?」と電話がきて詐欺かよと笑いそうになりました。

こちらが地底を彷徨う気分だったのに反して、社長からは、引き継ぎしやすく良くまとめてくれてると言われてビックリ。(業務効率を考えて作っただけで、引継ぎしやすさは全く意識してなかったですけどね。)
退職届を出した日には給料を払うかどうかも曖昧な表現をしたのに、先月の給料明細と一緒にビール券が入ってたり、今月は退職金も払ってくれるらしいです。
謝罪はひとこともないので、気分的にはモニョっとするけど、お金は大好きなので喜んでもらいます。やっほー!!

というわけで、嫌な思いもいっぱいしたけど、学んだことも多い退職にまつわるエトセトラでした。

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