中日・涌井が通算2000奪三振を達成!ディグプロ3月30日
4球団を渡り歩いたベテラン右腕が、NPB史上24人目の快挙を達成しました。
今回は、3月30日に行われた公式戦6試合を振り返っていきます。
※以下一部敬称略、試合順は開始時刻順、同時刻の場合はスポナビ野球速報の表示順に。
オリックス対ソフトバンク戦
京セラドーム大阪
13:00プレイボール
スコア オリックス2-0ソフトバンク
スタメン
オリックス ソフトバンク
1 中 福田周 1 中 周東
2 三 宗 2 遊 今宮
3 左 西川龍 3 右 柳田
4 一 頓宮 4 一 山川
5 捕 森友 5 左 近藤健
6 指 セデーニョ 6 三 栗原
7 右 杉本 7 指 ウォーカー
8 二 ゴンザレス 8 捕 甲斐
9 遊 紅林 9 二 牧原大
投 エスピノーザ 投 モイネロ
オリックスは来日初先発のエスピノーザ、ソフトバンクは先発転向後初登板のモイネロが先発します。
どちらも150キロ超えのストレートと鋭く曲がる決め球を持っている投手の対決。さながらメジャーリーグの豪快な投げ合いは5回に動きます。
5回裏にモイネロから頓宮がヒットを放ち一死一塁の盤面を作ったオリックス、打席には6番のセデーニョが入りました。すると、その3球目。アウトハイのストレートを逆方向に弾き返すと、打球はスタンドをギリギリ超える先制のツーランホームランに。
と、打った後も大はしゃぎだった助っ人です。
2点の援護をもらったエスピノーザは、150キロ超えのツーシームとスライダーを主軸に、四球を出しながらもソフトバンク打線を6回まで零封。ランナーを出してからも崩れることはなく、特に山川から2つの併殺を奪うなど強打者のバットも詰まらせました。
一方のモイネロは5回に2点こそ失いながら、4回まではパーフェクトの好投。6回以降もヒットは1本に封じ込め、8回2失点の熱投でマウンドを降りました。
オリックスは6回終了時点で2-0とリードしたまま投手は中継ぎへスイッチ。7回から小木田、マチャドと繋ぎ、9回は守護神・平野佳が登板。
相変わらず三者凡退で終わることはありませんでしたが、ヒット2本を許しながらも栗原とウォーカーを打ち取って試合終了。
初戦を落としたオリックスが完封リレーでやり返しました。
勝利投手:エスピノーザ(1勝)
敗戦投手:モイネロ(1敗)
セーブ:平野佳寿(1S)
本塁打:セデーニョ1号ツーラン
投手リレー
ソフトバンク:モイネロ
オリックス:エスピノーザ-小木田-マチャド-平野佳
巨人対阪神戦
東京ドーム
14:00プレイボール
スコア 巨人5-0阪神
スタメン
巨人 阪神
1 中 佐々木俊 1 中 近本
2 遊 門脇 2 二 中野
3 右 梶谷 3 右 森下翔
4 一 岡本和 4 一 大山
5 三 坂本勇人 5 三 佐藤輝
6 捕 大城卓 6 左 ノイジー
7 左 丸 7 捕 坂本誠
8 二 吉川尚 8 遊 木浪
9 投 グリフィン 9 投 大竹耕
巨人はグリフィン、阪神は大竹耕が今季初のマウンドに先発します。
巨人・グリフィンは1、2回とランナーを三塁に置くピンチを招きましたが、どちらも外野ブライト三振に抑えなんとか凌ぎます。
そして、4回にも一死一、三塁と先制のピンチを迎えましたが、坂本誠のセーフティースクイズを岡本和が飛び込んでダイレクトキャッチ。飛び出していた三塁ランナーを封殺してダブルプレーに仕留め、主砲のファインプレーによって無失点で終えます。
一方の大竹耕は安定した立ち上がり。序盤3イニングスを1安打に抑えると、4回はヒットと2四球で二死満塁の窮地に追い込まれましたが、丸をショートフライに打ち取りスリーアウト。こちらもなかなか点を許しません。
5回まで終了しスコアは0-0。両軍投手の粘りによって決定打を得られません。
しかし、6回裏に均衡は破れます。先頭の梶谷が四球で歩くと、無死一塁で4番・岡本和。まずは2球目。真ん中に入ってきたカットボールを捉えると、打球はセンタースタンドギリギリに入り込む先制ツーランに。
これで終わりではありません。続く坂本勇人が打席に入ると、ここでも外から入ってきたカットボールをフルスイング。打った瞬間それとわかるあたりはレフトスタンド中段に突き刺さるソロホームランとなりました。守備でも好プレーを見せた岡本和は、
とコメント。主砲が攻守でチームを盛り立てます。
3点を先制した巨人は、7回にも松原の2点タイムリーで追加点を入手。5-0とリードを広げると、3人の中継ぎでリレー。9回は堀田が登板すると、阪神打線を三者凡退に抑えて試合終了。
巨人が二戦連続完封勝利で阪神を下しました。
勝利投手:グリフィン(1勝)
敗戦投手:大竹耕太郎(1敗)
本塁打
巨人:岡本和真1号ツーラン
坂本勇人1号ソロ
投手リレー
阪神:大竹耕-桐敷-石井大-門別
巨人:グリフィン-西舘-バルドナード-堀田
ヤクルト対中日戦
明治神宮野球場
14:00プレイボール
スコア ヤクルト1-1中日(規定により引き分け)
スタメン
ヤクルト 中日
1 中 塩見 1 左 大島
2 右 西川遥 2 二 田中幹
3 一 J.オスナ 3 三 高橋周
4 三 村上宗 4 一 中田翔
5 左 サンタナ 5 右 細川成
6 二 武岡 6 中 三好
7 捕 中村悠 7 捕 木下拓
8 遊 長岡 8 遊 C.ロドリゲス
9 投 吉村貢 9 投 涌井
ヤクルトは吉村貢、中日は涌井がそれぞれ今季初先発します。
通算1998奪三振と、この試合での大記録達成が予想されていた中日・涌井はこの日も安定した立ち上がり。2回に武岡から4-6-3の併殺を奪うと、3回に背負った無死一、二塁のピンチでは二塁ランナーを誘い出し、牽制でアウトにする熟練っぷり。
そして4回にJ.オスナから三振を奪って大記録リーチとすると、4番・村上宗を高めの釣り球ストレートで空振り三振に打ち取り三振2000個目。20年目37歳の功労者の記録達成に球場中が惜しみなく拍手を送った瞬間でした。
史上24人目の大記録の達成に白星を添えようと、打線も始動。
3回表にC.ロドリゲスが先頭として出塁すると、涌井が送り、大島が進めて二死三塁とし、打席には田中幹。フルカウントから6球目をレフトへ打ち返すと、ショートバウンドになりそうな打球をサンタナが弾き先制タイムリーになりました。
しかし、ヤクルトも先発・吉村貢の孤軍奮投を前に黙って見てるだけではありません。8回裏、松山晋を相手にヒットと四球で二死一、二塁の場面を作ると、このチャンスでJ.オスナ。
手に汗握る対決が続く中、"エル・ゴチョ"は7球目のストレートをセンター前へ。二塁にいた赤羽由は悠々のホームイン、一塁ランナーの西川遥も三塁へ進み、タイムリーヒットでまたも8回にヤクルトが1-1の同点に追いつきました。
試合は今シーズン初めての延長戦へと突入しましたが、両チームともに毎回ランナーを得点圏に起きながら最後の一押しが出ない厳しい展開に。
結局1-1からスコアは動かず、引き分けで試合終了。終わる頃には空は暗くなっており、4時間48分に及ぶ超熱戦は両者痛み分けで終わりました。
勝利投手:無し
敗戦投手:無し
投手リレー
中日:涌井-齋藤綱-清水達-松山晋-勝野-祖父江-橋本侑-R.マルティネス
ヤクルト:吉村貢-山本大貴-エスパーダ-清水昇-大西-石山-嘉弥真-木澤
DeNA対広島戦
横浜スタジアム
14:00プレイボール
スコア DeNA6-1広島
スタメン
DeNA 広島
1 右 度会 1 中 野間
2 一 オースティン 2 二 菊池
3 左 佐野恵 3 遊 小園海
4 二 牧 4 捕 坂倉
5 三 宮﨑 5 左 秋山翔
6 中 桑原将 6 三 レイノルズ
7 捕 山本祐 7 右 田村俊
8 遊 石上 8 一 シャイナー
9 投 平良拳 9 投 黒原
DeNAは平良拳、広島は森下暢の登板回避を受け黒原が代役先発しました。
この試合は序盤から波乱続きでした。1回裏、DeNAの先頭である度会が打席に入ると、黒原の真っ直ぐがすっぽ抜け。頭付近へのボールとなり、結果的に手への死球とはなりましたが、黒原は危険球退場。わずか3球での降板となります。
しかし、ハマの一番星はこれに屈しませんでした。4回に無死一塁で第三打席が回ってくると、大道の2球目を一閃。しっかり捉えた打球は打った瞬間本人も確信する当たりとなり、二試合連続のツーランホームランを放ちました。
とルーキー。結果的にこの試合は4打数4安打5出塁の"皆勤賞"となり、スリーベースを残したもののサイクルヒットにも王手をかけ、死球の心配を払拭しました。
これに呼応するように、DeNA・平良拳も大記録に手が届くところまで投げました。打っても2安打1打点の活躍を見せた右腕は、広島打線を6回までノーヒットノーランに抑えます。
球数も相まってマダックスでの偉業達成が期待された中、7回に先頭の野間にヒットを打たれましたが、それでも9回まで無失点。土壇場で失点を許し二死での降板となりましたが、8回3分の2を投げ105球の省エネ投球でした。
投打で存在感溢れるプレイヤーが現れたDeNAは、チーム全体でも先発全員安打の14安打を記録。
広島から6点を奪い、6-0で迎えた9回は二死から小園海にタイムリーを許しましたが、最後はプロ初登板となった徳山が坂倉を三振に仕留めゲームセット。
DeNAが2000年ぶりの開幕カード連勝発進です。
勝利投手:平良拳太郎(1勝)
敗戦投手:黒原拓未(1敗)
本塁打
DeNA:度会隆輝2号ツーラン
投手リレー
広島:黒原-河野佳-大道-塹江-益田武-中﨑
DeNA:平良拳-徳山
楽天対西武戦
楽天モバイルパーク宮城
14:00プレイボール
スコア 楽天2-8西武
スタメン
楽天 西武
1 二 小深田大翔 1 中 金子
2 一 阿部寿 2 左 コルデロ
3 右 小郷 3 二 外崎
4 三 浅村 4 一 アギラー
5 左 島内宏 5 指 中村剛
6 指 フランコ 6 三 ブランドン
7 中 辰己 7 右 若林楽
8 捕 太田光 8 捕 古賀悠
9 遊 村林 9 遊 源田
投 荘司 投 隅田
楽天は右腕の荘司、西武は左腕の隅田が今季初先発します。
昨季から進化した打撃力を見せてくれたのは西武でした。初回からいきなりコルデロにタイムリーが飛び出して1点を先制すると、2回に逆転された直後に3点を奪い返す強奪っぷり。
2-4で迎えた4回にも古賀悠にホームランが飛び出し、さらにリードを広げます。また、古賀悠はホームランを含めこの試合で3安打を放つ大活躍。
と顔を綻ばせた獅子の司令塔でした。
西武先発の隅田は大量点をもらって立て直しに成功。2回に2点こそ失いましたが、その後は3イニングス続けて無失点。6回一死一、二塁のピンチで小深田大翔を三振に取ったところで降板となりましたが、6回途中2失点と勝利投手の権利を持ってマウンドを降ります。
6回終了時点で2-5と3点ビハインドだった楽天、なんとか勝ちを掴み取りたかったのですが、7回と8回にはランナーを出しながらも併殺でチャンスを潰してしまう勿体無さを顕現。
8、9回に計3点を失って2-8とリードを広げられてからは意気消沈。2イニングスで6点差を埋めることは叶わず、西武が15安打8得点の猛攻で開幕カード二連勝です。
勝利投手:隅田知一郎(1勝)
敗戦投手:早川隆久(1敗)
本塁打
西武:古賀悠斗1号ソロ
投手リレー
西武:隅田-佐藤隼-本田圭-甲斐野-豆田
巨人:荘司-松田-藤平-西垣-鈴木翔
ロッテ対日本ハム戦
ZOZOマリンスタジアム
14:00プレイボール
スコア ロッテ3-0日本ハム
スタメン
ロッテ 日本ハム
1 右 荻野 1 中 松本剛
2 二 藤岡 2 左 スティーブンソン
3 一 ソト 3 右 万波
4 指 ポランコ 4 一 A.マルティネス
5 左 山口航 5 三 野村佑
6 中 岡 6 指 レイエス
7 三 中村奨吾 7 遊 水野
8 捕 田村龍 8 二 奈良間
9 遊 茶谷 9 捕 田宮
投 種市 投 加藤貴
ロッテは右の種市、日本ハムは左の加藤貴が先発します。
先に点を入れたのはロッテでした。未だノーヒットで迎えた4回裏、先頭の荻野がチーム初ヒットとなるツーベースを放ち、続く藤岡も相手のエラーで出塁し、無死一、三塁となって打席にはソトでした。
今季新加入の助っ人は5球目のストレートをスイング。この打球はセンターを襲い、フェンス直撃の2点タイムリーツーベースに。
と、笑顔を見せてくれました。ソトはこの後にも、6回の打席で犠牲フライを記録。1人で3打点を挙げ、3-0と先発・種市を援護します。
その種市は援護に応える好投を披露。初回から三者連続奪三振とエンジン全開で立ち上がると、毎回ランナーを出しながらも後続を打ち取り続けます。4回には先頭から二者連続四球を与えましたが、その後を三振、三振、ピッチャーゴロに仕留め打球を前に飛ばさせませんでした。
6回は三者凡退に抑えた種市、6回2安打、8奪三振、3四球、無失点で勝利投手の権利を持って降板します。
なんとか逆転を図りたい日本ハムは7、8回と三者凡退に倒れたものの、9回に益田直から万波がツーベース。一死二塁でA.マルティネスと打点を期待できる場面でしたが、助っ人の打球はセンターフライに。
これで万波がタッチアップしたところまでは良かったのですが、三塁上で滑り込んだ足がベースから少し離れてしまい、ロッテ・中村奨吾がすかさずそこをタッチ。まさかのダブルプレーで試合が終了、ロッテが完封で今季初勝利です。
勝利投手:種市篤暉(1勝)
敗戦投手:加藤貴之(1敗)
セーブ:益田直也(1S)
投手リレー
日本ハム:加藤貴-山本拓-北浦
ロッテ:種市-西村天-澤村-益田直
まとめ
涌井選手、おめでとうございます。史上24人目の2000奪三振達成ということでしたが、過去の達成者を見てみると、金田正一氏をはじめ、槙原寛己氏や岸孝之選手など素晴らしいストレートとウィニングショットを持っている選手ばかりでした。
プロ野球史に記録と記憶を残した涌井選手、これからも1つでも多くの三振を積み上げていってください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
出典・画像引用元
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