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チームを救え!新外国人のベースボールレジュメ〜その16〜

 来季からNPBで新しくプレーする外国人を紹介する、「チームを救え!新外国人のベースボールレジュメ」。第十六回は異色の経歴を持つ"ハマの三刀流"です。

名前:ローワン・ウィック

生年月日:1992年11月9日(31歳)

出身:カナダ・ブリティッシュコロンビア州

 ローワン・ウィック選手はカナダ出身の投手で、右投左打、身長は191センチ、体重は100キロと大型の助っ人選手です。
 最速160キロに迫るストレート縦に大きく割れるカーブを持っており、奪三振能力の高い選手でもあります。そして、ウィック選手のすごいところは、捕手、外野手、投手と3つのポジションを経験していること。なかなかこんな選手はいませんよね。

 ウィック選手は2010年MLBドラフト19巡目でミルウォーキー・ブルワーズから指名されたものの、契約せず進学を選びます。
 その2年後の2012年、今度は9巡目でセントルイス・カージナルスから指名され、プロ入りを果たします。
 12年、13年はルーキー級で入団以前のポジションであった捕手でプレー。しかし、2014年からは外野手にコンバートされます。すると、A-級で35試合の出場ながら打率.378、14本塁打、38打点と打棒が覚醒します。
 しかしそれもこの年だけだったらしく、2015年は途中までA+級に所属も打率1割台と低迷。打撃成績の悪化から今度は投手にコンバートされます。また一からのスタートとなりました。
 しかし、ここからウィック選手の快進撃が始まります。
 
 2016年にA+級に配属されると、23試合に登板し2勝6セーブ、防御率1.09を記録し、A+級のオールスターゲームにも選出されました。6月からはAA級に昇格すると、21試合に登板して防御率4.12、20奪三振と結果を残します。そしてオフにはAAA級を飛ばし、メジャー契約を結ぶことに成功しました。
 さらに、2017年シーズンの開幕前にはWBCカナダ代表に選出。2試合に登板するなど活躍しました。しかしレギュラーシーズンでは故障を複数回してしまい、メジャーでの登板はありませんでした。
 2018年にはウェーバー公示を経てサンディエゴ・パドレスへ移籍。新天地では8月末にメジャー契約を結ぶと、同日にメジャーデビュー。この年は10試合に登板し、防御率6.48でした。
 そして、18年オフにトレードでシカゴ・カブスへ移籍。ここからウィック選手はチームの中継ぎの柱の選手になっていきます。
 
 移籍初年度の2019年はいきなり31試合に登板すると、初セーブをマークするなど躍進。防御率も2.43と好成績でした。
 20年は出場機会を減らし19試合にとどまったものの、防御率3.12、4セーブとクローザーとしての役割も果たします。
 21年は22試合に登板。防御率は4.30と少し高くなったものの、ブルペン陣の一角としてチームに貢献しています。
 そして、22年はキャリアハイの64試合に登板。4勝7敗9セーブと爪痕を残します。
 しかし、23年のメジャー登板は無し。7月下旬にアトランタ・ブレーブスとマイナー契約を結ぶと、8月頭にはトロント・ブルージェイズとマイナー契約。両チームで計43試合に登板しました。
 そして、24年からはDeNAとの契約が発表。日本球界への挑戦が決まりました。

捕手→外野手→投手の三刀流!?

 メジャー・マイナーでのキャリアの長いウィック選手ですが、先述した通り、捕手として入団し、外野手として一度覚醒し、投手として花開いたプレーヤーです。
 野手として二度メジャーから指名されているということから野手としての才能・能力も十分にあり、投手として64試合に登板したシーズンがあるということから投手としてのセンスもあったウィック選手。とても身体能力が高いですよね。
 野手から投手へのコンバートの理由は打撃成績の悪化ということでしたが、平均以上に打った時期もあるので打撃面でも期待は持てるかもしれません。
 DeNAは投手も打席に立つセリーグに所属しているので、元DeNA・ウィーランド選手のような活躍も期待できるかもしれません。

ウィック選手のプレー動画

 ストレートの球速は95マイルが平均というところでしょうか。野手特有の立ち投げのようなフォームから155キロ前後のストレートを投げてきますね。ただ高めのストレートには威力があります。釣り球として十分機能しそうですね。
 しかし、なんと言ってもカーブの落差がすごいですね。2ストライクであれを投げられたらプロでもなかなか太刀打ち出来ないでしょう。軌道や変化量など、今季DeNAでプレーしたトレバー・バウアー選手のようなカーブを連想します。
 中継ぎバージョンのバウアー選手と考えたらかなり嫌ですね(笑)。

まとめ

 ウィック選手はカナダ出身の投手で、捕手、外野手と経て投手としてキャリアを積んでいる選手です。転向からわずか2年でカナダの代表に選出されるなど持っているモノは確かで、日本では打撃も期待されます。
 山﨑康晃選手や入江大生選手などが不確定要素の中、リリーフで軸になることができれば心強い存在となりそうです。
 最後までお読みいただきありがとうございました。

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