春日狂想 7 登山正文 2024年3月21日 23:36 春日狂想1愛するものが死んだ時には、自殺しなきゃあなりません。愛するものが死んだ時には、それより他に、方法がない。けれどもそれでも、業(?)が深くて、なおもながらうことともなったら、奉仕の気持に、なることなんです。奉仕の気持に、なることなんです。愛するものは、死んだのですから、たしかにそれは、死んだのですから、もはやどうにも、ならぬのですから、そのもののために、そのもののために、奉仕の気持に、ならなきゃあならない。奉仕の気持に、ならなきゃあならない。2奉仕の気持になりはなったが、さて格別の、ことも出来ない。そこで以前より、本なら熟読。そこで以前より、人には丁寧。テンポ正しき散歩をなして麦稈真田を敬虔に編み――まるでこれでは、玩具の兵隊、まるでこれでは、毎日、日曜。神社の日向を、ゆるゆる歩み、知人に遇えば、にっこり致し、飴売爺々と、仲よしになり、鳩に豆なぞ、パラパラ撒まいて、まぶしくなったら、日蔭に這入り、そこで地面や草木を見直す。苔はまことに、ひんやりいたし、いわうようなき、今日の麗日。参詣人等もぞろぞろ歩き、わたしは、なんにも腹が立たない。⦅まことに人生、一瞬の夢、ゴム風船の、美しさかな。⦆空に昇って、光って、消えて――やあ、今日は、御機嫌いかが。久しぶりだね、その後どうです。そこらの何処で、お茶でも飲みましょ。勇んで茶店に這入りはすれど、ところで話は、とかくないもの。煙草なんぞを、くさくさ吹かし、名状しがたい覚悟をなして、――戸外はまことに賑やかなこと!――ではまたそのうち、奥さんによろしく、外国に行ったら、たよりを下さい。あんまりお酒は、飲まんがいいよ。馬車も通れば、電車も通る。まことに人生、花嫁御寮。まぶしく、美しく、はた俯むいて、話をさせたら、でもうんざりか?それでも心をポーッとさせる、まことに、人生、花嫁御寮。3ではみなさん、喜び過ぎず悲しみ過ぎず、テンポ正しく、握手をしましょう。つまり、我等に欠けてるものは、実直なんぞと、心得まして。ハイ、ではみなさん、ハイ、御一緒に――テンポ正しく、握手をしましょう。春日狂想 中原中也全然、春っぽくなりませんね。一昨日は雪降ってたし。さて、朗読シーンのことは全然知りませんが、たぶん中原中也はベタなんだろう。初心者なので定番っぽいのから練習がいいかなと。昨日は弾き語りの練習をして、その後、スタジオでひとりこの詩を朗読してみた。若いときはよくわからんかった。そして今もよくわからんけど、よくわからんけどわかるわー。つまりわからんけど、わかったぜ!なんか勉強になるなぁ。ということで、こちらのイベントも予約受付中です。異種格闘技戦、アドベンチャーですな。 ダウンロード copy #登山正文 7 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート