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ブラックボックスではなくて運動方程式がほしい話

 最近は、機構解析ソフトウエアの進歩がいちじるしく、機械構造体ならばほとんど何でも、ソフト上で機械要素を組み上げて動かすことができます。そして、実際に物をつくるよりは、早く安く仕様変更を試してみることができます。それは確かにすばらしいのだが、その機械構造体の本質をつかんでいるとは言いがたくて、現物での試行錯誤を仮想空間での試行錯誤に置き換えただけと感じていました。
 力学シミュレーションをしているのだから、内部に運動方程式をもっているはずだが、それをはきだしてくれるソフトは私の知る範囲では存在しません。入力を与えると結果を返してくるブラックボックスでしかないのです。想像するに逐次的に解いているので、”運動方程式”の言葉で期待されるようなものは内部にもっていないのかもしれません。また、実際解いてみてわかりましたが、10未満の自由度でも式の項の数は膨大になりえます。単純に式を出力しても人間が理解できるようなものではなさそうという側面もあります。

 運動方程式を整理した形で明示的にだせると、パラメータと系の運動特性の関係がクリアに見えるのではないか。 ならば、退職して時間はできたし、自分で作ってみよう。学習・検討の過程で興味深い知見が見えたら公開してみるのもおもしろかろうと書いてみることにしました。

 対象はモーターサイクルです、この選択は趣味です。

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 拘束条件をもつ系のラグランジュ運動方程式を求める というアプローチで行きます。非ホロノミック拘束は必要ない予定ですが、大いに興味がある領域ではあります。微分幾何的なアプローチは、まだ歯ごたえありすぎで全然理解できませんが、これが使えると見通しのよい検討ができるような気がしますのでまずはこれを勉強中です。

テキストは
 A.M.Bloch[2003] ”Nonholonomic Mechanics and Control"

20220203版 考えていることが変わったら随時変更します。



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