セロ弾きのゴーシュ【余韻に浸る】
ある日、いつものようにXを見ていたら以前より推している龍宮城のRayこと
竹内黎くんが主演するとのポストが流れてきた。
以前より彼はミュージカルに出演したいと口にしていたので、これがかなった激ならば観なければと思った・・・が
この劇はそもそもが「劇場・音楽堂等における子供舞台芸術鑑賞体験支援事業」に採択されたものであるが故、子供主体の劇で尚且つ席数も750席程度。しかも開演はたった1日しかないのだ。
運を天に任せた抽選の結果は見事落選だった。
仕方ない、仕方ないと思っててもやっぱりどこか心残りがあって
さよさんのお譲りしますのポストに思い切ってお願いしたら
快く譲っていただけて・・・ほんと嬉しかったです。
さて、無事に行けるようになったら、今度はどんな話なのか知らないというのは少しまずいと思い、先日も書いたが急遽青空文庫で斜め読みした。
でもそれだけでは頭に入らず、たまたまYouTubeを見ていたら、Office8次元で以前やった同じ劇が出ていたので観てみることにした。
なるほど、動物たちの交流の中でゴーシュの演奏は変わっていく話なのかと思った。その中でゴーシュが演奏するセロに合わせるチェロ奏者のヌビアさんすげーーーってなってたw
そう、この時は演者よりも奏者の方に惹かれたのだった
セロ弾きのゴーシュの幕開け
突如出てきた黎くんを見て、皆さんが言ってるようにバグってると思った
足は長いし、背丈も群を抜いて飛び出ていて
いつも龍宮城のメンバーと一緒に見る時は感じなかったけど、メンバーも背が低く言われているいたるくんだって、170は超えているんだから
一般的な身長の人と一緒になればそうなのかと感じたのが第一印象だった
ここ、何の気なしに聞いてたけど指摘だししていたんだね。
ただ、ゴーシュは自分の音ばかりに気を取られ過ぎててわからなかったんだ
ドレミから教える気も教わる気もない、音の表情・心なんてと思ってしまったゴーシュは、がむしゃらにセロをかき鳴らすだけだったんだ。
団長や楽団長がはけていったあと、一人舞台から背を向きセロを弾きならす
この時、なんのコンタクトも感じないのに黎くんの動きとヌビアさんの音のシンクロ率には身震いするほどだった。
悔しい思いをしながら帰宅したゴーシュのところに現れたのは、畑を荒らし部屋の中でも自由気ままにいたずらするネコだった。
腹を立てたゴーシュは生意気だ生意気だと連呼する。そんな黎くんを見るのは初めて(当たり前だけど)
その後のふと閃いて玄関の鍵を閉めカーテンを閉じて灯りを消す一連の動作にうっとりしつつも「印度の虎狩り」という曲で、音楽に感情をぶつけた
ネコはその勢いに驚いて這う這うの体で逃げ出すのだった。
「もうくるなよ、ばーーーか」
うん、黎くんから発せられる言葉としてはものすごく新鮮だったなぁ・・・
次の晩に現れたカッコウは鳴き方一つにも音は違うのでドレミファを正確に知りたいと願う。ゴーシュは当初ドレミファだけで何が違うんだとばかにしたように突き放す。でもカッコウの情熱に絆され付き合うことにした
カッコウは真摯に音の違いをゴーシュに伝える。最後には学ぶことなんてないんだと言いながらも自分の音に向き合えているのか悩み始める。
その思いを追い払うようにカッコウに当たってしまい追い払う。
カッコウをリフトして回るさまはかっこいいし、窓ガラスを飛び蹴りで割るシーンは思わず美しいと唸ってしまった。
次の晩に現れた子ダヌキはもう登場シーンからかわいいww
タヌキ汁にしてやろうなどど物騒なことを言われてもニコニコした顔で
小太鼓を教わりたいと話し、楽譜を差し出す
毒気を失わせるのには十分なくらい笑顔だったなぁ
前日までの苦々しい表情のゴーシュが笑ってしまえるくらい可愛かった
そして、糸の指摘をされてもそうかもしれないと素直に聞き入れてる。
ここのところでリズム感が養われていき、夜が明けるまで子ダヌキと一緒に演奏を続けるのだった。
帰った後に割れた窓からの風に当たるシーン
これは伏線だったんだね。細やかな表情が配信でよく見れて良かったな
その次の晩には野ネズミがやってきて子供の病気を治してほしいと懇願される。医者でもないゴーシュは何ができるというが野ネズミ母さんが音には力ある、心があるんだ、ましてゴーシュの弾くセロにもその力と心があるんだと訴える。
いろんな動物たちと出会うたびにセロの音色が変化していく様を丁寧に演じられているところを大げさな演技でないんだけどこちらに伝わらせてくれていた。
セロを抱きしめて眠りにつくシルエットが印象的でした。
演奏会当日
当日の楽団員は少し意地悪な感じで話すのだけれど
ゴーシュは登場当初は自分を見るな、音は聞くなと歌うのに対し
みんなが観ていてどんな音なのか胸躍らす姿を見る余裕すらある
自信のあふれた姿がゴーシュの中から黎くんが覗きだしてきた
ここで大団円かと思いきや、首をかしげるゴーシュが楽屋に戻るとアンコールの拍手が鳴りやまない中、楽団長に出て演奏しろと言われてしまう。
楽団長の真意はどこにあるかは知らねどもゴーシュはどこまで馬鹿にしていると思ってしまい「怒り」をもって「印度の虎狩り」を披露する。
龍宮城でもよくよく使われるこの「怒り」の表現
おりしも奏者のヌビアさんもその後のツイキャスで「怒り」抱える人なのだと知った。
その「怒り」を昇華させる姿に引き込まれていく。
まさに二人が奏でたセロだった
現地では各々を交互で見ることしかできなかったけど
映像では度々二人が重なるところがある
もう圧巻としか表現のしようがない
私の表現力の乏しさを呪いたいほどに・・・。
真意はどこにあるのか
正解は一つなのだろうか…長文読解の問題ではなく
私としての回答はカッコウとの歌の中で感じたそれだけど
その回答が正解なんてわかりゃしないんだ
今回の目的は、黎くんが出演するミュージカルでの姿が見たいという
本当にミーハーな気持ちであったことは確かだったけれど
観ているうちに黎くんではなくゴーシュが悩み、怒り、楽しみ
音の解放をしていく様に魅かれていった
そして最後の演奏には息するのも忘れるぐらい引き込まれていった
子供舞台と侮ることなかれ
黎くんのファンだからという理由だけではなく観てほしい
野ネズミとカッコウには泣かされましたわw
つたない文章でお目汚しすみません。