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素敵な「日本ダービー」③

静寂と歓声と


生演奏のファンファーレ。
既にもう歓声Max!!
でも
この観客の前で演奏する1フレーズ
それだけでも気持ちいいだろうなぁと
トランペットを吹けることが
一瞬羨ましくなった(笑)

高音、外すなよ~とか
吹けないくせに注文を心の中で(^▽^;)
・・・でもそこはプロ。
しっかりと鳴り響いたファンファーレの後は
渦を巻くような歓声。

お馬ちゃんたち
それをどう耳にしているのだろう。
なんて馬の気持ちにもなってみたりして。
(こういうところがワタシの妄想癖ww)

でもいよいよゲートに入る頃には
ざわめきが静かになっていって
スタート直前には
この8万人ほどの観衆の呼吸さえ聞こえないくらい
静寂に包まれた。

あの時が止まるような瞬間。
息をのむってきっとこのこと。

いよいよこの時。
スタート。

「うわぁ~!!」

まるで運動会でのリレーの応援のように
歓声が上がる。
距離の長いレースだから
一度観客の前に通過するあの感じ。
全頭が全騎手が風を切って走る姿は
この日この時を待ちわびたすべての人たちの想いを
広い青空に一斉に飛ばしてくれたかのような
そんな清々しい気持ちになった。

最後の直線と歓声と。

レースはいい感じに
人気馬の動向が変化するたびに歓声になって
もちろんワタシも
好きなお馬さんはそれなりに人気だったので
ワクワクしながら見守り。

でも第➃コーナー過ぎたあたりから
もう歓声がヤバい。
それぞれに我を忘れて
馬券が当たる当たらないという次元ではなく
自分が応援しているお馬さんが
栄冠に輝く時を祈るような気持ちだけ。

もちろん馬券が的中することが
最終的には必須ですけどね( ̄▽ ̄;)

でもそんなことが全く問題ないという
あのゴールまでの直線での歓声は
ドラマチックであり
亡き父親が言っていた
「ロマン」そのもの。
何故かその感情が爆発している空気の中で
こみ上げてしまうような感覚。

普段は物静かに過ごしている人でさえ
きっと我を出せるそんな場所とそんな場面。

それをまざまざと見せてくれたのが
ずっと同じ位置でこのレースを待っていた
見ず知らずの
「おひとり様の若者」。

自分の息子より年下かな?という雰囲気の
おそらく20代前半の彼。

その彼がゴール前の直線になった途端
絶叫する!!

(゚д゚)!

絶叫の隣でゴールを見つめる。

「典さーん!!典さーん!!」
もう悲痛の叫びのようで
動画を撮っているワタシのスマホにも
爆音で入っているであろうその絶叫!!


絶叫!熱いぜ!


予想反してゴールした
今回のダービー 一着馬
「ダノンデザイル」と「横山典弘騎手」を大本命にしていた彼。

周りは
「ジャスティンミラノ」「レガライア」のファンてんこ盛り状態で
それに流されないように
ひとり黙ってずっとこの時を待っていたかのように
別人になっていた彼の感情を
ずっぼりと浴びました(笑)

彼の雄叫びは
見事に客観的に見れば浮いていたとはいえ
ワタシはその気持ちがとっても羨ましいというか
こんなにも熱くなれる何かがあることに
憧れを抱いてしまったのは事実。

心の底から
「よかったね。おめでとう。」と
混雑することを懸念して
馬券を外した敗北組と化してその場を去りました。
・・・主人なんて切り替え早いものだから
もうすっかり帰りますモード。
まだ横山典弘騎手の興奮冷めやらぬ状態すら
目もくれず・・・(おいおい。このくらい見ようよ)
置いて行かれるので
名残惜しく東京競馬場を後にしました。

まだダービーは終わっていないって感じなのに。
余韻を楽しみたかったのをグッと堪えて
府中駅までまたテクテクと。

ちなみにワタシの大本命は
「シュガークン」
4月のレースをこの場所で見て
しかも娘が可愛い名前だからと購入した経歴から。
シュガークンがいるなら
ソルトクンいないの?って
・・・娘が( ̄▽ ̄;)

父の背中に想う。

ダービー制覇の『典さん』こと
横山典弘騎手。
主人と同い年。
超ベテラン。
世代交代も感じつつ
息子も同じレースで。

…素敵すぎ。

正直
レース前の盛り上がりでは
スポットライトは当たっていなかった。

でも
なんだろ?
そこには見えない覚悟があったんだと思う。
 
父が乗ったダノンデザイルを
追いかけながらの
息子の気持ち。
横山武史騎手。
見える父の背中って
偉大だっただろうし
感じるものはきっと
これまでにない大きさだったはず。

騎乗しなかったお兄ちゃんも
父の姿で
魂が震えた感覚に
出会えたはず。

なんて思ったら
また泣けた😭

カッコいい父ちゃんって
素敵過ぎる。
心からおめでとう。

後悔と笑い。

帰りの駅までウォーキングにて
後悔したのは。

隣の若者に
声をかけなかったこと。

『良かったね(^^)』
だけでも言えば良かった。
変なオバちゃんと思われても。
ずっと隣でお菓子ばかり食べてた
オバちゃんだったけど。

あー。失敗💦


で、クスッとしたこと。
ワタシの前の位置で観戦してた
若者5人組。
おそらく大学生男子5人。

手にしていたのは
ジャスティンミラノ単勝馬券
それぞれの僕たち
揃って1万円分。

隣で勝利の歓喜湧いてる僕と
前で大勝負に敗れて黙る僕たちが
見事に微笑ましい光景として
マッチングしていたのは
言うまでもない。

また来年。
最高に楽しめた日本ダービー。
素敵な『日本ダービー』でした。

おしまい。

次は安田記念→おいおい。


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