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ルンバさん1号は業務量が少なすぎる

さて、概論終了。各論に入ろう。フェイク入りまくってるのでご容赦。

ルンバさん1号(40代男性)が異動してきたとき、私は違う業務を担当していたので接点は無かった。無口だけど以前は別の支店で営業職だったらしい、というような噂を聞くのみ。それから数年経ち、私がチームリーダーとなるチームにルンバさん1号が配属された。チームの仕事は小ネタが多岐に渡っていたので、チーム一丸となって何かをやるというよりは、メンバーの業務配分とか管理みたいなことが私の仕事。同じチームになってもまだルンバさん1号と直接何かを一緒にやる、という機会はほとんど無かった。

当時の私は、チームの持っている業務総量の割に、メンバーの人数も残業も多いな、と思っていた。担当業務と担当者を一覧化していくと、あからさまにルンバさん1号の担当業務だけが異常に少ない。しかも、担当業務の「どうでも良い」ぶりが突出している。一例を挙げると、課の内外の定例会議が月に3回くらいあって、その全ての事務局みたいなことを私のチームが担当していたのだけど、ルンバさん1号の仕事は「遠隔会議用スピーカーフォンの接続と片付け」とか「長丁場な会議の飲み物とお茶菓子の準備」とか「事務用品発注と控えの管理」とか。今どきインターンだってもうちょっと高度なことやるでしょ。

でもルンバさん1号は、この程度の小ネタ業務の担当なのに定時後も常に30分くらいはデスクに残っている。私は上司にルンバさん1号の業務量について聞いてみた。すると「何かといっぱいいっぱいな人だから」と言葉を濁す。

このとき、私はルンバさん1号の本当の威力を全然わかっていなかった。