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上司を困らせる部下

イヤな上司、嫌いな上司、ダメな上司の話は山のようにある。人と人のことだから、同じことは部下にも言える。

部下全員と毎月面談をしているのだけど、面談予定を入れる段階で既に苦痛に感じる部下が一人いる。私はおめでたい性格というか、ネガティブな事態であっても感情を排して合理的に解釈し、「何事も経験」「命までは取られない」と軽くやり過ごすのが得意だ。そんなポジティブおバカな私が、せいぞい1時間の面談ごときで苦痛を覚えるとは。自分が一番驚いている。いつも通りに「この時間だけ乗り越えれば」って軽く考えておけば良いのに。

何がイヤって、イヤであることを他の人に説明しにくいところだ。その部下は正論しか言わないし、相手をやり込めるわけでもない。そして各種の調査や聞き取りで、ストレス度MAXなのは部下の方だ。ストレスというか会社への不満。貢献している点を挙げて褒めようが、お菓子を配って励まそうが、希望の部署で働けないことをもって「会社の自分への処遇に不満がある」の一点張り。でもってろくに働かない(本人は働いてるつもりだけど)。

私は上司としてその部下のストレスを取り除かないといけない。でも無理ゲー。あの手この手でチャレンジしても徒労に終わるとわかってる仕事ほどイヤなものはない。私の気力と時間を返してほしい。
部下には、置かれた状況と己の能力を直視して、不満が一方的であることを理解してもらいたい、と思うのだけど、そういう合理的な考え方ができる人ならこんな状態になっていないわけで。
「使えないから各組織からキックアウトされてきた」というのが実態なのだけど、その部下の歴代の上司は「キャリアアップ」「うちにはもったいない人材だからあっちで活躍してね」みたいなポジティブな言葉で説得して、本人もそう思い込んでいるわけでしょ。それを今さら私が「仕事ができない上に会社のせいにする人と一緒に仕事したい人がいないから流れ流れてうちに来たの」って言ったところで、本人から逆恨みされて刺されるのがオチだ。

思うような部署に異動させてもらえない、自分の能力と与えられた仕事にミスマッチがある、頑張っているのに適切に評価してもらえない、と上司に不満を持っている人、自分を振り返ってみてほしい。
同僚より成果を出しているか、同僚より会社の成果に貢献しているか、組織風土を損なっていないか、自分の能力を実際より高く見積もっていないか。
どこからどう振り返っても自分が一番会社に貢献しているし組織カルチャーの改善にも貢献している、それでも評価されない、というのなら、転職活動をしてみると良い。運良く拾ってくれるところがあるなら、今の組織で燻ってるよりも思うような活躍ができると思う。