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【ES添削 #3】自己PR :「私の強みは…」って話し始めたら負け!その代わりにこう言い換えろ!

 Instagramを通じて学生さん(23年卒・金融志望)から”自己PR”のご相談を頂きました!有難うございます。
 まずはなんであれ”書いてみた”という時点で偉いです。就職活動の開始時点というのは、訳のわからないことだらけで手をつけることすら億劫になります。しかし一歩踏み出して、僕にまでDMを下さったその勇気に拍手です。

 しかし今回の記事は是非多くの就活生の方に読んで頂きたいです…!何故なら、残念ながらあまりにも典型的な”通らないES”だからです!テレビ局で採用に関わった際に何百というESを読んだ私から見ると、本当に「あ~こういうESが大半だわ!」という内容・書き方でした。

しかし!!!!
いつもの”ES最強フォーマット”をしっかり身につければ、すぐにでも”通るES”が書けるようになります!!

実際、今回の相談者さんも、最終的には良い形のESへと変貌を遂げました。

そのため、皆様も「よくある失敗例」と「その改善過程」を見ることで、きっと自分のESに活かすことができるはずです。
それでは、その Before / After を御覧ください。
ちなみに、私の学生時代の就活の結果と、その後の転職の流れは以下の通りです:

【このフォーマットを身につけてから…】
・書類で落ちたことがありません。 (ES通過率100%)

<就活本選考:応募企業4社中 3社内定・1社辞退>
・電通         →内定(辞退)
・博報堂       →内定(辞退)
・テレビ局A(キー局)→内定(入社)
・テレビ局B(キー局)→最終選考辞退 ※A局に内定したため

<その後の転職>
テレビ局A(ドラマ制作・営業経験)
→ GAFA の1社
→日系企業 課長として転職 :年収+40%
→外資系IT企業 :年収+5% &激ホワイトな環境で副業開始

(のび太の経歴概要)

 もしこの記事をご覧になった就活生のかたで添削依頼を頂ける方は、是非InstagramのDMからご連絡下さい!無料で行わせて頂く代わりにnoteの記事(もちろん匿名)にさせて頂ければと思います。
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<1> 今日覚えてもらいたい”通るESテクニック”!

それでは今回取り上げる「就活生ESあるある失敗」はこちら:

 1)例え強みを聞かれていても「私の強みは~」って言っちゃいけない!
 2)最低限「結論+STAR+再び結論」のフォーマットは守ろう!
 3)Actionが一番大事!ここを具体的に詳しく!

それを理解して頂くために、まずは今回の相談者さんの原文を読んでみましょう。

<2> 原文

【設問】自己PR(300文字)

【回答】
私の強みは常に周囲に気を配り、行動できることだ。

ゼミ合宿で先輩1人後輩1人のグループでプレゼン大会が行われた。最初はぎこちない雰囲気でプレゼン準備が行われていた。特に後輩の人が発言しにくそうな表情をしていた。そこで私はプレゼン準備から始めるのではなく3人で雑談を行い、緊張を和らげ、誰でも発言しやすい雰囲気づくりを行った。

その結果グループ内での意見交換が活発にでき、スムーズなプレゼン準備を行うことができた。プレゼン大会では準優勝という結果を取ることができた。

この経験から立場の違う人たちと協力して課題に取り組む上で、それぞれの表情やしぐさなどにも気を配り、いいグループ作りを行う大切さを学んだ。

(297文字)

 ご覧いただいて、どう思われたでしょうか?
 のび太が思ったことをズバッと指摘し、改善していきたいと思います。

<3>見るべきポイント

まず第一印象を、オブラートに包まず言います。

何の印象も残らない!
なぜか?話が最初から最後までフワッとしている!

中学校のとき各クラスに1人はいた「先生に怒られないためにフワッとした当たり障りのないことしか言わない優等生」みたいな文章です。

知る限りの優等生代表(【引用】『ちびまる子ちゃん』さくらももこ)

しかし残念ながら、学生が書くESの8割がこういった「一見優等生的なようで具体的な中身の無い文章=書き手の人柄が全く伝わらない文章」です。

ではどうすれば”どこでも通るES”に改造できるのでしょうか?
それが先程上げた3つの指摘ポイントです。

1)「私の強みは~」って言うな! その代わり「◯◯◯」と言い換えろ!

就活という特殊な舞台に立った途端に、急に普段なら言わないような話し方を始めてしまう学生さんていますよね。その”普段なら絶対言わない話し方”の代表例が

「私の強みは…」

です。

考えてみてください。
皆さんが昨日あった面白い出来事を友達や先輩に話すとき「今から笑える話をします」なんて言い始めますか?僕だったら絶対に嫌です。何故なら、そう言われた瞬間に相手のハードルが上がってしまい、相手は無意識に「そう簡単に笑ってやるものか」という防御態勢に入るからです。

その高いハードルを超えて笑いを取れるのは、プロ級の腕前です。

【引用】『人志松本のすべらない話』フジテレビ

これと同様に、「私の強みは…」という言葉を読んだ瞬間に、採用企業側の心の中に「キミが”強み”って言うほど強いとは思わないよ?」という意地悪な気持ちが生まれます。

ではどのように言い換えればいいのでしょうか?
僕には明確に答えがあります。それは

「私は◯◯◯を大切にしています(的な表現)

という言い換えです。
つまり「良し/悪し」「強い/弱い」という判断軸で書くのではなく、あくまで自分の”人としての姿勢”を示すのです。今回の相談者さんでいうと、

【原文】
私の強みは常に周囲に気を配り、行動できることだ。

【修正例】※あくまで例なのでベストではない
私は、常に周りの状況を理解してから行動することを大切にしている

※根本的に「常に周囲に気を配り、行動できる」がフワッとしているので、僕の言い換えが正しいのかこの時点では自信がありませんが…

などです。
「常に周囲に気を配り…」という文字を読んだ瞬間に、普段から気遣いに気遣いを重ねて過ごしている社会人の心には「言うても学生レベルの気遣いなんて大したことないでしょ」という苛立ちが生まれてしまいます。
絶対にこういった書き出しはやめましょう!


2)最低限「結論+STAR+再び結論」のフォーマットは守れ!

次に、いつもの”最強ESフォーマット”に当てはめてみましょう。

【原文】

パッと見てわかるように、
1)バランスが悪すぎる
 2)Taskに至っては、丸々無い!

という状態。

最低限、この【結論+STAR+再び結論】の内容とバランスは理解しなければいけません。※のちに詳しく解説

3)Actionが一番大事!ここを具体的に詳しく!

僕は常々「Actionが一番大事!」と言っています。
これは就職活動のみならず、転職活動でも同じです。なんなら日常会話でもAction部分が一番大事です。前置きが長いだけで中身が少ない人は、上司からも部下からも嫌われます。

にも関わらず、理想的には300文字のうち最低120文字は使って詳しく書かなければいけない Action 部分に、69文字しか使えていません。
これでは、採用担当者に自分の人柄は伝わりようもありません。
なのでここをもっと膨らませて行きます。

ただし、この具体的なActionに関しては本人にしかわからないので、まず僕にできることとして、それ以外の部分の不要な文章を削って Action 部分に割ける文字数を捻出していきましょう。


<3>修正~第一段階~: 文字数を整える

 以上を踏まえて、まずは文字数配分を整えます。
個人的な好みなのかもしれませんが、語尾が「~だ」という文体よりも、「~です・ます」調のほうが良い印象を受けるので、添削後の文章は全てそのように変えます。

1)結論部分

自己PRとして「常に周囲に気を配り、行動できること」という抽象的な人柄だけをズバリそのまま書いてあるだけなのですが、このままでは
1)具体性が無さすぎるためイメージがつかない
 2)ズバリ「私の強みは」と書くとハードル爆上がり

となります。

これを避けるために、

1)まず「抽象的な人柄」だけではなく「具体的な活動」についても触れましょう。つまり「◯◯を通じて」を最初に書いてあげるのです。そうすることで、読み手がイメージしやすくなります。

2)「私の強みは…です」→「私は…を大切にしてきました」などに表現を変更。こうすることで、謙虚さが感じられます。

また、先にエピソードの中身に触れしまうと、これは「行動できること」をアピールするエピソードではなく、「環境づくりができる」というエピソードです。それも踏まえると…↓↓↓

【原文】
私の強みは常に周囲に気を配り、行動できることだ。(24文字)
 ↓↓↓
【修正案】
私は◯◯ゼミでの活動を通じて、その場にいる一人一人が実力を発揮できる環境作りを大切にしてきました。(49文字)

※繰り返しになりますが、原文には具体的な情報があまりにも少ないので、現時点で修正できるのはこのレベル。

(冒頭の結論部分)


2)S+T 部分

【原文】
ゼミ合宿で先輩1人後輩1人のグループでプレゼン大会が行われた。最初はぎこちない雰囲気でプレゼン準備が行われていた。特に後輩の人が発言しにくそうな表情をしていた。(80文字)

■最初はぎこちない雰囲気でプレゼン準備が行われていた。特に後輩の人が発言しにくそうな表情をしていた。

 ・
”ぎこちない雰囲気”とは何なのか
 ・”その原因”は何だと思ったのか

このふたつが明確になっていないため、読んでいて「どんな問題を解決しようとしているエピソードなのか」がハッキリ理解しづらくなっています。
 これを読みやすくするためには、

 ・問題を明記する ※実際には複数あってもひとつに絞る
 ・それを解決して達成したいこと=Taskを明記する

 これを守らなくてはいけません。
(最強ESフォーマットに沿って書くのが確実!)

 ↓↓↓

【修正案】
例えばゼミ合宿で、先輩・後輩のペアを組んでのプレゼン大会を実施した時のこと。どのペアも後輩が発言しづらく、上下関係なく発言できる流れを作る必要がありました。(73文字)


3)A:Action 部分

【原文】
そこで私はプレゼン準備から始めるのではなく3人で雑談を行い、緊張を和らげ、誰でも発言しやすい雰囲気づくりを行った。(57文字)

ココこそが一番詳しく書かなければいけないにも関わらず、薄い!!

ただ、ここの具体的な話は僕にはわからないので、後ほど本人に詳しくヒアリングしてみようと思います。


4)R:Result 部分

【原文】
その結果グループ内での意見交換が活発にでき、スムーズなプレゼン準備を行うことができた。プレゼン大会では準優勝という結果を取ることができた。(69文字)

まず、理想的な文字数配分から逆算すると、22文字でおさめなくてはいけないところ69文字も使っています!3分の1以下にする必要があるため、一言しか書けません。

さらに、ここにも”学生さんのES失敗あるある”が隠されています。
それは、「今まで出てきていない話を突然出してくる」です。

今回のエピソードは、
「後輩が話しづらくしていた空気を打破した話」
であって、
「私(相談者)がプレゼン大会で良い結果を残した話」
ではないのです。

そのため、「プレゼン大会では準優勝」という文章は全く不要です。むしろ、「グループ内での意見交換が活発にでき」をちゃんと説明しなくてはいけないのですが、この説明がフワッとしてしまっているため、ちゃんと結果が出たのかどうかが理解できません。

「意見交換が活発」では具体的な状況がわからない!
「スムーズなプレゼン準備」ってこのエピソードと関係ない!

そのため、一旦本人に具体的な話を聞くまでは、こんな修正案にしておきます。↓↓↓

【修正案】
その結果、各ペアとも活発な意見交換を実現。(21文字)

5)再び結論 部分

【原文】
この経験から立場の違う人たちと協力して課題に取り組む上で、それぞれの表情やしぐさなどにも気を配り、いいグループ作りを行う大切さを学んだ。
(68文字)

2つ抑えるべきポイントとしては、
 1)理想の文字数は35文字 →約半分にする必要あり
 2)内容は原則”冒頭の結論”の言い換え →新しい話を出さない

まだ Action が明確になっていないため適切な言い換えはわかりませんが、とりあえず「それぞれの表情やしぐさなどにも気を配り」という要素は全体のエピソードには無い要素です。なのでコレをカットします。
 ↓↓↓

【修正案】
立場の違うメンバーの心情に配慮し皆が活躍できる環境を作る大切さを感じました。(38文字)

6)全体修正版~第一段階~

【修正案~第一段階~】文字数調整(Action無し)

一旦、Action以外の文字数を調整しました。同時に大切なことは、

文字数を調整する
=余計な文章を削っていく
=このエピソードの本質的な軸を絞っていく

という作業である点です。
修正前は「プレゼン大会で準優勝」などの余計な情報がたくさんあり、無駄な文字数を奪われていました。しかしこの文字数調整の過程で、

「後輩が話しづらくなってしまった状況を打破する話」
≒「同じチームにいる異なる立場のメンバー全員が活躍できる環境作りをする話」

という軸が見えてきました。
このあと、本人とZoomで話した内容を経て、更にこの軸を研ぎ澄ませていきたいと思います。


<4>完成版

そして完成したのがこちらです。




<5>今回の添削のポイント

それでは最後に、あらためて今回の添削のポイントをまとめます。

 1)例え強みを聞かれていても「私の強みは~」って言っちゃいけない!
 2)最低限「結論+STAR+再び結論」のフォーマットは守ろう!
 3)Actionが一番大事!ここを具体的に詳しく!

です。就活生の皆様は、今回のESと同じようなミスをなるべく避けるため、是非なんどでもこのnoteを見返してください!

以上で今回の添削を終了します。

この note では引き続き ES の添削を募集していきます。
是非、この note のコメントでも、インスタのDMでも構いませんのでご連絡ください!


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