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リモートドラフト会議〜その3❤️田中の恋❤️〜

 田中とは彼がまだ大学生の時に知り合った。彼が21くらいだったと思う。人懐こい感じで今よりもっと華奢だった。公民館の喫茶店のカウンターで「台湾で留学していたんです」と気さくに話しかけてきた。「何を勉強したいと思ったのか」等、深掘りしようとすると彼はその場から突然居なくなった。本当の事は話したがらないシャイな子だった。

 田中邦衛の物真似に自信を持っている29歳。背は174センチくらいだが、顔が小さくて手足が長いので、「しま〇ら」「G〇」を着ていたとしても高価な洋服を着ているのかなように見えるのが彼の強みだ。そして、知らないお婆さんが困っていたら駆け寄るし、辛そうな人が居たらどこまでも優しく寄り添って話を聞く姿勢がある人だ。

  彼の事を「モラハラ」と言ったのはこんな理由がある。「自分と相手は違う存在である」という部分をわかってはいても「自分の脳みそ内が相手のそれとは違う」いう事に、苛立ちを感じるタイプのような気がしたからだ。

 もちろん、田中に対してこの発言は失礼な事であるのは承知しているので、最大限に優しく丁寧な感じで言葉を述べるようにしているのだが(気を遣うという事は、そういう事ではない。私って性格悪い)不思議な事に「これを言ったら嫌われてしまうかも」というような気持ちに全くならず、思わず失礼な事を色々言ってしまう。

 そんな田中からブルベ美人と私は、「付き合う前の女性にあげるカジュアルなプレゼント」について相談に乗っていた。

 「(気持ちが)重たくなくて、貰って嬉しい物って何だろ」
「そういえば!」と、私が切り出した。「仕事を辞めてから久しぶりに会った女友だちとお茶していた時に、某ブランドの紙袋が出てきてびっくりしたんだけどね」「うん、うん。」2人共に真剣に聞いている。
「中はリップクリームだったんだけど、リップクリームを使い終わったら、口紅と入れ替える事が出来るらしいよ。これは高価なリップクリームで驚いたけど、嬉しかったな。」手元の携帯で田中は商品を調べている様子。「でもさ、これをプレゼントしたりしたら女慣れしてると思われそうじゃない?」「確かに……」「そこに気づくとはさすが田中!」というやかましい3人のやり取りが続いた。

 無い頭を絞る3人。しかしそんな時間も楽しかったりした。

 田中は生活の中での優先順位がはっきりしている人だ。しかし時にそれが自身の幸せを遠ざけたり、人の為になりすぎている所があるので、今は自分の幸せを優先して欲しい。

 必ず幸せになれるからね!と言いたかったが、結局上手くいったらしいので、良かったなと思う。

 そういえば、田中と最初に会った時に
「これ、食べませんか?」と果物をくれようとしたんだっけな。いつも誰かを楽しませようとしている田中、幸せになるんだぞ!

 1月20日に、(夜だから19日かな?)田中が夢にいきなり出てきて「今までありがとうございました」と言っている夢を見た。こういう未來を予見した夢だったのかな、と嬉しい事でもあった。(私の夢日記より)

 

 

 

 

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