太田和彦氏を嫌いになったわけ
氏の軽妙な語り口で、いろいろな酒場を訪れた本は、居酒屋ファンにとってはとても楽しく読める本だと思う。氏が語った店が自分の知っている店であれば、親せきの店が褒めらたように嬉しく感じ、知らない見せであれば、機会があれば訪れて見たいというような雰囲気のある語り口だ。
氏は、銘酒だけではなく、安酒でも良いと言いながら、毛嫌いしている酒というか、ビールがある。ドライビールが嫌いらしい。まあ、個人の好みなのでとやかくは言わないが、何度か氏の文章でドライビール批判を呼んだことがある。
そういう氏が、門仲の有名酒場である魚三を訪れる。魚三は、自分も何度か訪れたことがあるが、口うるさいおばちゃんに意地悪されなければ、魚も安いし、居心地の良い酒場である。
ところで、ここのビールは、あのスーパドライなのだ。だが、氏はそのことに一言も触れない。安酒でも良いとはいうが、ビールがドライビールだけなのが欠点だとは言わない。
なんか、良いが覚めた気がして、氏のことがいっぺんに嫌いになってしまった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?