こんな要望書を台東区教育委員会に出してきます!



こんな要望書を台東区の教育委員会に提出しに行こうと思っています。


中身はこんな感じ。


要望書

こどもがみーんなのびのび通える
台東区の学校にしようプロジェクト


いつも区政にご尽力くださいまして、誠にありがとうございます。

さて私ども「こどもがみーんなのびのび通える台東区の学校にしようプロジェクト」は、台東区内の小中学校に通う生徒児童の保護者を中心とした団体です。学校PTA単位や小学校・中学校の種別を超えた有志の保護者のネットワークとして、とりわけ校則やルール、標準服のあり方について考え、台東区内の小中学生がのびのび通える学校をつくっていこうと日々活動しております。
そのような活動趣旨の下、本年3月には、区内の各小中学校でどのような対応がなされているかについて、区内の保護者向けにアンケートを行いました。このアンケートの回答数は121件で、ほぼすべての小中学校の保護者の方から回答を得ることができました。アンケート結果を別添いたしますので、あわせてご参照いただければと存じます。
以下、これらのアンケート結果を踏まえて、私どもが気づきました区内小中学校の問題点をあげさせていただきます。そしてこれらの問題点につきまして、学校、保護者、生徒児童の三者が議論できる場を設けていただくとともに、台東区教育委員会が主導で解決いただきますよう、切に要望いたします。


1.現状の校則やルールの見直しについて(別添アンケート p10~26 参照)

a.天候に応じた薄着、防寒着の着用について
現在、区内ほとんどの小中学校には標準服が定められており、ほぼすべての生徒児童が、毎日、標準服を着用したうえで登校しております。また夏服と冬服があり、これらは数週間の移行期間を除いて、時期によってどちらを着用しなければならないかが定められております。
けれども当然、夏服の着用期間にもかかわらず肌寒い日や、冬服の着用期間にもかかわらず暖かい日もございます。そのようなときでも、生徒児童は定められた服装を自己判断で改めることはできないため、体調を崩すこともございます。そもそも当プロジェクトは、学校は生徒児童が健康に通えるところであるべきだと考えますが、そうなっていないのが現状です。
なお学校によっては、膝掛けやカーディガンなど、防寒着を認めている学校もあるようですが、ただちにすべての区内小中学校においてこれを認めさせてください。また冬服の着用期間であっても、生徒児童がのぞめば夏服の着用を認めさせるなどの対応も取られるべきかと存じます。
以上のことにつきまして、各学校の判断に任せるのではなく、教育委員会の主導のうえ、ただちに実施していただきますよう、要望いたします。

b.体操着の下の肌着着用、肌着の色指定の撤廃について
昨今メディア等をきっかけとして注目が集まった「体操着の下の肌着着用の禁止」、および「肌着の色指定」につきましては、台東区の多くの小中学校では改善の傾向が見られるように思います。けれども学校や学年、クラスによっては、いまだにこれらを制限、禁止しているところもあるようです。
言うまでもなく、発育段階にある生徒児童にとって、肌着の着用を禁止することは、性別を問わず人権にかかわる問題となりますし、また小学校低学年の児童にとっても「自分の身体を大切にする」ために、肌着の着用は認めるべきかと存じます。さらに肌着の色指定を行うことに関して、万一、生徒児童の肌着の色を教職員がチェックすることがあるならば、それは深刻な人権侵害にあたると思われます。
以上、体操着の下の肌着着用の禁止、肌着の色指定を絶対にさせないよう、いま一度、教育委員会より各小中学校にご通達いただきますことを要望いたします。

c.体操着の男女別着替えスペースの確保について
現在、区内のいくつかの小学校では、低学年を含め、全学年で別室、もしくはパーテーションやカーテンを利用した男女別の着替えスペースを確保しているようです。けれども一方で、三年生までは男女が同じ教室で着替えをしている、異性の教員もその場にいるという小学校もあるようです。
もちろんこれにつきましては、教室やスペース、設備等の制約もあるかと存じます。けれども児童の成長、意識には個人差があり、低学年のうちから異性と同じスペースで着替えることに抵抗のある児童もいるでしょう。また「自分の身体を大切にする」ことや「プライベートゾーン、すなわち水着で隠れるゾーンは他人に見せない」という教育的な意味においても、低学年のうちから男女別の着替えスペースを確保することは、たいへん重要かと存じます。
そこで教育委員会主導で、男女別の着替えスペースを確保するべく、設備等を整えていただくとともに、いまいちど各小学校へご通達いただきますことを要望いたします。

d.その他の校則やルールの現状、問題について
別添アンケートに載せました「学校別校則実態」(p.10-26、特に13-22)に拠りますと、各学校の校則やルールの中に、以上aからcの事案の他にも、様々な問題が存在することは明らかです。したがって、今後当プロジェクトのメンバーが、各学校にも要望を持ち出すことがあるかと存じます。
以上で挙げましたaからcの事案につきましては、ただちに各学校へ通達し、実施をうながしていただきたく存じますが、その他の校則やルールをめぐる現状の問題につきましても、教育委員会として、あらかじめ把握していただきますよう、要望いたします。


2.標準服、および指定品の見直しについて(別添アンケート p27~44 参照)

a.女子生徒のスラックスやパンツ、男子児童の長ズボン選択について
これまで台東区内中学校の女子生徒の標準服は、スカートと定められておりましたが、本年4月より、駒形中学校では女子生徒のスラックス選択が認められました。近年の研究では、十数人に一人が性的マイノリティであるとのデータも出ております。このような点からも、駒形中学校の決定は、すばらしいものだと評価いたします。また性的マイノリティの生徒のみならず、同校の女子生徒すべてが多様な選択をできるようになったことは、たいへん歓迎すべきことと存じます。今後はすべての中学校、さらには小学校においても、女子生徒、女子児童がスラックスやパンツを選択できるようにしてください。
ただその際には、例えば生徒、児童にその理由を説明させることが絶対にないようお願いいたします。個々人の性自認は、非常にデリケートな問題であり、それを自らカミングアウトすることに苦痛を覚える生徒児童もいるはずです。またそうでなくても、このようなプライベートな事柄を、学校や教職員が詮索することは、深刻な人権問題に繋がりかねません。
さらに男子児童の長ズボン選択もお認めいただければと存じます。現在区内の小中学校で、男子児童の長ズボンの着用を認めている小学校は2校しかございません。しかし半ズボンがきつい、短いという小学校高学年の児童もいるように思いますし、また肌寒い日には、長ズボンを履きたいという児童や、履かせたいという保護者もいることでしょう。
すべての男子児童が長ズボンの選択を、またすべての女子生徒、女子児童が、特別な許可を得ることなく、自由にスカート、パンツ、スラックス選択をできるよう、教育委員会主導で推進していただきますよう、要望いたします。

b.標準服、指定品に対する経済的な負担について
別添いたしましたアンケートの話題は、校則やルール、標準服など多岐にわたりましたが、とりわけ標準服や指定品の購入金額が高いという回答が多く得られました。具体的には、約68%の保護者が標準服に対して「すごく高い」、「やや高い」と回答し、また約67%の保護者が指定品に対して「すごく高い」、「やや高い」と回答しました(別添アンケート p34~36 参照)。
すでに台東区には、世帯年収に応じた就学支援制度があることは承知しておりますが、一定所得以上の家庭にとっても、標準服、指定品の価格は決して安いものではありません。実際に前掲のアンケートでは、59%の保護者が標準服、指定品の購入金額に対して、「すごく負担」、「やや負担」と回答しています(別添アンケート p42~44 参照)。
そこで教育委員会で、いまいちど各小中学校で定められている標準服の価格を検討していただくとともに、指定品の購入を一律に義務づけるのではなく、例えば私物を利用する、生徒児童が個人で購入するのではなく、学校で一括購入して共有する、など検討していただきますよう、要望いたします。


3.校則やルールを公開し、議論することについて(別添アンケート p5~9 参照)

a.各小中学校の校則、ルールを、ホームページに掲載し公開することについて
現在、区内小中学校では、各校が校則、ルールを定めて、特色ある教育が行われていることと存じます。けれども現状、私たち区民には、子どもが通学しているなど直接かかわりのある学校以外の校則、ルールを知るすべがありません。
たとえば区内の中学校は選択制となっておりますが、これから区内の中学校に進学する予定の児童や保護者には、校則、ルールがほとんど分からず、各校の特色を知ることができません。さらに区内小学校は学区制ではありますが、幼児や保護者が、あらかじめ各校の校則、ルールを知っておくことは、入学前の不安な気持ちを解消することにも繋がります。また地域の方々にとっても、近隣の学校が身近なものになると存じます。
さらにいえば、そもそも保護者でさえも、学校やクラスのルールがわからないという現状がございます。私どもが実施したアンケートを通して、子どもの話を聞いて「こんなルールがあったのか!」と、保護者が気づくということもありました(別添アンケート p13~22 参照)。子どもが疑問に思わなければ親にも伝わらず、そのルールが適切であるのか、時代に合っているのかというチェックができない状況も懸念されます。
以上のことから、校則やルールを、小中学校のホームページで公開するよう、教育委員会主導で進めていただきますよう、要望いたします。

b.校則やルール、標準服について議論する場を設定することについて

以上、校則やルール、標準服につきまして様々申し上げてきました。最後に校則やルール、標準服のあり方につきましても、要望させていただきます。
そもそも校則やルールは、いつ、誰が決めたものなのでしょうか。また校則やルールがおかしいと思ったとき、どのように変えていけばよいのでしょうか。前掲のアンケートによれば、66%の保護者が、子どもの通う小中学校に不必要な校則やルールがあると回答しながら(別添アンケート p23 参照)、一方で90%以上の保護者が、校則やルールの変更の仕方が分からないと回答しています(p8 参照)。
当プロジェクトでは、校則やルールを定める、あるいは変える場合には、その当事者である生徒児童や保護者もかかわるべきだと考えています。少なくとも生徒児童が、現在の校則やルールにおかしいと感じたとき、それを考え、話し合い、検討する場が設けられるべきですし、また保護者や教職員など周りの大人たちもそれに耳を傾け、一緒に考えていくべきかと思います。
さらに標準服につきましても、それが「制服」ではなく「標準服」である以上、それを着るかどうかは、本来は生徒児童や保護者の判断に委ねられるべきです。標準服のあり方についても、議論する場が設けられるべきかと思います。
当プロジェクトは、校則や標準服をなくしてしまえばよいと考えているわけではありません。校則も標準服も、これまで様々な議論のもと、定められてきたものでしょうし、各学校の教職員や地域の方々の思いもあることでしょう。しかしこれらはともすれば、時代にそぐわないものになってはいないでしょうか。
今後の校則やルール、標準服のあり方について、生徒児童が主体的に考え、保護者や教職員などと一緒に議論して、場合によってはそれらを変えていくことが望ましいと考えます。これこそ、文部科学省の提言する「主体的な学び」であるともいえるでしょう。
校則やルール、標準服について、学校、保護者、生徒児童の三者が考え、議論する場を設けられるよう、ぜひ教育委員会にもご尽力くださいますよう、要望いたします。

以上の件につきまして、何とぞご検討いただきますようよろしくお願い申し上げます。


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