種牡馬キングカメハメハがL系ってどういうこと?
Mの法則やっている人でなんだかキングカメハメハをL系種牡馬と勘違いしている人が多くて、代表産駒ロードカナロアをL系とか何を見てるんだと苦言を呈したのですが、このような間違いがどうして多いのか(なぜか正しくS系と理解しているMラーは皆無)とても不可思議だったのでその考察をします。
原因その1.当初、今井師がL判定していた
はい、一番の原因は今井師自らの間違い(敢えて言おう、間違いであると)でした。
まあそれならみんな間違えますわな、と納得の結果です。
自分が確認したのは2009年9月刊行の「ポケット版大穴血統辞典」で、ここでキングカメハメハはL系と判定されておりました。ただし、S(LC)なので、この時点でS系と言っても差し支えありませんでしたが。
翌2010年に発行された「ポケット版恐怖の大穴血統辞典」でも同じ判定でした。
とはいえ、後年には修正が入っております。自分が確認できる範囲では2013年にはS主体のまとまり系となっておりました。少なくとも2011年~2013年の間に今井師のキングカメハメハに対する認識が変わった、ということになりそうです。
ちなみに2013年は「ポケット版大穴血統辞典 2014-2015 ステップ爆弾編」が刊行されております。
この本ではM系と紹介されており、細かいタイプとしてはS(LC) / SC(L) が挙げられております。
ということで、今井師がこの件について誤解を招いていたわけなのですが、それでも後年になって修正が入ったわけなので、みなさん、ちゃんと情報はアップデートしましょう。
原因その2.エルコンドルパサー
ただ、この誤解が長く続いた原因、そして今井師がキングカメハメハを当初「パワータイプで集中力は希薄」とした理由は、同父のエルコンドルパサーの存在が大きいのではないか、と見ます。
エルコンドルパサーは莫大な肉体量とパワーでジャパンカップを制し、凱旋門賞を2着した名馬で、夭逝で種牡馬としては短い間でしたが産駒にもよくその特徴を伝えて、ダート馬としては異端な肉体量で長くチャンピオンとして君臨したヴァーミリアン、菊花賞馬ソングオブウインド、長距離界の名バイプレイヤー・トウカイトリックなどを出しました。
そんな名馬と同じ父を持つキングカメハメハも、現役時代は相当に力任せの競馬でNHKマイルとダービーを制したところから、エルコンドルパサーと似たタイプとして認識されてしまった、というのがもう一つの原因ではないかと思っております。
まあ精神構造の組成としては似ていると思いますが、キングカメハメハの現役時代はエルコンドルパサーのLSではなく、闘争心が先にくるSLだったのではないか、というのが私の見立てです。
また、父キングマンボも結構まとまりがあるタイプの種牡馬だったのではないでしょうか。末裔のエイシンフラッシュも馬群を割ってダービー及び天皇賞秋を制していましたし、キングカメハメハにも競走馬としてはともかく種牡馬としてその性質を受け継いだのではないでしょうか。
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