アドマイヤハダルのM3タイプ分析

単独のS(裏にCあり)が今井先生の答え=正解ですが、ほぼチャンピオンSCと考えていいのではないか、というのが私の見解です。

だが、なぜかL系と間違うMラーが続出で、

これとか、

これも「量はありそう」と言ってるあたり、L判定していそうです。

特に前者の評は酷くて「父は量が豊富なL主導の種牡馬」と完全に間違っています

ロードカナロアはS主導の、チャンピオン質=SCの子供を多く出すチャンピオンメーカーです。

まずここから正しましょうか。

種牡馬ロードカナロアのM3タイプ

ロードカナロアは現役時代、スプリンターとしては豊富な肉体量と体力を持ち、そのくせ精神構造は完全なSCだったため、短距離界の絶対王者に君臨していました。

ロードカナロアがチャンピオンSCと言い切れる理由はいくつもあるのですが、特に強調できるのは「2度の5連勝」「接戦での強さ」でしょう。

前者はSの強さ、後者は良質なCを示します。

また、2度めの連勝が途絶えたのが前哨戦であるG2セントウルSというのも頂点を極めたチャンピオン馬に特有の負け方ですし、その後スプリンターズSできっちりと巻き返してセントウルSで逃げ切られたハクサンムーンを競り潰す、まさにチャンピオンの臨戦でありました。

種牡馬入りしてもその性質をよく伝え、ステルヴィオやダノンスマッシュといった短距離王者以外にも、アーモンドアイやサートゥルナーリアという中距離王道チャンピオンを生み出しております。

彼らもM3タイプとしてはSを中心とした精神構造をしています。

そして、今井先生のウマゲノムでも「総合力の高いS系」種牡馬として紹介されており、つまり要するにロードカナロアをL系と言ってしまうのはただの世迷い言にすぎないのです。

アドマイヤハダルのM3タイプ

というところでアドマイヤハダルに戻します。

父ロードカナロアということで、血統的には基本S主導です。

で、完全にS主導と見切ったのは若葉Sでのレースぶりを見てで、ゴールから残り200mのところで抜け出し、抜け出すだけでは飽き足らずぶっちぎったからです。

これ、L系の馬だとできない芸当で、何ができないかっていうと「前の馬を追い抜いてから更に頑張る」ができないのです。たいていの場合は並んだところでばたついて伸びなくなる、というのがL系の挙動になります。

L系が圧勝する場合はもっと早い段階から抜け出すか、前がばったり止まったところを流れの外から追い込むとか、そういったなるべく摩擦のない状態を作らないといけないのです。

そして若葉Sに関しては最後の1ハロンを頑張ったという証拠として、その前の1ハロン(残り400m~200mの区間)のタイムとほぼ変わっていませんでした。

というわけで、S主導がこれで確定します。

そして後ろにCが付く根拠としては、やはり若葉Sで3番手から競馬したことです。SLだったらもっと不器用に後方からレースを進めるだろう(例えばステラヴェローチェSLのように)という見立てで、そうでなく好位で我慢していたからCはあるだろう、ということでした。

なので、内枠に入った皐月賞は本命にしましたし、外枠に行ってしまったダービーでは全く評価しませんでした。

皐月賞は残念ながら重馬場の影響もあり馬群がばらけて集中力が活かしきれず4着でしたが、ダービーは「どうやっても無理だろう」と思っていた通り、騎手の工夫も実らず惨敗となったわけです。

アドマイヤハダルの総評

というところでまとめると、「アドマイヤハダルはチャンピオンSCに近い精神構造を持っており、Lは希薄。ただ、Sが突出しているため不安定。それゆえよほどの停滞期に沈んでいない限り、内枠に入ったら常に注目すること」となります。

適距離はマイル→2000→1800(小回り)の順でしょう。最終手段でスプリント戦に参戦して初G1奪取、という未来もあるかもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?