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編集部から見た「AV Watch20年」の歴史 (2)

前回からの対談は、AV Watch創刊20周年を記念して、現編集長の山崎健太郎さんと、前編集長で現Impress Watch編集長の臼田勤哉さんとの鼎談をお届けする。

インプレスのAV機器専門サイト、AV Watchの創刊は2001年2月13日。今年の2月から3月にかけて、我々ライター陣からは20周年記念記事を寄稿させてもらったのだが、そういえば編集部から見た20年というのは話を聞いてなかった。

幸運なことにコデラがAV Watchのレギュラーメンバーになったのはかなり早い段階で、2001年3月から現在の「週刊Electric Zooma!」を始めさせてもらっている。最初の編集担当は編集長の古川さんだったが、数年で山崎さんにバトンタッチし、編集長になった現在もそのまま担当して貰っている。

連載を書いている側としては20年間あまり変わらず、ずっと同じ感じで書かせて貰っているが、メディアとしての方向性などは色々と葛藤があったはずである。そのはたりのお話を伺ってみよう。
(5回連載予定)

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■何を以てAVとするか問題

小寺:PC Watchと比べて、AV Watchのほうが扱う製品数とか、関わり合うメーカーとかがすごく多いような気がするんですけど。そのへんはいかがですか。

臼田:これも時代によって変わりますよね。PC Watchは一頃、本当にPCしかやってなかったけど、今は周辺機器とか、けっこう細かいのもやってたりするから。

メーカーもそうなんですけど、やっぱりエンタメ業界というか、配信だったり、ビデオソフトとか、あとはそれにまつわるクリエイターさんだったりみたいな、人との繋がり――そういうのもあったりするので、幅広く見えるという。

ちょっと違う業界、AVと言いながらもコンテンツ業界への窓口でもあるので、扱うメーカーはちょっと広いかな、という気がしますね。

山崎:最初は大作映画とかのDVD紹介をやってましたけど、私が勝手にアニメの取材とかを始めたりして、なんかいろいろ、分野としては広げちゃったりしたのもありますし。

あとはスマホとかね。あれはAVなのか、という話はあったんですけど、まあでも音楽を楽しめるものだし、映像を見られるものだし、というとやらないわけにいかなかった。

臼田:特にオーディオとかビデオに力を入れてるモデルとか。なんだかんだで、それをやっておかないと、iPodもウォークマンもどんどん、“消えていく”という表現はアレですけども、一部を残して普通の人が当たり前に音楽をいちばん聴くデバイスがスマートフォンなわけで。そこを逃すわけにはいかないよね、という。

逆に「僕らはウォークマンしかやりません」ってなってたらけっこうヤバい媒体だと思うんですよ(笑)。なので、マス感みたいなところは押さえつつ、というところですかね。

山崎:だから、オーディオの業界専門誌とちょっとそこは違うスタンス、というかね。Watchらしい感じではあったですね。

小寺:ああ、なるほどね。僕はカメラとしてスマホを見てましたね。4K対応とかも早かったですし。

臼田:あとはね、小寺さんの連載でどうせやるから、一応これもニュースでピックアップしといたほうがいいよね、とか、藤本(健)さんも「これが出たらやりたい」って言ってたから、ニュースも書いておくとか。

そういう、著者さんとか周りの方々とかの影響とかも多分にありつつ。広がって見えるとしたらたぶんそういうことだったりするのかな、という気がするんですよね。

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