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小寺の論壇:誰が悪いわけじゃないけど…HUAWEIのスマートウォッチのヤバさ


今年5月、ITmediaに『「iPhoneにサイドローディングさせろ」を国が言うのは妥当か』という記事を書いた。

・「iPhoneにサイドローディングさせろ」を国が言うのは妥当かhttps://www.itmedia.co.jp/news/articles/2205/24/news080.html

AppleとGoogleのアプリストアのあり方が日本のアプリ開発力の足かせになっているということは理解するものの、消費者の安全を差し出してそれを解決するのはナシでしょうという話である。

先日、HUAWEIの広報代理店から、新商品を一通り試してみませんかというオファーがあったので、スマートウォッチをお借りしてみた。デザインもよく、スポーツ型ではなくフォーマルな使い方ができそうで、なかなか良くできている。

ハードは満足なのだが、アプリの作り方が結構マズイことになってる。日本の広報代理店さんにもこの点、お話しをしとかないといけないと思うのだが、今日はその前になにがマズいのか、問題点をまとめてみたい。

■Googleとの確執

HUAWEIと言えば、2019年頃からトランプ政権下の米国から輸出禁止措置の対象となっており、Googleから閉め出されている。Android OSの代わりにHarmonyOSを開発するも、Google Playが使えないという苦しい立場に追い込まれている。

スマートウォッチは、単体では機能の半分も使えず、スマートフォンと連動することでSNSの通知は通話、フィットネスログの管理などを行なうものだ。HUAWEIのスマートウォッチも例外ではなく、フル機能を使うにはスマートフォンとの連携がかかせない。

今回お借りしたのは「HUAWEI WATCH GT 3 46mm」という最新モデルなのだが、設定を行なうにはHUAWEI Healthというアプリが必要なので、Google Playからインストールした。このアプリは、登録されたのが2020年7月で、インストールしただけは当然、HUAWEI WATCH GT 3は対象外である。

するとさらに新しいアプリがあるとして、アップデートするよう求められた。アップデートを選択すると、Google Play経由ではなく、HUAWEIのサイト直でapkファイルをダウンロードしている。UIには出てこないが、ダウンロードフォルダにファイルが格納され、自動的にインストールが始まるという流れだ。

新しいアプリのダウンロードを求められる
メーカーサイトからapkファイルがダウンロードされ、インストールが始まる

つまり、2年前にGoogleの認証やセキュリティチェックを通過したアプリを下敷きにして、非認証のアプリをインストールしていることになる。筆者のAndroidは実験のために開発者モードで動かしており、非認証のアプリもインストールできるようになっている。通常では、非認証のアプリをインストールするかといった警告が出るはずである。

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