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庄司昌彦教授に聴く、行政DX最前線(3)

毎月専門家のゲストをお招きして、旬なネタ、トレンドのお話を伺います。


武蔵大学社会学部メディア社会学科教授の庄司昌彦さんに、地方行政DXの今を伺う3回目。

今回のテーマは、すでに新聞等でも指摘が相次いでいる「漢字」。名前に使われている漢字の数を集計すると、なんと70万字にも上るという。日本の義務教育で教える常用漢字は2,136字、それに人名用漢字863字を足しても約3,000字しかないにも関わらず、である。

これは、出生届の欄に氏名を手書きで書くわけだが、そこで書き間違えたものも、役所が受理してしまえばその漢字が「アリ」になってしまった期間があったからだ。ある意味出生届が膨大な漢字クリエイティブマシンと化してしまったなれの果てとも言える。

役所では当然人の名前を扱うのがメインの業務になるわけで、どーすんだこれ、という話になっている。



小寺:もう一つの疑問点として思うのは、「ここはつまずくだろうから気をつけろよ!」ってみんなが言ってきたポイントに案の定つまずいてる感があって。住所の表記揺れとかの問題だったり、あるいは戸籍の漢字多すぎ問題とかだったり。

大変なのはもうわかってたでしょ、みたいなところで、今さら大変!みたいな話になってて。そこは議論してたわけでしょ?

庄司:住所はやってますね。やってるんですけど……本当に、不思議な住所っていっぱいあるんですよね。

小寺:いっぱいあるんですよ(笑)。

庄司:それこそ、金沢に去年の夏旅行したんですけど、なんか謎の住所が結構あって。地図を見ててなんじゃこりゃ!ってのはありましたよ。カタカナで「カ」みたいな住所とか、ひらがなで「か」みたいな住所とか。

小寺:ありますあります。要するに番号的なものを振るときに、カナでも良かった時代があるんですよ。「いろは」で振ってたとか、そういうのがあるんですよね。

庄司:京都とか、全然違う表記の仕方が2つぐらい。○条上ルとか下ルとかっていうのとはまた別の表記の仕方もあったりとか。で、それは一応統一しようとしてるんですけど……やっぱり奥が深い世界みたいで、総務省なのか、法務省なのか、国交省なのか……綱引きしてますね。

小寺:うん。というかね、住所の表記って、別に統一しなくても困んないような気がするんです。

庄司:まあそう。はい。

小寺:というのは、その地域の人がわかればそれでいい話で、これまでそうやってやってきたんだから、それをさくっとデジタル化すりゃいいんじゃないのという。

庄司:うん。だから多分、実際は今の運用のままで繋いで、なんとかするんだとは思います。

緯度経度とかという説もあったんですけど。あとは建物にID振るとか、あるんですよ。不動産IDといって、僕もちょっと参加してたんですけど。なんかいろんな議論がいろんな政治的な思惑で同時に動いてたりとかしてます。

あと、漢字! 漢字の座長をやってるんですけど。

小寺:座長やってんですか(笑)。

庄司:座長ですよ。やばい。

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