水素とアンモニア今後の見通しと関連銘柄
水素について
富士経済は2035年度の国内水素関連市場が20年度の約268倍に当たる4兆7000億円規模になるとの調査結果を発表した。自動車分野では、燃料電池車（FCV）や燃料電池（FC）バス向けのほか、車載用FCスタックの需要が大きく増加する。
水素関連の国内市場と海外動向を調査
～水素燃料の販売が増え、設備型ビジネスから燃料ビジネス中心に移行～
●水素燃料（水素ガス）3兆4914億円（3879.3倍）
…アンモニア発電や水素ガスタービン発電が本格化し急伸。
●車載用燃料電池スタック 1167億円（41.7倍）
…社外販売される燃料電池スタックの出力強化と乗用車以外のモビリティでの採用により、伸長。
国内の水素関連市場
・2021年度の市場は、前年度比4.6%増の183億円と見込まれる。
水素供給と水素利用が市場の大半を占める。水素供給では、商用水素STが四大都市圏を中心に政府の掲げる「2020年度160箇所整備」を達成したことで、FCVの普及に先立ち整備が進展している。水素利用では、FCモビリティの多様化による需要増加、 水素発電の実証実験が進んでいる。
・2035年度には、2020年度比268.6倍の4兆7013億円と予測。
今後は、これまでの水素関連機器が中心の設備ビジネスから、水素燃料(水素ガス)が中心の燃料ビジネスに移行していくとみられる。特に、アンモニア発電は二酸化炭素が排出されないため注目されており、発電の際に用いられるアンモニア調達の目処が立ちつつあることなどから水素発電向けの水素燃料が大きく伸びると予想される。
【関連銘柄】
水素燃料 水素ガス
岩谷産業（8088） 東京ガス（9531） 大阪ガス（9532）
東邦ガス（9533）など
水素輸送 大規模水素輸送
川重（7012） 岩谷産業（8088） Ｊパワー（9513） ENEOS（5020）など
水素供給
●商用水素ステーション 液水対応設備
岩谷産業（8088） ENEOS（5020） 出光興産（5019）
●水素製造装置
三菱化工機（6331） 山王（3441）
●圧縮機
神戸製鋼（5406） 加地テック（6391） オーバル（7727）
●蓄圧器 日本製鋼所（5631） JFE（5411）
●プレクーラー
神戸製鋼（5406）
●水素バルブ
キッツ（6498） ジェイテクト（6473）
●液化水素貯槽
東洋エンジ（6330） 川重（7012） トーヨーカネツ（6369）
●オンサイト水素発生装置
三菱化工機（6331） JFE（5411） 日立造船（7004）
●水素吸蔵合金システム 那須鉄鋼（5922） 日本製鋼所（5631)
水素利用
●水素ガスタービン発電
三菱重工（7011） 川重（7012） 大林（1802） 関西電力（9503）
●FC水素発電
トヨタ（7203） デンヨー（6517） トクヤマ（4043）
●車載用水素センサー
NISSHA（7915） 特殊陶（5334） 新コスモス電機（6824）
●製鉄工程の水素活用」
日本製鉄（5401）JFE（5411）神戸製鋼（5406）
●アンモニア発電
中部電力（9502） 東京電力（9501） IHI（7013） 三菱重工（7011） 中外炉（1964）
●アンモニア燃料アンモニア輸送船の建造決定
日本郵船（9101）IHI（7013）ジャパンエンジン（6016）
川重（7012）
●液体アンモニアポンプの実用化
荏原（6361）日機装（6376）
●アンモニア水から高純度水素を製造し燃料電池発電
澤藤電機（6901） 木村化工機（6378）
●アンモニア流体計測機器
オーバル（7727）
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