『手作りキャンドルに火を灯してみた』
火を灯す。外に出てる紐は割りと早くに燃えて蝋に辿り着くと、そこで一度消えてしまった。
火の強さが足りなかったかと思ってもう一度……今度は長く火を当て続けて灯した。
灯った火は最初こそ勢いが強かったが、すぐに弱くなり、このままではまた消えてしまいそうだ。
今度こそ消えないようにと願いつつも見守っていると、火は弱々しいながらもゆっくりと蝋を溶かし始める。
最初は「いいぞ!」「その調子だ!!」と思っていたが、内周を囲うようにして置いた紐に引火して、一気に火の勢いが強くなった。
火の勢いは強く、思い出として残そうとスタンドに設置し録画してたスマホに届きそうになってすぐにスマホを後ろに動かした。
火は不安定に燃えるので、チカチカとして目に悪い。
勢いを増した火は最初の弱さは何処に言ったのかと言いたくなるぐらい早い速度で蝋を溶かして行く。
ちょっとしたお洒落として、蝋の中にドライフラワーを潜ませていたのだが、ドライフラワーに火が引火した。
燃えて行くとドライフラワーが見えてくるのをイメージしてたが、現実は思い通りにはならないものだ。
考えれば分かる事なのに、どうして作った時は気付かなかったのだろうか。
ドライフラワーに引火してから2、3分ほど経った頃には紐は燃え尽き、後は残ったドライフラワーが燃え尽きるのを待つのみ。
作った時間に比べ、燃え尽きるのは早いものだな、と思いながら待った。
待った。
待った。
一向に消える気配が無い。ドライフラワーが燃え始めてからすでに10分以上が経っていた。
何時まで燃え続けるのか気になりつつも、飽きて来たので漫画や小説、テレビを見ながらちょくちょく確認した。
一時間ほど経った所で録画を止める。
二時間が経過してもまだ燃えていた。
二時間半が経った所で何処からかピキッ!と音が鳴った。
急にこの音が聞こえて吃驚した。何処から鳴ったんだと慌てて探ったら、耐熱皿として使用していた陶器の一部に綺麗な縦線が出来てるのを発見。
原因は長時間の延焼によるものだと思われる。
その時に気付いたのだが、溶けた蝋の殆どが消えていた。
残っていたら再利用しようかと考えていただけに、少し残念。
火の勢いは弱くなっており、終わりが近付き始めていた。
最初の音よりもだいぶ小さかったが、近付くとピキッ!と音が何度か鳴るのを聞いた。
真っ二つに割れてしまわないか不安に思いつつも、弱くなった火を見届ける。
ドライフラワーの火が消えた部分は白く、元の色が分からなくなっていた。
縮んだドライフラワーに灯る小さな火はまるで、ミニチュアの焚き火を思い起こさせる。
更に弱くなった火は引き籠もるようにドライフラワーの中に隠れ、燃え続けていたが、それほどの時を置かず最後の灯火を終えた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?