「競馬の教科書」ってぶっちゃけどうなの? #2
こんにちは。競馬予想家 Noa(のあ)です。
このマガジンでは〈玉嶋 亮氏が出版する「競馬の教科書」に競馬予想家 Noa(のあ)が個人的見解や批評をぶつけちゃおう!〉という趣旨のもと、購読者、非購読者それぞれにコミットできるような有益な内容をお届けしていくことを目的としています。
要は「競馬の教科書」をまだ買っていない人も、既に読破している人にとっても、このマガジンは読んでみる価値あり!ということですね(^_-)-☆
※このマガジンでは本著のPDFファイルを使用し解説等をしていきますが著者である玉嶋 亮氏の許可のもと制作しております。同様の内容を著者の許可なく行うことは著者の権利を侵害することになり得ますのでおやめください。
※このマガジンは完全無料公開とさせていただきます。よって私、競馬予想家 Noa(のあ)には一切の収益が発生しておりません。
さて、今回で第2回目を迎える「『競馬の教科書』ってぶっちゃけどうなの?」ですが、前回の#1では「残念ながら『競馬の教科書』を買っても意味ない人がいますよ!」という話と「競馬の教科書」が教えてくれる最大のテーマについてお伝えしてきました。
いよいよ今回から具体的な本の内容について切り込んでいくわけですが、既に「競馬の教科書」を購読されている方も、まだ購読を迷われている方も、前回お伝えした「正しい少数派にならなきゃいけない」というこの本の基礎教訓を頭に入れたうえでこの記事を読み進めていってくださいね。
この「競馬の教科書」は大きく分けて3つのブロックから構成されています。
①導入編〈予想ファクター〉
②実践編〈予想のポイント〉
③実践編〈ケーススタディ〉
まず、#2から数回に分けて①導入編を私と一緒に読み進めていきましょう!
①導入編では競馬予想に使う「予想ファクター」について著者である玉嶋 亮氏が重要度別(★★★★★~★☆☆☆☆)に分けて紹介してくれています。ここでの重要度とは「正しい少数派になるために必要な考え方・優先的に取り組むべきこと」と置き換えていただいて大丈夫です。
さすがにここで取りあげられている全トピックについて触れていくのは不可能なので、特に私が大事だなと思った項目を抜粋させていただきます。
今回取り上げるのはこの3つについて。
1.情報化社会 踊らされたら負け組
現代は情報化社会全盛期で、20年前とは比べ物にならないほど「簡単に」「多種多様な」情報を入手できるようになりました。しかし、その一方でユーザー側は正しい情報を取捨選択する能力を求められており、最低限の情報で最大パフォーマンスを発揮するための術を身に付けなければならないとこのトピックでは述べられています。
確かに今の競馬予想界は本当に様々な予想ファクターで溢れかえっていますよね。(血統や騎手、調教、馬体、指数などなど)
私は今のこの環境を素晴らしいと思っています。本当に予想するのが楽しいし、他の方の予想見解を聞くのも学びになりますし、お互いに意見の食い違いをぶつけ合ったり、予想ファクターが多様化したからこそ馬券対決もできるんじゃないかなと思っています。
でもその一方で「どの予想ファクターを選んで予想したらいいのか」がわかりづらい時代であるとも言えますよね。「血統予想ではこの馬が良いって言われているけど、調教に詳しい人は状態が悪いって言ってるし…」みたいな経験、皆さんもあるんではないでしょうか。
予想ファクターが多様化している今だからこそ、それを使うユーザー側は何か1つ予想の軸を決めて情報の取捨選択をしないといけないんです。
私は小さい頃、毎年誕生日になると親にバイキングに連れていって貰っていました。お寿司も食べたいけどハンバーグも、パスタも!みたいな欲求が全て叶う夢みたいな場所だったんですよね(笑)
でもあれも、これも、こっちも!みたいに食べ過ぎて最終的には気持ち悪くなって帰るっていうのがお約束でした…。
今の競馬予想界はまさにバイキング状態。あんまり欲張って色んなファクターに手を出すと負けてしまうぞ!っていうことなんです。
お寿司ならしっかりお寿司屋さんで、ハンバーグならハンバーグ店で、一流のものを専門店でいただくのが大人の嗜み。(まぁ僕は今でも食べ放題大好きガキんちょなんですがね…)
話を競馬に戻して、「じゃあ、どの予想ファクターがオススメなの?」と皆さん気になるところ。
この問いに「競馬の教科書」は「競馬の教科書らしい」理由で答えを提示してくれています。
皆さんはどの予想ファクターを選びたいと思うでしょうか?
例えば、「僕は血統で予想しようと思います!」
ダメです。
「私はデータ重視で予想してます!」
これもダメです。
血統・騎手・データ・調教など、一般的に重要とされている予想ファクターなんて使ってはダメ!
「競馬の教科書」ではそう書かれています。
なぜダメなのか?
答えは簡単でした。
「一般的」に重要とされている予想ファクターだから
前回の#1でお伝えしました「セオリー通りでは勝ち組にはなれない」
一般的に重要だとされている血統やデータなどの予想ファクターは近代において、もはやセオリー通りの予想法なんだ!
もうそれじゃ大衆と一線を画すことはできない!
「競馬の教科書」ではそう言ってるんですね。
( ゚Д゚)
血統予想をしている私には胸に刺さる意見でした…。
僕はセオリー通りの人間だったのか…。
「じゃあ一体どんな予想ファクターなら正しい少数派になれるんだよ!?」
「競馬の教科書」が出した答えは「トラックバイアス」と「コーナリング能力」の2つでした。
それぞれについてこれから見ていきましょう!
2.トラックバイアス 展開を読む
「競馬の教科書」では正しい少数派になるために活用すべき予想ファクターとして「トラックバイアス」と「コーナリング能力」を挙げているわけですが、まずは「トラックバイアス」について読んでいきましょう。
この「トラックバイアス」という言葉についてですがこの本で述べられているトラックバイアスとは各競馬場のコースレイアウトや開催時期による馬場の違いに注目した〈脚質の有利不利〉、〈枠の有利不利〉そして〈好走する馬のタイプの違い〉といった【傾向】を指しており、いわゆるバイアスとは少しニュアンスの異なるものだと考えてください。
さてこのトッピックでは各競馬場ごとのコースレイアウトの違いや坂の有無などに注目して話が展開されていくわけですが、皆さんがこれらを一々暗記して頭に叩き込む必要はありません。
なぜならそれはこの本に全部書いてあるから。
実際に競馬予想をする際に「競馬の教科書」を開いて確認すれば済む話なので暗記する作業は無駄な努力と言えます。
「競馬の教科書」にも書いてあります。
最小の努力で勝ち組を目指しましょう!
では、ここで書かれている「トラックバイアスについて」皆さんはどう読み進めるのが最善か。
それは「違い」を意識することです。
私のいう「違い」とは2種類の意味があります。
①各競馬場ごと、開催時期ごとの「違い」
②この本で書かれているトラックバイアスと実際のレース結果との「違い」
まずは①各競馬場ごと、開催時期ごとの「違い」について。
このトッピックでは競馬場ごとの「違い」(東京・新潟と中京の違い)や開催時期による「違い」(9月開催の中山競馬と12~1月開催の中山競馬の違い)について述べられていますが、読者はこの「違い」を意識しなければいけません。私が優れていると感じる予想家の方々は自分の予想に確固たる自信をもって発信しています。この自信はなにも予想を発信する立場だから必要といったものではなく、競馬で勝ちたいと本気で思っている方なら絶対的に必要な要素になってきます。この自信が勝負レースとして参戦するのか、大切なお金を投資するのか否かの判断基準にもなってきます。穴馬を狙うとき、人気馬を軽視する時、その判断を支える自信の源に、この「違い」がなってくれるはずです。
そして②この本で書かれているトラックバイアスと実際のレース結果との「違い」について
競馬にイレギュラーは付き物です。全ての競馬がここで書かれている傾向通りに決まるとは限りません。例えば「競馬の教科書」にも書いてある通り、2020年9月開催の中山競馬は梅雨の長引きと日照時間の短さにより例外的な馬場になっていました。「9月開催だから高速馬場だ!」といって馬券を買い続けた方はスランプに陥ったことでしょう。こうしたイレギュラーにも対応できるように読者はしっかりと理屈を理解したうえで読み進めてください。なぜ違うのか、どう違うのかを理解しなければこの本を読んで成長したとは言えません。なぜなら理屈を理解していないと「応用」が効かないから。「野芝なのに馬場が高速馬場じゃない」「12~1月開催みたいな時計の出方だ」となった時にすぐに思考回路を切り替え、応用していくためには、なぜそうなるのかを理解している必要があるんです。「今年は野芝の育成が上手くいってないな!」「タフな馬場なら狙い方は冬場の傾向に近いはずだ!」といったように理屈を理解し、「違い」に気付くことで臨機応変に対応できる人間になりましょう!
ちなみに…
「競馬の教科書」でも具体例として挙げられている9月開催のオールカマーと12~1月開催のAJCCの「違い」について私から少し補足しましょう!同じ中山芝2200mでどれくらい違うのか。
私の予想を読んだことない人もいると思いますので少し話しておくと、私は馬場判定として各重賞、各競馬場、各距離、各クラスごとに平均タイムというものを算出しています。
馬場改修後のオールカマーとAJCCの平均タイムがこちら。
●G2 オールカマー
平均走破時計 2:12.2
平均上り3ハロン 34.8
●G2 AJCC
平均走破時計 2:13.3
平均上り3ハロン 35.6
平均走破時計にして1.1秒、平均上り3ハロンにして0.8秒、12~1月開催のAJCCの方が時計がかかってますね。
0.3秒で1馬身の差が生まれるといわれている競馬にとってこの差がどれ程大きなものかがお分かりいただけると思います。
これだけ違えば好走する馬のタイプも変わってきそうですよね!
3.コーナリングを制する者は競馬を制する
「競馬の教科書」では正しい少数派になるために活用すべき予想ファクターとして「トラックバイアス」と「コーナリング能力」を挙げているわけですが、次は「コーナリング能力」について読んでいきましょう!
実は私、この本を読むまで玉嶋 亮氏が言っている「コーナリング能力」って「コーナーを上手に回る馬」「コーナーで減速しない馬」って言うことなのかと思ってました。
でも、どうやらそうじゃないらしい。
競馬はクラスが上がれば上がるほど、3,4コーナーの攻防がタイトになってきます。馬場の良いところは早いもの順。そのなかで行われる椅子取りゲームに勝ち、コーナーで好きな位置を獲りに行ける馬というのが「コーナリング能力の高い馬」だと「競馬の教科書」には書いてあります。
逆に「コーナリング能力の低い馬」はコーナーで後方に置かれ、進路も大外しか残っていないという不利な状況に立たされることが多いそうです。
この「コーナリング能力」はレース映像を個人的に観て判断するしかなく、指数等で定量的に評価されないからこそ少数派になれるファクター。
では、実際にレース映像のどこに注目するのかについて本書では4つのポイントに分けて解説してくれています。
これに関して気になった方は是非「競馬の教科書」を手に取って確認してみて欲しいと思います。
そして実際にレース映像を振り返ってみて「コーナリング能力が高い馬」を見つけてみてください。百聞は一見に如かず。行動あるのみです!
私が個人的に気になったポイントが「コーナーの曲率半径」について。
これは面白いですね。この曲率半径Rは数字が小さい程、急カーブだと捉えていただければと思うのですが、例えば東京競馬場が187mなのに対して中京競馬場は120mとかなりの急カーブであることがわかります。これ、急カーブであればあるほど遠心力って強く働くと思いませんか?
つまり急カーブのコースでは遠心力で外の馬はかなり外に膨れてコーナリングするってことです。例えば中京競馬場で大外回して、コーナーでもかなり膨れてしまう距離ロスの大きい競馬で1着と0.2秒差とかだったら、勝ち馬よりこの馬の方が強かったってことになりそう。
と思って調べてみました!
そしたら、いい例がたくさん!!
例えば、2019年の中京記念。8枠15番で大外ぶん回しの差し競馬をして4着のミエノサクシード。1~3着は内枠が独占したレースで大外枠から距離ロスの多い競馬をして0.1秒差。その次走で中京より曲率半径が長い(緩いカーブ)新潟競馬場の関屋記念で6番人気→2着と巻き返していました。
2018年の中京記念でも似た現象が。6枠11番で大外ぶん回しの差し競馬をしたワントゥワン(3番人気→5着)はその次走から新潟→中山→東京と重賞で3連続連対と巻き返し。
この曲率半径の違いは好走、凡走を分けるファクターとして有効かもしれませんね!
皆さんも是非、この曲率半径や「コーナリング能力」を予想に活用して正しい少数派を目指してみてください!
さて、#2の内容はここまで。今回は特に重要度が高い(★★★★★)トピックから私、競馬予想家 Noa(のあ)が大事だなと思った項目や面白いと感じた部分について好き勝手、お伝えしてきました。
次回はもう少し重要度が低いトピックのなかから「これって大事!」と思う箇所をご紹介していけたらなと思います!
・最後に
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皆さんからのツイートには実際に玉嶋 亮さんからリアクションが来たりしますよ!
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この記事を読んでみて「競馬の教科書」読んでみようかなという方は下にAmazonの商品ページも貼り付けておきますのでリンク先から是非、購入してみてくださいね。
それではここまでご覧いただきありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう!
競馬予想家 Noa(のあ)
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