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【ファイプロWオリジナル団体興行配信のお知らせ】EARLY SUMMER ACCESS Act.4

 というわけでいきなりですがファイヤープロレスリングワールドSteamアーリーアクセス開始4周年を記念して「NO NAMEプロレスリング(NNPW)」より興行動画の生配信をやらせていただきます。

 とりあえずこのテキストを見ていただければ今のNNPWにどんなレスラーがいてどんな技を使って戦うのかわかるようにしますので、ぜひご一読ください。

試合ルール(基本)

○決着方法:3カウント 
○オーバーザ・トップロープ:OFF
○試合時間:無制限
○試合本数:1本
○COMレベル:レベル9
○ゲームスピード:125
○ロープチェック:ON
○ランバージャック:OFF
○トルネードバトル:OFF
〇カットプレイ:ON
○反則カウント:ON
○場外カウント:ON
○クリティカル確率:低い
○乱入発生率:無し
○レフェリー
【ペムァルミ・モロモフ】
(ダウン:やや長、フォール:速、反則:やや速、場外:普、移動:やや速、乱入:やや長、干渉:やや長)

試合日時

2021年7月17日(土)13:00開場 13:30開始(予定)

試合会場

承南市大庭アリーナ(ビッグガーデンアリーナ)

七峰らいがのYouTubeチャンネルより当日生中継

第1試合 ネームレスハードコア級王座決定戦バラ線発破デスマッチ

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"戦うシスター侍"
ハイドレインジア・パートリッジ
 <対> 
"食べ歩く怪獣シスター(妹)"
 グラットン来華

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【特別ルール】
○試合時間:30分
○爆破時間:15分
○設置凶器数:3

第1試合 選手情報

 【ハイドレインジア・パートリッジ

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身長186cm、体重80kg

必殺技:H・P・L(レッグロックスープレックスホールド)
得意技:ストレッチボム
    ブルドッキングヘッドロック
    ドラゴンスープレックスホイップ
    拝みロープ渡り

備考:(以下レスラー備考欄文責:NNPW専属プロレス解説者 鏑木麻耶)
 "ブルーローズ"ディーナ・カルツァの右腕としてNO NAMEプロレスリング設立前からタッグマッチに限らず事務処理でも司書の経験(やんごとなき理由で図書館にいたことがあるというだけだが)を活かして会社を支える縁の下の力持ち的存在として働いてきた。

 アメリカンかつコミカルなファイトスタイルを得意とするため、団体的に忌避する傾向にあるデスマッチ路線にも「じゃあ私が」「どうぞどうぞ」といったノリで上がることに。実際傷の治りは早い。

 なお必殺技は「ハイドレインジア・パートリッジ・レッグロックスープレックスホールド」の略であり、怪奇小説・幻想小説の先駆者の一人とも呼ばれるアメリカの小説家のイニシャルとは一切関係ない。


 【グラットン来華】


身長156cm、体重44kg

必殺技:噛みつき
得意技:凶器攻撃
    コブラクロー
    アルゼンチンバックブリーカー
    ストマッククロー

備考:
 「食べるため」にプロレスのリングに上がる、NO NAMEプロレスリングで最も危険な存在である。そのためデスマッチ以外で呼ばれることはほとんどない。

 七峰らいがの妹を自称し、実際はファンのことも年齢に関係なく「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」と呼ぶが、七峰との血縁関係はない。

 その正体は文字通り口と牙と舌だけの影のような怪獣だと噂されているが、商店街にふらりと現れては大食いの末出禁となることを繰り返した結果そうささやかれるようになっただけという説もある。

 いつどこで手に入れたのか、いくら使ってもお金がなくならない黒いカードを持っており来華に同行して飯を奢ってもらうレスラーは多い。当人は食べられる飯の数が減ると不満げだが、お腹が空くことの切なさと悲しさを知っているので(よほど自分の腹が減っていなければ)他人の皿に手は付けない。


第2試合 シングルマッチ

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"郷愁の侵略者"
レトロ宇宙人
<対>
"巨大不明プロレス統合対策本部副本部長"
山口 両堂

第2試合 選手情報

 【レトロ宇宙人

身長173cn、体重85kg

必殺技:高角度タイガースープレックス
得意技:タイガードライバー
    チキンウィングスープレックス
    腕取りアームブリーカー
    雪崩式ダブルアームスープレックス

備考:
 はるか遠いレトロ宇宙から飛来し、地球人の「懐かしさ」につけ込んで侵略行為を働くおそろしい宇宙人である。「あの頃はよかった」「あの時代に戻りたい」そう思っているとやって来るぞ。

 あの光の巨人が等身大で戦ってはおかしいという「お約束」が支配するマット界で好き放題暴れ回っている。

 オーナー曰く「まだコスチュームを改良する予定だったが、思いの外イメージが○○○ン星人に乗っかったまま離れられなかったので、FPWNETには登録しないが試合動画の配信に踏み切った」とのこと。

 一応本籍はNNPWではなく巨大不明プロレス。

 【山口 両堂

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身長182cm、体重80kg

必殺技:ヤシオリーパー(ドラゴンスリーパー)
得意技:クローズライン
    こけし
    足刈りラリアット
    無人在来線爆弾(突っ張り電車道)

備考:
 名前の読み方は「やまぐち・りゃんどう」

 足場を崩し、倒壊するビル(ヘッドバット)や電車(突っ張り)をたたみかけ、最後に息の根を止める「ヤシオリーパー作戦」にもとづいて戦う。

 もとは山陰出身の売れないものまね芸人だったが、イベント会場で知り合った七峰の猛プッシュでプロレスの基礎を学ぶ。

 今後も○ジラネタ一本で行く予定だったが、趣味のものまねネット麻雀配信で飲む酒はキ○ンビールに変えた。

第3試合 シングル SWA公式ルールマッチ

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"バレンワート(碇草)"
リナリア・リリウム
<対>
"茨心の魔法少女"
ティアドロップ

【特別ルール】
○試合時間:5分
○ラウンド数:5
○TKO:3
○ロープチェック:OFF
○ランバージャック:ON
○クリティカル確率:高い

第3試合 選手情報

 【リナリア・リリウム】

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身長153cm、体重56kg

必殺技:ダイヤモンド・ウェディング(三角絞め)
得意技:足掛け延髄斬り
    ローリングソバットラッシュ
    タイガースープレックスホイップ
    イングランドストレッチ

備考:
 本名非公開のイギリス人レスラー。魔法と言いつつ肉体言語で戦う軍団・魔法少女隊の中でもMMA寄りの選手で、マスクド桜花を「御姉様」と呼び慕っている。

 普段からあまり喋らないので感情に乏しいと思われがちだが、「彼女は寝言がカワイイ」とは桜花の言。


 【ティアドロップ】

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身長130cm、体重40kg

必殺技:若元スペシャル'78(原型バーニングハンマー)
得意技:大車輪キック
    キャプチュード
    ティアドロップ式パイルドライバー(みちのくドライバーβ)
    スミススペシャル

備考:
 名前の由来は「弟子をしごいて泣かせる」から。
 最近承南市某所に異世界とのゲートがつながったので簡単に会えるようになった、魔法少女隊隊長・夕霧仮面の師匠であり最強の魔法少女。……というか、この人が異世界マジカル武道の開祖であり全ての元凶。

 見た目はどう見てもおリボン着けた可愛らしい幼女だが(苦み走った顔はさておき)、風属性を持つ土着の精霊の力を借りて当たり判定がおかしいハイキックを見舞うので、異世界のパワーバランスが崩壊した。転生者恐るべし。

 前世(地球)での記憶は全くなく、技は全部身体が覚えていたそうだが、その戦いぶりはどう見ても……。

「ミーハー根性が強すぎてやりすぎましたbyオーナー」


第4試合 6人タッグマッチ

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月夜の大魔王・聖徒会連合軍
"月夜の大魔王"亜理亜、"聖徒会長"KIKKA、"世を忍ぶ・(自称)魔法少女"ユウゲン・マキ組
<対>
魔法少女隊
"月輪の魔法少女"夕霧仮面、"日輪の魔法少女"マスクド桜花、"ニューフェイス"ノーネーム・ジョン組

第4試合 選手情報

 【亜理亜】

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身長144cm、体重44kg

必殺技:大魔王ロール(ブシロール)
得意技:毒霧
    エムエックス
    起き上がり小法師チョップ
    ロメロスペシャル

備考:
 最近エステに通った、意外と美容志向の大魔王。

 そもそもはRPG的な異世界でRPG的に魔王活動をしていたが、ある日やってきた夕霧仮面に変化の杖で美少女に姿を変えられて以来、プロレス会場でヒーローショーまがいの腐れ縁が続いている。

 最近はスモモ農家の息子・李木堂 実次を魔界に引き入れ、オーナーとして経営している洋菓子店にスモモのデザートが増えたので「(闇を意識した)苦いのばっかりでイヤ」という子供客の評価をやっと覆せると経営者的な一面も見せた。


 【KIKKA】

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身長168cm、体重59kg

必殺技:菊一文字(ぶん殴りラリアット)
得意技:一本足頭突き連打
    サンダーファイヤーパワーボムホイップ
    一本背負い
    元祖バックドロップ

備考:
 竹刀を振るって冷酷に、厳格に「指導」する承南高校裏の生徒会長にして、新たな軍団・聖徒会を名乗り手すきのユウゲン・マキを引き入れ魔法少女隊と月夜の大魔王軍の終わらない抗争劇がメインだったNNPW女子界に第三勢力として現れた。

 しかしファイプロWの仕様的に三つ巴の戦いは難しかった(まあ3人トルネードマッチはできないこともないけど)ので、結局常時人手不足の大魔王軍に編入された。「まあ同じヒールレスラーだしbyオーナー」

 拝みダイビングヘッドバットが成功すると試験合格のお守りになるとの噂が。

 【ユウゲン・マキ】

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身長151cm、体重41kg

必殺技:奥義「魔刃・龍狼」(フライングダブルニーアタック)
得意技:スイング式ダイビングフランケンホイップ
    念仏パワーボムホイップ
    スーパー・キック
    タイガースープレックス

備考:
 必殺技の読みは「まじん・たつろう」

 私立承南鉱泉(しょうなんこうせん)学園の昼下がり、中庭で白い鳩の群れと戯れる赤い髪の少女を見たら、それが彼女である。

 世界一の忍者を決める大会に参加した後、女装(遺伝子レベルで)レスラーとして戦う意味に悩みくすぶっていたところをKIKKAや某団体に誘われプロレスラーの道を本格的に歩み始める。

 忍者としての辛い日々の中で魔法少女ものアニメに心を救われ、自らも忍者ではなく魔法少女になろうと決めた者として、魔法と言いつつ打撃投げ極め技で戦っている魔法少女隊のことは複雑な目で見ている。まあ自分も魔法と言いつつ先祖伝来の骨法術や忍術で戦っているのだけど。

「マキら"魔法少女部"の物語もなんとか形にしたいけど、現状の優先度は低いbyオーナー」

 【夕霧仮面】

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身長158cm、体重非公開

必殺技:ティアドロップ式パイルドライバー(みちのくドライバーβ)
得意技:腕殺しコンビネーション
    ダブルニーストマッククラッシャー
    リバースDDT
    ロメロスペシャル

備考:
 ファントムマスクのメイド姿でおなじみ魔法少女隊の隊長。承南市ではパトロールと称した深夜徘徊が数え切れないほど目撃されているが、地元警察は黙認しているようだ。

 その正体は七峰らいがであることは「だれもがみいんなしっている」周知の事実であるが、元々のヘビー級の体格からどのようにして女体化(あるいは女装)しているかはあまり知られていない。

 七峰は中高生の時特殊なゲーム機を介して異世界に転移するという経験があり、亜理亜との出会いもその知られざる冒険譚の一つにすぎない。中でも善玉のヒーローでありかつ可憐な少女の姿であるというのは、七峰の根底にある美学らしい。

 あるいはヘビー級プロレスラーとしての人生も彼にとってはゲームで操作するプレイヤーキャラクター(太字傍点)のひとつに過ぎず、その実像が我々の前に明かされることはないのかもしれない。


 【マスクド桜花】

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身長165kg、体重57kg

必殺技:ラグナロックウェーブキャノン(ダイビングダブルニープレス)
得意技:フライングクロスチョップ
    スワンダイブダブルニープレス
    マジカル☆サンセットカッター(振り子式カッター)
    キャプチュード

備考:
 経歴不明のルチャドーラにして、最強を目指してプロレスラーになった類いの少女(年齢詐称の疑いあり)。夜は8時間熟睡し、早朝から道場のカギを開けてトレーニングに励んでいる。

 試合の組み立て方は夕霧仮面の指導を受けているが、気に入らないと相手の顔面に拳を叩き付ける危険な側面を持つ。

 亜理亜のようなヒールレスラーは徹底的に嫌悪し私生活でも噛み付いているようだが、そこまでの「正義」へのこだわりは知られざる過去によるものか。

 七峰のことを「父さん」ディーナのことを「母さん」と呼ぶのを聞いた者もおり、公には否定されているが団体スポンサーの「人類原型研究所」で造られたクローンだという噂もある。

 ゲームセンターで一人レトロSTGに打ち込んでいる姿が度々目撃されている。

「オウカにはオウカなりにこのファイプロ世界での背景と物語を作ってやりたいが、どうしても別世界でのやり取りを引き合いに出してしまうbyオーナー」


 【ノーネーム・ジョン】

身長185kg、体重100kg

必殺技:パワーボムホイップ
得意技:ダイビングボディプレス
    オクラホマスタンピード
    スーパー・キック
    抱え式バックドロップホールド

備考:
 アメリカからやって来たニューフェイス。つまり若手だが、その名を知らない者は少なくともこのファイプロ界にはいないはずである。何なら各団体ごとに何種類ものスミスがいるわけだが、彼もその一人である。

 今回はリナリアとティアドロップがシングルマッチを希望した関係でやむを得ず数合わせとして女装をしてリングに上がることになった。普段からミクスドマッチが公然と行われているこの団体だが、それでいいのか魔法少女隊。っていうか、ちゃんと魔法で女の子にしてあげようよ夕霧仮面。

「スミスそのものには手を加えないことがコンセプトなので、必然的にこうなったbyオーナー」


第5試合 シングルマッチ

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"鳥取県一の大飛瀑"
THE・あめだき
<対>
"羽合が育てたアメリカン"
MIC東郷

第5試合 選手情報

 【THE・あめだき】

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身長182kg、体重102kg

必殺技:不動明王(長滞空垂直落下式ブレーンバスター)
得意技:水面蹴り
    ショルダーアームブリーカー
    レインメーカースルー
    脇固め

備考:
 名前の呼び方は「ザ・」でも「ジ・」でもご自由に。

「八百長発言」で大ブーイングを浴びたあるプロレスラーが滝行をして心を入れ替えた、鳥取県鳥取市国府町雨滝からやって来たマスクマン。

 制裁マッチを専門としているためか、粘り強い「維新魂」を持ち相手が腕をだらりと垂らして頭を垂れるまで間接を攻める。そして荘厳な滝の流れを思わせる垂直落下式ブレーンバスターでとどめを刺す。

 ちなみに雨滝の前にある不動明王に祈願すると、精神病が治ったり商売が繁盛するなどの霊験がある。また雨滝の霊水には皮膚を守る効果があり、滝に参拝した次の冬は肌荒れが無く、寒さから肌を守ってくれるという。

 MICがどんな悪事を働いたのか知る由はないが、試合後にその肌がスベスベになるのは間違いないであろう。


 【MIC東郷】

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身長182kg、体重90kg

必殺技:お米様パワーボム
得意技:クローズライン
    カナディアンバックブリーカー
    リバースDDT
    テキサスクローバーホールド

備考:
 今年に入ってから頭角を現し始めた七峰のライバル。必殺のお米様パワーボムが決まるか? とカナディアンバックブリーカーの体勢を取るだけで観客を沸かせることができる。

 実家の米農家で暮らす関係でずっと鳥取県外に出られないことに悩んでいたが、家族の同意を得て各団体の興行に参戦するようになり、家業とレスラー生活の折り合いを付けようとがんばっている。

 米の力をよく知る彼だが、日本酒は口に合わなくて苦手らしい。逆に好きなのは地ビールとのこと。まあ、確かに瓶ビールをラッパ飲みする姿は妙に似合っているが。


第6試合 シングルマッチ

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"白熊"
ヌァレタモア・モロモフ
<対>
"鳥取生まれバナナ育ち"
ゴリラ 斧

第6試合 選手情報


 【ヌァレタモア・モロモフ】

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身長180kg、体重152kg

必殺技:サーモン北おろし(叩きつけダブルアームスープレックス)
得意技:クロスアームノーザンライトボム
    元祖水車落とし
    ベリー・トゥ・バック
    卍固め

備考:
 NNPWのレフェリー兼レスラーという忙しい立場の老人で、特に人数の少なかった団体旗揚げ初期には自分の試合のレフェリングを娘ペムァルミに任せて次の試合では自分がレフェリーをするなどと、かなり無茶なことをしていた。
 もっとも一日に一人何役もこなすのはこの団体ではよくあることだが……それについては現代日本の常識では考えられない魔法の心得がある者が団体内に多くいることから、瞬時に回復力を高める方法が知られているのかもしれない。ケガや病気で欠場は一度もない、というのがNNPWの美徳である。
 ただし、他にあれこれ理由を付けて欠場することが無いとは言えないが……。

 承南市民限定公開のNNPW公式動画チャンネルでは旧ソ連時代の苦労話について語ったり、家族との生活で垣間見えるトボけた姿が映されていて日々市民の心を癒している。

「今はゴリラの人気が高いので、青コーナーということになったbyオーナー」


 【ゴリラ 斧】

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身長183kg、体重130kg

必殺技:ゴリラ・アックス(アックスボンバー)
得意技:リフトアップスラム
    ゴリラスラム
    ココナッツクラッシュ
    抱え式バックドロップホールド

備考:
 現在各団体のさまざまな大会でゴリラパワーを遺憾なく発揮している彼だが、ヌァレタモア・モロモフとは私生活でも「熊さん」「オノサン」と呼ぶ親しい間柄で、七峰やディーナらメインイベントを張るレスラーの前座として何度も試合を重ねた名コンビである。

 今は後進を育てつつ、NONNヘビータッグ級王座の挑戦者を増やしベルトの価値を高める為にバナナを腹いっぱい食べている。

 ちなみに付き人のことを「飼育員さん」と呼んでいるのは、彼がNNPW以前に在籍していた社会人プロレス団体「プロレスリング野野(ノヤ)」からの伝統である。他団体に遠征する時、必ず楽屋にひと房のバナナを置いて去るために会場近くのバナナが安い店の情報を仕入れるのだとか……。

「ぶっちゃけ、三沢光晴ありきであるノヤのネタは今以上に掘り下げるつもりはないbyオーナー」


セミファイナル NONN(Nameplate Of No Name)Jr.ヘビー級タッグ王座決定戦

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"砂の穴から舞い上がる不死鳥"砂野 御城、"境港の妖械漁師"スーパー・サカエコウ・マシン
<対>
"柔らかチキンのマサラ空手"ギャーナ鶏ピヨ、"リキドーさん"李木堂 実次

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セミファイナル 選手情報

 【砂野 御城】

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身長176kg、体重79kg

必殺技:砂のフェニックススプラッシュ(フェニックススプラッシュ)
得意技:ダイビングエルボードロップ
    爆殺ミドルキック
    フルネルソン
    フィッシュストレッチスリーパー

備考:
 名前の読み方は「すなの・おしろ」

 NNPWが自粛期間中に進めた、鳥取砂丘の地下深くにあるという「砂の穴」で特別に鍛えられた候補生達の中から主席に近いポジションでデビューを勝ち取った若きジュニア戦士。

 甘いマスクとは裏腹に笑いながら相手を蹴り飛ばす残酷な一面も……と、いうのがそんなに珍しいキャラクターではなくなったのは時流というべきか。

 ところで関係筋の情報によると、団体のプロデュース方針もあるので公表を差し控えているが美少女キャラクターのコスプレを趣味としていて既にいくつかの写真がSNSの裏アカウントを通して出回っているそうで、事実として寮には自前のスキンケアグッズや衣装道具を揃えているらしい。

 女装=ソッチ系の人、というのは古い物の見方だが、もしかして相手がフルネルソンでギブアップするのはそういう「気」を敏感に感じ取ったため、なのか……? ちなみに本人は「美しさはすべてに優先されるが、同性だから異性だからという意識は、少なくとも僕にはない」という見解を示している。

「僕はジェンダー論の裏にあるしがらみの息苦しさよりも、好きな自分の姿に成るという快感にしびれたいし、それを人に伝えたいbyオーナー」


 【スーパー・サカエコウ・マシン】

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身長173kg、体重95kg

必殺技:活け締め(電光石火)
得意技:ラリアット
    ダイビングヘッドバット
    フィッシャーマンズスープレックス
    サーフボードストレッチ

備考:
 砂野と同じく砂の穴出身。
 年齢非公開のマスクマンだが、漁師であり妖怪であり機械である。その馬力を活かして荒々しく戦うが、必殺技のように速攻をかけて丸め込むクレバーな一面も持つ。頭も良くなければセリには勝てないということだろうか。

 トラ柄のマスクは言わずと知れた境港市出身の妖怪漫画家(漫画家妖怪?)の代表的キャラクターの衣装を模したものだが、裏で「もっとカッコいい色にしてくんないのかな」とぼやいていたらしい。

「ゴリラの日焼けは機械によるものだが、サカエコウのは実際に漁に出て焼けたものなので若干赤く焼けている……というのがこだわりbyオーナー」


 【ギャーナ鶏ピヨ】

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身長170kg、体重96kg

必殺技:チョーク・ケ・チョーレ(グラネード)
得意技:ナマステ・ヘッドバット(拝みダイビングヘッドバット)
    柔らかチキンのマサラ空手(刀羅式打撃コンビネーション)
    ペシャ割り(ファイナルカット)
    チキンウィングフェイスロック

備考:
 承南市でインドカレー店を営む、フリーランスの空手家。ただしリングネームとコスチュームはNNPWがプロデュースした。また、技名のいくつかはインドカレー料理のもじりらしい。

 アツアツのカレー鍋に手や頭などを突っ込んで鍛えたという「辛手(毒手?)」グローブとブーツ、頭のカレーっぽい飾りからは本当にカレーの匂いがする。スメルハラスメントだと止める者はいなかったのか……。ちなみに腰に巻いた帯は白帯ではなくあくまでマサラ空手の有段者に贈られる「ナン帯」とのこと。

 空手だという割にはラリアットを使ったり、突っ張ったりもするが、いかなる経緯で教えが広まったものなのか知る術はない。おそらくは日本の武術として伝わる内にインド独自のアレンジが加わったものと思われるが……それもまた徒手空拳の空、または般若心経の空から来ているなど諸説ある空手の持つ奥深さの一端に過ぎないのかもしれない。


 【李木堂 実次】

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身長180kg、体重79kg

必殺技:令和仰天カラテチョップ(ブレイジングチョップ)
得意技:袈裟斬りチョップ
    強ヘッドロック
    ローリング袈裟斬りチョップ
    低空抱え式バックドロップ

備考:
 名前の読み方は「りきどう・さねつぐ」
 顔が昭和の伝説的プロレスラーにそっくりで同級生にも「リキドーさん」と呼ばれていたので、スモモ農家の実家で鍛え抜いた身体でプロレスラーになった。
 とはいえ空手チョップだけを頼りに団体トップを目指すことは難しく、今はNNPWの前座レスラーという立場だ。

 顔に亜理亜の毒霧を混ぜたペイントを施すと、魔界のカラテカ・モンスター「離鬼怒雄惨」に変身する。空手チョップの後で首を鳴らすクセで、怪奇派レスラー路線が板についていると見る団体ファンもいる。

「NNPWとしてのジュニア戦線を拡大していく中で、いちギミックレスラーの彼が一皮むけた存在になるかどうか、そのようにプロデュースできるかどうかが、我々の手にかかっている。出オチで終わらせたくはないbyオーナー」


ファイナル NONNヘビー級王座決定戦

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"ブルーローズ"
ディーナ・カルツァ
<対>
"焼き鳥ファイプロ道"
七峰らいが

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ファイナル 選手情報

 【ディーナ・カルツァ】

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身長189kg、体重95kg

必殺技:ブルーローズ(ダイビング延髄ニードロップ)
得意技:大外刈りボンバー
    ヘビーDDT
    旋回式ジャンピングツームストンパイルドライバー
    元祖バックドロップ

備考:
 NNPW旗揚げ以前の承南市で、ディーナは既に戦いを始めていた。

 1989~2007年まではネームレスという地下プロレス団体のエースとして活躍し、10年のフリー期間を経てNNPWの旗揚げメンバーとなる。

 彼女の歴史は、とても日の当たる華やかなものばかりではない。承南市の裏社会を牛耳るイタリアンマフィアの女帝との噂もあるほどだ。

 しかし彼女は元々プロレスができるほどの体格・筋量ではなかったという。イタリアで暮らしていた時期の写真は現存していないが、病気がちな深窓の令嬢だったとされる。

 彼女のことを昔から知る者はこう言う。

「ディーナは魔女だ。あいつは悪魔に魂を売って、魔法の力を手にしたんだ」

 それが事実かどうかは、現在までに30年を越えるレスラー人生があってなお女性としての魅力とエース級レスラーとしての実力を維持し続けたことが半ば証明している。

 そんなディーナと七峰の関係性とは、果たしていかなるものであったのだろうか。

 ある者は婚姻届を提出していないだけで事実婚の関係にあると言うし、またある者は悪魔の手先となったディーナが七峰に新たな契約(太字傍点)を結んだなどとうそぶく。

 確かに関係者の前では内助の功のように七峰を陰ながら応援し支えるディーナの姿が見られ、そのような関係にあるという空気が支配的になっている。

 しかし旗揚げ戦以降度々行われた七峰とディーナの試合は、そのような馴れ合いの空気とはほど遠く、そう、例えるならお互いがお互いの限界に挑むような身を削る真剣勝負だった。

 故にこう語る者もいる。

「七峰とディーナは異母きょうだいさ。ただし遺伝子とかそういうんじゃなくて、運命的につながってるんだ。だからお互いのことを、本当はどちらが上なのか確かめずにはいられない」

 七峰は自身を「偽物」「虚構」と認識し、時としてその実在性すら客観的に疑われることもある人物だとは先に述べた。そして七峰が見出したNNPWのレスラーほぼ全てが、同じような立場にあるとも。
 つまり七峰に対してディーナは「虚構である自分が虚構の中に見つけた、虚構である他者」だと言っても差し支えない。

 だとすれば、七峰とディーナの戦いは、単なるプロレスラー同士の戦いを超えて、虚構の存在である者同士がどちらが上に立つ存在なのかを決めてしまおうという、一世一代の大勝負なのだろうか。


 【七峰らいが】

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身長181kg、体重86kg

必殺技:鳥取砂丘(ジャーマンスープレックス)
得意技:ミドルキック
    アメジスト・フロウジョン(エメラルド・フロウジョン)
    ジャーマンスープレックスホイップ
    みちのくドライバーβ

備考:
 NNPWの社長であり、エースレスラーの一人。技の変化に富んだ現代プロレスにあって敢えてプロレスのプの字とも言えるジャーマンスープレックスを必殺技の域に高める夢追い人である。

 そもそもNNPWは公式には2017年8.9に旗揚げしたと記録されているが、2018年1.4、七峰が某メジャー団体のドーム興行のメインイベントに立っていたとの目撃談もあり、たった数年前でありながらあまりにもプロレス史的な口伝による矛盾した情報が錯綜している。

 唯一明らかにわかっているのは、七峰はメジャー団体で修業を積んだのち地元鳥取に凱旋し、ディーナらの協力を得てNNPWを旗揚げしたということである。

 彼の実力から見てもメジャー団体でのベルト争奪戦を生き抜くこともできたはずなのに、なぜローカルプロレス団体を旗揚げし、こう言ってよければ「お山の大将」になったのか?

 時折七峰が報道関係者にこぼす愚痴には、「俺たちNNPWのレスラーは無名であるだけでなく、偽物である」というある種失言のような言葉がある。

 彼がメジャー団体で見たのは「本物の、名の有るプロレスラー」だった。それに比べれば七峰も、七峰が見出したNNPWのプロレスラー達も、偽物で、無名のプロレスラーなのだと。

 では七峰が指す「偽物」とは何か。

 結論を先に述べれば「虚構である」「ウソである」ということのようだ。それは承南市という、このテキストを見る読者諸兄がどの地図上から見つけ出そうとしてもどこにも存在しないが、このテキストをしたためている我々からは確かに存在している虚構上の都市の本質に迫る言葉でもある。

 その実在性、物理学的正しさにおいて、「虚構のプロレスラー」は「現実のプロレスラー」に及ぶべくもない。

 しかし虚構とは、ウソとは、眠って見る夢のように不確かで儚いながらに一時でも確かにそこに在ると感じられるものである。

 七峰はそうした虚構の持つ力を理解し、信じてもいるからこそ、NNPWという理想の夢(フィクション)を思い描いたのだろう。

 そして、男と女が肉体のくびきを逃れて真剣に勝負する場を整えたのだ。

 NONNが意味する「Nameplate Of No Name」とは直訳で「名無しの名札」である。

 その名札に己の名を刻む栄誉は、彼らが一瞬でもこの不確実な世界に実在していたという、偽りのない証なのではないだろうか。

「EARLY SUMMER ACCESS」。

 熱狂的な真夏の到来を前にして、彼女らはどのようなプロレスを我々の前に見せるのか。

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