「舞台の力」


私は「舞台の力」を知らない。


私が舞台の世界を知ったのは中学生の頃で、
弱虫ペダルという作品がきっかけでした。
画期的な表現方法で、走って、汗を流して、声を上げて、。板の上でキャラクターが生きていることに、大きな感動を覚えました。
ただ、稼ぎがあるはずもなく、観劇に行くことはできず、高校生になったら行こうと決めていました。
いざ高校生になると、趣味全てを捨て部活一色の日々でした。
大学生になった時には、もう舞台に関心はなく忘れてかけていました。
毎日同じ平坦な日々。

そして何の巡り合わせか、私は友人に誘われ、2019年冬、ミュージカル刀剣乱舞・歌合のライブビューイングに行きました。「そういえばゲームとかやってたなあ」などと気持ち半ばで臨みました。


公演が終了すると、声が枯れ、右腕は筋肉痛でした。


全ての熱が戻ってきた感覚がありました。



その日、翌日、1週間、2週間…
延々とキャストさん方のメディアを検索しまくり、とてつもなく顔の良い和泉守兼定_有澤樟太郎さんに出会いました。
(以下有澤くんと呼ばせていただきます)
まるで本物のような和泉守兼定でしたが、私はその写真たちを見れば見るほど、
和泉守兼定ではない役者「有澤樟太郎」、あるいは有澤くん自身を知りたいと思いました。


それからというもの、自分のペースで、ひとつずつひとつずつ有澤くんの出演作品に触れていきました。
勿論生でその演技を見たいという気持ちは募るばかりで、
後に控えていた『WEST SIDE STORY Season3』や『七つの大罪 The stage 〜裏切りの聖騎士長〜』の公演を楽しみにしていました。


そう思っていた矢先、
世界がウイルスに侵されたのです。


「舞台の力」をこの身に受けたかった。
「舞台の力」を知らない。
「舞台の力」とはどんなものなんだろうか。


そう考えれば考えるほど疑問が生まれました。


「舞台の力」は板の上にしか存在しないものなのか?



私は確実に、この自粛期間を舞台関係者の皆様に、舞台俳優の皆様に、有澤くんに、救われたのです。
有澤くんに出会っていなかったら、この膨大な暇(いとま)を、私はどう過ごしていたのか。抜け殻になっていたことでしょう。考えるだけでも恐怖です。
そう思うほどに毎日が鮮やかだったから。
今日はこの円盤を見ようとか、この雑誌を読もうとか、明日は生配信だとか、
なんなら有澤くんの料理を真似するうちに、苦手だった料理さえ克服してしまいました。
毎日毎日、有澤くんについて知ることで時間が埋まっていきました。
このご時世で、こんなに幸せな気持ちを抱いていいのかと己の状況を疑いました。

劇場にはあらずとも、有澤くんを通じ、紛れもなく「舞台の力」に支えられて毎日を生きました。
これが今私の知っている「舞台の力」の姿です。

どの俳優さんにも良さがあるように、
演技に正解が無いように、
表現の形が無限にあるように、
「舞台の力」に正しさなんてものは無いのだと思います。

だからこそ、いつか夢見た
舞台と客席の間に生まれる「舞台の力」を知りたいと思うのです。


私は、今日も「舞台の力」に生かされて、「舞台の力」に想いを馳せます。
必ず帰ってくるその日を心待ちにして。


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◎イラストについて
Twitterに掲載したイラストは、私がこの自粛期間で観た有澤くんの出演作品を描きまとめたものです。
下の列左から、『めがだん(本屋のめがねくん)』『テレビ演劇サクセス荘』『田園ボーイズ』『あさステ』『Online♡Reading 百合と薔薇』『緋色の研究』
真ん中の列の左が『クジラの子らは砂上に歌う』、右が『ミュージカル刀剣乱舞』
上が『SLANG』です。
恐らくこのノートを見ない限り、なんでこの人選?と思われるであろう人選です。(人間じゃない者もいます)(もはや作品ではないものもあります)(細かいことは気にしないでください!←)

ここからはあとがきです。
イラスト上部にいるキャラクターは、前記した通り『SLANG』という作品の主人公「バク」です。(有澤くんの初主演)
『SLANG』では、何気ない言葉が人の心を殺す、そんな言葉の持つ側面が描かれていました。
元来私は、言葉の持つ力にめっぽう弱かったため(良い意味で)、心に刺さったまま抜けることのない作品となりました。ただ、言葉は人を陥れ殺すだけではありません。人を救い幸を届けることがある、私はそんな言葉の力を信じています。

本来ならイラストだけでも良かったのですが、今こそ「舞台の力」から貰った大切な感情を、言葉に乗せるべき時だと直感しました。

言葉は、届ける側が届けようとして、受け取る側が受け取ろうとして、はじめて成立するものです。

何かのご縁があって、ここまで呼んで下さった方がいて、その内のどなたかに、この言葉たちが届いたらそれほど幸せなことはありません。
それがこのnoteに綴られた言葉たちの存在意義だからです。

少々マニアックな話に熱が入った気がしないでもないですが、貴方様のお時間を頂き、ここまで読んで下さりありがとうございました。

えぬお (@no_2_tmar )