オンもオフもない自営業は、無理でした

こんにちは。2019年6月まで仙台でコワーキングスペース「ノラヤ」を運営していた、元ノラヤ管理人です。これは、ちょっと昔のことを思い出して書いています。

自営業の人って、仕事とプライベートを分けないのがいい！と、よく言うじゃないですか。

私も、そう思ってた時期がありました。だって、かっこいいですよね！アイデアを求めてアンテナを張り続けて、常に仕事のことを考えて、チャンスが来たら離さず、確実にビジネスに結びつける。常に働いているようじゃないと、生きている感じがしないよ！ってね。

じっさい、成功しているコワーキングスペース運営者の方々は、休みなしでコワーキングスペースのために動いてます。

でも、私はそういうことができない人間だと、気づきました。

ノラヤを閉めると決意してから、楽になった……と、前にも書いた気がしますが。楽になった理由が大きく二つ。

1. 常にノラヤのことを考えなくて良くなり頭のバッファが増えた
2. 週末にイベントがないのでバタバタせずに済むようになった

1. 常にノラヤのことを考えなくて良くなり頭が楽になった

何が楽になったって、ノラヤを運営していた頃は常に頭の片隅に「このもうかんないコワーキングスペースをなんとかしなきゃ」と思っていたんです。イベントを企画しよう。新しい工夫をしよう。レイアウトを変えよう。仕組みを変えよう。こんなツイートしようか。趣向を変えてこんなことをFacebookに書こうか。広告打とうか。Googleプレイスも活用しようか。

「こうやっていろいろ考えるのが、考え続けることが、大変だけど楽しい！自分を進歩させている！ワクワクする！」

と、自分に言い聞かせてましたが。

そういう「常に頭の一定のバッファを占めている状態」って、実はストレスだったんですねぇ。

「もうノラヤはおしまい。考えなくていいよ」

と、なったとき、心の重量がふわっと軽くなった気がしました。その分バカになったかも。でも、正直、楽です。バカでも、いいです。

2. 週末にイベントがないのでバタバタせずに済むようになった

イベントは、一つが終わったらもうすぐ次の準備にとりかからないといけないです。ノラヤの場合、月に2回くらいイベントやってました。

準備期間の長いサイエンスバーなんかは、2ヶ月以上前から動いているので、別のサイエンスバーや別のイベントの裏で平行して進めます。これが「疲れる」。

イベントは募集を開始しはじめてしまうと、開始が決まる人数が集まるまで、不安で一杯になります。ましてやサイエンスバーなんて、どういうわけか大学のえらい先生とかに頼むことになってしまうわけですから、恐れ多くて、集まらないので日を改めて、なんてことになると心底申し訳ないから、どうか集まってくれ！とあの手この手で広報します。さらに、すんなりイベント当日を迎えられず準備段階でトラブルが起こることもあります。このへんのごたごたもいずれ吐き出したいところです。まあとにかく疲れます。

イベント開始直前は、やっぱりなんか頭がぼうっとして自分が自分じゃないようなへんな感じになって、だめです。悪いことばかり考えます。準備であれができてない、これが失敗だった、どうしよう、わたわたして「sato_kawaさん、ちゃんと指示して」と言われてパニックになって脳がフリーズしたり。イベント中も思いがけないことが起こります。そういう非常事態に私は慣れていないのでやっぱりわたわたして。

イベント当日も、いろんなことが怒涛のように起き、本当に疲れて、終わると抜け殻のようになります。あまりに疲れるので片付けは翌日です。

で、1ヶ月に二回くらい週末がつぶれるじゃないですか。

週末は家のことをいろいろしなきゃいけません。掃除、洗濯、買い物、うちは母子家庭状態だったため、家事のほぼすべてを私がやっていました。

それがイベントが入ると全然できない。めちゃくちゃになる。予定が狂っちゃってイライラして家族に当たったり。

それが、ノラヤ閉店によって、つぶれなくなった。

「ああー、まるまる週末があるってなんて楽なんだろう！」

かっこわるいですよね。土日もなく、ひたすら走り続けてビジネスを成功させる人に比べたら。きっと家事もうまくこなして、家庭も仕事も大成功！っていう人もいるんでしょう。でも、私はダメでした。

週末っていいもんですね。週末ってこれまで、平日よりも忙しくあれもこれもやる日だと思ってました。働いている人はみんなそうだと思ってました。でも、ノラヤを閉店したら「あれっ、週末に時間がある！」と気づくようになりました。

ゆったりした時間が流れるんですよ。すごいなこれは、週末っていいシステムだな。などと、いまさら、思っています。

なんていいつつ、ときどき土日の夜にバイトいれたりはしてるんですけどね。ノラヤと違ってしっかり時給分お金はもらえるので、疲れてるけどありがたい。