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Iceland : Jónsi



アイスランドのポストロックバンドSigur Rós のボーカルギター

Jónsi(ヨンシー)


アイスランドは人口が30万人程度で少ないため、アーティスト達は世界に市場を求め、詞は英語で歌われる場合が多い。
人口の少ない島国から世界目線で音楽をつくる。

ヨンシーは英語、アイスランド語、造語のホープランディックをつかって作詞をする。




まず印象的なソロデビュー作を紹介する。

GO (2010)










M1- GO DO






シガーロスとはうって変わり、ビート感が強くポップでテンポが早い曲が多い。
このアルバム一枚で音の種類がどれだけ入っているだろう。
ハツラツとしていながら、色彩豊かだ。
そしてカラフルで遊び心がある。

このアルバムは英語が多く用いられているため和訳しやすい。そこで目にした歌詞の圧倒的な活力、エネルギーを紹介する。



さぁやろう、方法は知っているはず
、自分を解放するんだ、滑り落ちるように
さぁ、やろう、方法は知っているはず、
自分を解放するんだ、潮の流れに身を任せるように
さぁ、やろう!

驚きが驚きをもたらすのをやめないといいね
、太陽が決して沈まないといいね
、忘れちゃいけない、僕らは何だってできるんだ

GO DOの歌詞から抜粋



ヨンシー自身、
「このアルバムの制作中に爆発しちゃったんだ」

とインタビューで語っていたが本当にそんな感じがする。無敵状態というか、超越感とか全能感といった言葉が相応しい気がする。人間の強さや豊かさを提示している。



 

彼はバンドの活動だけにとどまらず、ソロ作品の製作、他のアーティストと共同制作、映画やドラマのサウンドトラックなどを手掛けている。
実際にヨンシーはシガーロスの活動を1年止めて、ソロ、共作などの別プロジェクトを進めたりする。
それだけ多様な人とプレイする重要性を認めている様だ。



彼の共同制作の一部を紹介しよう。





Riceboy Sleeps/ Jónsi&Alex  (2009) 







M3 - Indian Summer



アンビエントアルバムだと呼べるだろう。


アルバムの一曲一曲は長いが、確実に曲は進行しており、マックスの濃厚なローが出た時は凄まじい感動がある。

鼓膜はヒタヒタのリバーブで埋め尽くされる。
ゆっくり変化していく曲の中で、現実と心の境界線が曖昧で不明瞭になっていく。


重厚なアンサンブルと深いリバーブに身を委ねよう。


Alex SomersとJónsi



この作品は彼のパートナーでありミュージシャンのAlex Somersとの共作 である。

ヨンシーは自身がゲイであることを公表しており、
セクシャルマイノリティ(性的思考における少数派の事)であることと、クリエイティビティの関係を信じている。他人の多様性も同時に容認している。


「もしもゲイじゃなかったら、これだけ音楽を作ってなかったと思う」


ヨンシーの言葉である。


私は彼の人としてのバランス感覚や、異様な高さのクリエイティビティ、メロディセンスと脳裏に焼き付くファルセットに10年ほど前から惹かれていた。





Sigur Rós の活動と共に、彼自身の活動にも目が離せない。










最後に。


読書や寝る前にでも聞いてみて欲しい
空間のごとく、音楽が馴染むはずだから。



MK D

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