見出し画像

US : Wild Nothing

ソロプロジェクトというものは、バンドよりも曲そのものに強い力を持つと思う。誰もが机の上で自由自在に曲を作り、世に発信できる時代に、僕は追い続けている人がいる。

アメリカ・ロサンゼルスを拠点に活動するジャック・テイタムのソロプロジェクト、Wild Nothing

彼を知ったのは今から5年前のこと。
サブスク世代らしい出会いだった。
ちょうど彼の3枚目のアルバム『Indigo』がリリースされた頃で、『Wheel of Misfortune』で1発で虜になった。

ドリームポップ
これがなかったらシューゲイザーのムーヴメントは起きなかったとされているスタイル。
みっちりと張り巡らされた空間系エフェクトと嫌味のないシンセサイザーとブラスサウンドが心地いい。
特にこのアルバムではその雰囲気がかなり強く出ており、
以前の楽曲よりさらに緻密にアレンジが成されている。

Deacon Blue、Aztec Camera、Prefab Sproutのような80年代の華やかかつムーディな雰囲気を彷彿とさせる。
そんな幻想的なサウンドに80年代のUK,USのポップスの精神が取り込まれたバンドサウンドが、後追い世代の僕にフィットしたのは、少し納得がいくような気がする。

2009年に始動し、なんと13年目に入る彼の楽曲はまさにタイムレスで、自由な雰囲気がひしひしと伝わってくる。


彼のギグを見たことがある。渋谷WWW. あの日のWWWは音のガスが張り巡らされた空間だった。幸せなガスだ。
『Indigo』のサイン入り歌詞カードを手に入れたことはいつかの自慢話になるだろう。
 

W.V.M.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?