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withコロナでインカレの応援は変わる?

※この記事は、オリエンティアアドベントカレンダー(裏版)17日目の記事です。

自己紹介

千葉大学4年、ES関東クラブ所属の伊地知淳と申します。

この前の秋インカレではスプリントロング両方選手権を走らせていただき、3年連続3回目のスプリント選手権でまさかの失格、初のロング選手権でまさかの19位でした。

昨年は本編の方に記事を書かせていただきました。当時の記事は日記調でとんでもない長文(7000字オーバー!)でしたが、今回は半分以下の3000字程度になりました。折角時間をかけて書いた文章を「真剣に読まないでください」とは言えませんので、ぜひ最後まで読んでいただきたく思います。

コロナのせいでできなくなったこと

さて、皆さんは「コロナのせいで出来なくなったこと」といえば何を思い浮かべますか?

オリエンテーリング?
確かに一時期出来なくなりましたが、この泥沼界隈の生命力は凄まじく、あっという間に再生しました。山川さんスゴい。

飲み会?
確かに一時期出来なくなりましたが、この泥沼界隈の生命力は凄まじく、「リモート飲み」なるワードまで誕生しました。お酒ってスゴい。

日本ではなんだかんだあったものの、対策が講じられたり、奇跡的に状況が改善していったりして、出来ることが増えてきています。そんな今日でも出来ないことがあります。それはなんでしょうか?

正解は「大声を出す」です。

みんなご存知「いかのおすし」の「お」です。外に出て大声を出そうものなら飛沫だなんだ言われてしまいます。家で大声を出そうものなら近所迷惑になってしまいます。アイドルのライブに行ってもコールはできません。後輩がチケット当ててくれた日本シリーズを見に行っても応援歌は歌えません。

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世の中からは大声が消えてしまったのです。もちろんオリエンテーリング界も例外ではありませんでした。

大声でのインカレ応援

少し昔(2019年度秋インカレ)までは、今では考えられないほど大声での応援が行われていました。当時の会場の様子を伝えるには最後に行われたインカレリレーの動画が分かりやすいと思います。

トップスタートの時刻が近づくにつれ、一般クラスの出走を終えた各クラブの選手たちが声を出し始め、応援しているエリート選手たちがフィニッシュするまで、何時間も大声を出し続けていました。

なぜそこまでして応援を続けるのか?その理由は1つでした。

「これが俺たちの憧れたインカレだから」。

何も知らない1年生は初めてそれを目の当たりにすることで、「これが先輩たちが憧れてきたインカレなんだ」と学んでいました。そしてそれに魅せられた選手がまたエリートを目指す。そういう仕組みでインカレへのあこがれは継承されていきました。下は私の先輩の記事ですが、まさにこの一例だと思います。

選手曰く、「会場が近づくにつれて応援が大きく聞こえてきて頑張れた」など、会場からは選手が見えなくても、応援を続けていることでエールが届いていたようです。

しかしここ最近のインカレは違います。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から大声を出すことは許されていません。インカレは静かになりました。

しかしオリエンティアはすごいです。なんだかすごいライブ配信が行われました。大声が出せない代わりにスティックバルーンを叩いて応援する人がいました。「よく分からない音の鳴る何か」を持って応援する人がいました。「中の大」くらいのギリギリセーフの音量で応援する人がいました。様々なアイデアでエリート選手への応援は続けられました。

応援の復活に向けて

インカレが無事開催された一方で、「かつて俺たちが憧れてきたインカレ」をどのように復活させるか、どのように後輩に伝えていくか。希望が見えたと同時に頭を抱えていくことになりました。

最後にインカレで大声を出してから2年以上が経ちました。「今年度中に復活は無理だろうな」と覚悟はできましたが、将来的に応援を復活させられるのかはずっと不安でした。

でも、多分大丈夫だと思います。

先日のインカレの閉会式で山川さんが、「インカレは憧れの継承で作り上げられている」と話していました。全くその通りだと思います。

そして私は、「今のインカレ」に憧れてくれた後輩たちがいることを確信できました。「俺たちが憧れてきた」応援は、コロナの影響でやむを得ず姿を消してしまいました。しかしそこには、別の「俺たちが憧れるインカレ」が生まれていました。コロナによって出来た焼け野原がいつの間にかお花畑になっていた、そんな印象でした。

彼らはきっと、かつてとは違う花を咲かせてくれるんだと思います。選手が会場に駆け込んできたら歓声が上がったり、スティックバルーンの音が鳴り響いたり。中間速報が更新情報が実況で知らされると同時に会場がどよめいたり、GPSトラッキングを見ながらみんなであーだこーだ騒いだり。大声を出せるようになっても、そんなインカレが見られるような気がしています。

憧れを繋いでいくために

いろいろ書きましたが、結局言いたいことはたった2つです。

①インカレに連れて行って選手権の部を見せよう

サラッと書きましたがこれが一番難しいです。何も疑わずに来てくれる人がいることは幸せです。一方そうでない人もいますが、彼らが参加を渋る理由は様々あります。こういった場合は、まず一度話を聞いてみることが大事だと思っています。意外と初歩的な勘違いをしていたり、実は簡単に妥協案を提案できたりします。ただし、不参加の理由を正直に話してくれるか、妥協案にどれだけ甘えてくれるか、といったところは信頼関係によるところがあります。ここはしょうがない部分です。普段あまり連絡とらない先輩から急にインカレに誘われても行きにくいです。日頃から色々誘って後輩のフッ軽力を育成していれば、何か糸口が見つかるようになるかもしれません。

お金についてもどうにかできると思います。安ければ安い方が良いのは当たり前ですし、人間がお金で揉めるのも当たり前です。どうにもならなさそうに思えますが、常識さえ心得ていれば、協力してくれる大人が実行委員会よりも近いところにたくさんいる、というのも事実だと思います。私も両親や先輩に何度も助けていただきました。解決策を強行しようとするのではなく、解決策の選択肢を増やそうとすることを考えましょう。

②エリートの選手は頑張ろう

エリートになったのに手を抜いている人をそんなに見たことがないので、こっちは多分大丈夫だと思います。ただし、終わりが見えないという点ではこっちの方がキツいです。


おそらくこの2つさえ頑張れば大丈夫だと思います。要は、声出しは本質ではないと思うということです。声が出せなくても応援があることはよく分かりましたし、声が出せないインカレに憧れた世代がいる以上、無理に復活させなくて良いと思いました。

タイトルで、インカレの応援は変わる?と提起しましたが、私は間違いなく変わると思っています。皆さんはどう思うでしょうか?

最後になりますが、先日のインカレを作ってくださった方々、本当にありがとうございました。有望な後輩たちも大きな気づきを得ることが出来た、一生記憶に残る最高のインカレになりました。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。


おまけ① 表彰式や閉会式ではしゃいでいた人へ
表彰式では全力で走った選手たちが、閉会式ではインカレの舞台を準備してくれた方々が真剣に大事な話をしてくれているのに、はしゃいだりするのはいかがなものかと思いました。
私はかつて先輩に「応援に参加しない人はインカレに参加する資格はない」と言われたことがあります。そんなことよりも、「表彰式や閉会式を見ない/聞かない人こそインカレに参加する資格がない」と思いました。

おまけ② インカレとは関係ないのだが
1度で良いからGPS背負って走ってみたい!!!みんなに常に見られながら走ってみたい!!!

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