grapefruit

妊娠したので引越しをした。前の家には3年近く住んだものの全く飽きていなかったのだけれど、あまりに子育てに向いていないので、引越しを決めた。引越しをしてからおよそ3週間。まだまだ片付いていないけれど快適です。


不動産屋を回っているときに、こんなことがあった。

物件の紹介をしてくれた担当者が、すごく感じの良い人だった。話も上手いし、適度にくだけていて、基本夫と話しながらも私を忘れない。(夫は物件に熱いので私の扱いはそれで充分なのだ)

いくつか物件をピックアップして内見に進もうとすると、その感じの良い人はこのあとに来客があると言うので、別の方にバトンタッチがされた。

その方が運転する車で移動する最中、雑談が入る。いつ頃お引越しの予定ですか〜?エリアはこのあたりで探しているんですか〜?みたいな質問に、夫が丁寧に答えた。答えた夫が、私に向かって、「だよね?」と聞いた。夫は、会話に入らない私になんとなしに話を振ったのだと思う。

すると、不動産屋の方が言った。

「え、あれですか(笑)最終承認は奥様にある感じですか(笑)」

少しだけ、カチンときた。「いや、全然そんなんじゃないです(笑)」と夫か私が答えたと思う。

すると、不動産屋の方が言った。

「いやそういうご夫婦多いですよ(笑)旦那様はお金だけ出すみたいな(笑)」

呆気に取られた。昨今、旦那様だけがお金を出す夫婦がどれだけいると思っているのか。私たち夫婦が実際に共働きかどうかは関係なく、この不動産屋の方は、女は口だけ出す、男は金だけ出す、という価値観で仕事をしているのか。

気にしすぎかもしれない。ただ、この感じでよく不動産屋が務まるな、と思った。道中、さきほどの感じの良い人の悪口を混ぜながらの雑談にも辟易した。そして、何を思ったかその方は私をいじることに決めたようであった。

「お二人は食の好みとか合いますか?」

「まぁだいたい合いますね」

「このへん美味しいラーメン屋多いんですけどどうですか?」

「何系ですか?」

「こってり系です」

「あー、それは私は食べられませんね」

「じゃあダメですね(笑)旦那さんが合わせないと」

とか。

「奥様はお休みの日は何されてるんですか?」

「寝てますね」(すでに投げやり)

「えw料理とかしないんですかww」

「したりしなかったり‥」

「じゃあ旦那様がんばらないとですねww」

とか。

(その後ずっと私は寝てるだけの女として扱われた)

ところで、この方の対応とは全く関係がなく、その日見た物件は契約しなかったし、その後その不動産屋には行っていない。そしてこれも全く関係がないのだけれど、実際に決めた物件の内見を担当してくれた方は、すごく感じの良い方だった。


妊娠してから特に、男とか女とかを意識させられることが増えたように思う。特に、男性からの「うちの奥さんは〜」で始まるアドバイスをめちゃめちゃ聞く。ソース奥さんだけかよ、と思う。前に子どもを産んだ同期が上司から言われた「うちの奥さんは〇ヶ月で復帰したけどね」は忘れられない。

里帰り出産はしないことにした。夫に育休を取ってもらう(もらう、という気持ちなのでこれは良いのです)予定だと話すと、女性は「いいねいいね」と賛同してくれ、男性は「実家のお母さんは?」と聞いてくることが多いような気がする。

「実家のお母さんに来てもらったほうがいいよ!」と言われる。実家のお母さんにも仕事があるので、私としてはいたりいなかったりする母親よりも育休を取ってくれる夫のほうが頼りになるのだが、これはまだ産んでないゆえの甘さなのだろうか。

実際のところ、私が里帰りをしないのは、実家に頼りたくないとか、夫と二人で乗り換えたいとかいう立派な理由では全然なく、ただただ家の近くの病院で産みたいという理由だけだ。

だって!病院が綺麗で!入院食がおいしそうで!設備が最新で!無痛分娩ができるから!!!(高いけど!!!!!!)

それまで、無痛分娩に憧れてはいたけれど、みんな耐えていることだしなぁという気持ちと、(引越し先が定まるまで病院が決められなかったので)とにかくどこか予約せねばという気持ちとで実家を選択していた。地元の第一希望はすでに予約がいっぱいで、第二希望というか、もう他に選択肢ありませんという状態で古い病院を予約した。コロナの予防で2週間前から自宅待機するように言われ、そんなに有休あるのかなという不安にも駆られた。

実際に引越しが決まり、転院先を探していたら、なんだか綺麗な病院が見つかった。無痛分娩やっているのね、と一瞬惹かれたけれど、その時点では、まぁ里帰りするから検診だけね、せっかく綺麗な病院なのになぁ、なんて考えていた。

そんなある日、急激な腹痛に襲われた。

心細かった。今もめちゃめちゃ痛いのに、産む時はこの何百倍も痛いという。しかもコロナで立ち会い不可のため、これを一人で耐えながら、看護師さんを呼ぶべきか、、もう少し耐えるべきか、、なんて考えなければいけないのではないか。そう思ったら、痛むお腹をさすりながら無痛分娩について真剣に調べ始めていた。

逃げるは恥だが役に立つという漫画の出産編はもはやバイブルなのだが、その中で、みくりさんのこんなセリフがある。

「結局 無痛分娩も自然分娩もリスクがあるのは同じ‥だったら私は!少しでも楽なほうを選びたい!」

だよね!!!!検索している合間に改めてこれを読んだとき、私の心は決まった。夫にいそいそと相談し、転院先の病院へ電話。分娩を受け入れてくれると答えを聞いたときには嬉しさよりもホッとした。無痛分娩も無痛ではないと聞くけれど、、、果たして。

とはいえ、まずは無事にお腹の子が育つことを祈るばかりです。(女の子とのこと)

なんだか男性への悪口になってしまった。反省。

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