新山謙治は 鳩が好き

https://kobaton-mileage.jp/portal2/info/view/1303

スマートフォンにインストールしている埼玉県コバトン健康マイレージのサービス終了が日々近づいている。
目下、コバトンとタイアップしているアプリはこれだけなので、市井のコバトン愛好家として哀惜の念に堪えない。
後継アプリはナビタイムジャパンの提供する歩行管理アプリとのタイアップになるらしいので、そこにコバトンの要素が残るかはかなり期待薄だと睨んでいる。

私はね、健康になりたいわけでも、抽選でクオカードとかちょっとした商品がほしいわけでもなくて、コバトンのアプリが欲しいんだよ。
コバトンが歩けっていうから嫌々歩いていたんだよ。

健康とか正しい生活習慣みたいなぴかぴかした明るい景気の良い言葉のためなんかじゃなくて、少しくすんだ色合いの君がえっちらおっちら動くアニメーションを見たくてこのアプリを立ち上げていたんだよ、私は。

人間の眼には3種類の錐体細胞があり、赤・緑・青の色を光学的に受容して認識している。
鳩は他の主要な鳥類と同様、4種類の錐体細胞を持つという。人間の持つ3種類に、紫外線を加えて4種類だ。
金属光沢めいた鳥の羽毛などは、同種族同士の視覚に強く働きかけるべく進化したと言われている。
言われている、というのは、所詮、私達は自らが持ち合わせない感覚については想像をもって語るしか手段がないからだ。今のVFXや画像処理技術を組み合わせれば、おそらく鳩の視覚について「分かったような気になれる」映像はいくらでも作れるだろう。
それにしても同じ3種類の錐体細胞を持った人間同士だって、他人が何を見ているかはわからないのだ。その「分かったような気」こそ、何か傲慢めいた推論のにおいがする。

でも、その傲慢めいた推論と、臆病さを同居させながら、他人や、他のいきものについて考えていくしかないらしい。やがてコバトンのアプリがなくなるこの世界で。

なあ、コバトン聴こえているか。今日の空は青く見えるかい?


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