HOK 少司縁 バックストーリー日本語訳

新実装のヒーロー少司縁のバックストーリーの一つを訳してみました!!

かわいくてつよーい少司縁、皆さん使ってみましたか?
バックストーリー読んでみて、これ公式ヒーローCGの前日談じゃね?と気づいたので、誰かにしってほしーい!と思って頑張ってみました。
ぜひ読んでみてください!


本編


「この縁は結べません!」

あかりんはそうきっぱりと拒絶した。縁結びに来た娘がすすり泣きながら話しているのを聞き、どう対応しようか少司縁がまだ悩んでいる束の間の出来事であった。

とっさに彼女はあおりんであかりんの口をふさぎ、一緒に簾の裏へと押し込んだ。

このような言葉はまだ司縁堂では聞いたことのないものであった。

新任の少司縁が訪れ、百景森林で司縁堂を建て直してから縁結びに訪れる人は後を絶たない。

片思いの二人をめぐり合わせたり、家族のいざこざを解決したり、しつこく付きまとってくる厄介者の邪魔をしたり…その業務の広さはまさに門前でかがげているスローガン、上には「風の声、雨の声、書の声、どんな声でも伺います」、下には「家族愛、友愛、恋愛、どんな情でも関わります」、横に「絶対満足させます」と書かれている通りであった。

そんなものだから道行くありんこですら少司縁には結べない縁がないことを知っていた。それは相手大きな木の精霊や小さな葉っぱの精霊のものでも関わらない。

けれど…

けれど、例外はある。もしそれが、縁結びする対象の種族が巫祝の大司命が管轄している者であったら。

魂、あるいはこれから大司命に払われる悪霊であったら。

簾の裏、あおりんは無言で実効可能性報告書を取り出した、紙の上には「上司に逆らい仕事強奪」任務成功率はほぼ0%と書かれ、クビになる率は99.99%と書かれていた。

あかりんは口をふさがれていたが、懸命に四人を演じていた。無慈悲な大司命がその戈をひと払いし、少司縁はやっと得られた仕事を失う。可哀想なあかりんとあおりんは貧乏な家庭を支えるために、道端で占い師まがいの仕事を再び始めることに…

少司縁だけは一人、別人のように黙りこくっていた。

いつもの神秘的なキャラ造りをしている時とも、いたずらをしている時とも異なり、ただ淡々と、何かを懐かしむような、後悔しているような、目をしていた。

一人と一魂、生と死で隔たれて、運命の糸がすでに断絶しているのが彼女には見えていた。それに、もし手出ししたら、大司命に絶対かなわないのはまず棚に上げても、彼に自分が巫祝の規則通りに「天に定められし」縁を観測し導いているのではなく、そのひとの本心に基づいて縁結びをしていることがばれる。そしたら、自分がずっとかなえようとしている約束が叶えられなくなる。なんていったって、相手の悪霊もいまだ人としての意志を持っているとは限らない。

その娘の願いを断る理由は無数にあった、けれど、応える理由は一つだけだった。

少司縁は彼女の思いを聞いた、それは一つの単純な願い事であった。

ーー最後に「さようなら」を言いたい。

「この縁、私たち以外に結べる人がいるわけないでしょ?」

少司縁の声は揺れる簾の間から伝わる、いつも通りの自信ありげな、愉快な声。けれども、少しの強引さも伝わる。

「お告げは言っているよ、「きみがいつ帰りくると聞かば定めて帰る、きみが再会を望まば、定めて再会の時は来る」ってね」

「感謝の言葉はいらないよ、でも、もし帰り路で瑶ちゃんを見かけたら伝言を頼んでもいいかな?」

しばらくしない間に、小鹿はタッタと駆けてきた。

「縁ちゃん!どしたの!また私にあいたくなったの?」

「一時千秋の思いだよ…!ね、ちょー強い小鹿ちゃんは、縁ちゃんを一人で困難に向き合わせようとはぜーったいしないよね?」

少司縁は目を潤ませ、でもいたずらな笑みを浮かべて、もふもふの鹿の娘に近づく。

瑶はもうとっくに彼女の大袈裟な演技には慣れている。ただただ、彼女の思いつきを聞きたくてわくわくしていた。だって、何だとしても二人一緒に行けばいいんだから!

「ね、明日一緒に忘鬱沢の「あの人」にちょっかいかけない?」

「わたしのことを師叔と呼ばなければならないあの巫祝さん?じゃあ、絶対先生には…」

「しーっ!しずかに」

「しーっ…絶対に玄徴森林にいるあの大きな人にはばれないようにしようね」

あの人とあの人がどこかでこっそりくしゃみをした。


どうでしたでしょうか。
この後の物語が公式CGだと思われます。

(一応はっときます、めっちゃ良かったからみんなみてーー!)
個人的には、動画の最後に大司命と少司縁の会話で、「私、実は泳げるんだ」「知ってる」「え?」のところがすごく好きです。

すごくえもい。

補足説明

ここからは、本編を訳す際に中国特有の文化で苦労したとこ、説明あった方が面白いと思ったところをかいて行きます。

スローガン

本編ではスローガンと訳しましたけど、実際は「対聯」というもの。
入り口など、門の上に紙で張られています。扉の横に縦に二枚、扉の上に一枚です。

一般の家庭では春節などの年中行事で赤い「春聯」が張られています。
ここでは、少司縁の業務内容を表していました。

中国語では「風聲雨聲書聲,聲聲入耳」「親情友情愛情,情情關心」「包您滿意」
前聯と後聯が対句になって面白い。訳すのにも苦労しました。
全体的にちょっとお茶目な雰囲気で、少司縁の性格を表しています。

占い師まがい


本編で占い師まがいと訳したこれ、実態はもう少し胡散臭い。

少司縁のゲーム内音声でも、言及されていたりするのですが、
占い師といっても「神棍」とよばれるものです。

今はあまり見かけないですが、イメージ的には中国の道端で丸いサングラスと黒い帽子を被って、中国伝統的な占いをしてくれる人です。

だいたいは人の不安おるようなことをいって、お金をむしりとる、日本でいうと壺売りしている人のみたいなイメージ。
でも中にはすごーい力を持っていて、本当に未来や運命を当ててくる人もいるとかいないとか…

創作物では、胡散臭そうに見えて実はめっちゃ未来予知してる後者みたいな人が多いです。
たぶん少司縁もこちら側。

最後


Honor of kings キャラ設定が作り込まれていて(特に近年の)実はすごく奥深くて楽しい。
そしてCGがすごい。アニメもすごい。

ゲーム自体はまだまだこっからだと思うのですが、公式にはいつかバックストーリーの日本語訳とキャラボイスの日本語版がほしい気分です。

ゲーム内で、馴染みあるキャラ同士がすれ違うとき掛け合いをしているのすごくかわいいので、いつかまとめたいなーっておもってます。

「このキャラのバックストーリーよんでみたい」ていう方も、どこかで私に言ってください!頑張って訳します!

では、ここまでよんでいただきありがとうございます!
またご縁があったらみてくださいね!



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