Blastocystis sp.を治療すべきか? 二重盲検プラセボ対照無作為化パイロット試験



Blastocystis sp.を治療すべきか? 二重盲検プラセボ対照無作為化パイロット試験
Ludovico Gennaro Cobuccio, MD, Marie Laurent, MD, Celine Gardiol, MD, MSc, Rahel Wampfler, PhD, Sven Poppert, PhD, Nicolas Senn, MD, PhD, Gilles Eperon, MD, Blaise Genton, MD, PhD, Isabella Locatelli, PhD, Serge Vallière, MD, MSc
ジャーナル・オブ・トラベル・メディシン、taac143、https://doi.org/10.1093/jtm/taac143
掲載:2022年11月28日 記事履歴
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概要
背景
ブラストシスチス(Blastocystis sp.)は、ヒトや様々な動物の腸内に生息する世界的に分布する原生生物である。しかし、この原生生物は、単なる常在菌であるのか、駆除が必要な感染性寄生生物であるのかは不明である。

本研究では,Blastocystis sp.のみを保有する消化器症状患者に対するメトロニダゾールの有用性を検討するとともに,BlastocystisのサブタイプやPCRで検出される寄生虫の併存が治療成績に影響するかどうかを検討した。

研究方法
プライマリケア医を受診した持続的な胃腸症状(14日以上)を有し、便の顕微鏡検査でBlastocystis spのみが検出された成人を対象とした。適格患者は、10日間のメトロニダゾールまたはプラセボ投与を受け、症状が継続している場合はクロスオーバーを行うよう無作為に割り付けられた。主要評価項目は,便の硬さが正常であることであった.副次的な結果は、その他の腹部症状(腹部膨満感、鼓腸、腹痛、1日の排便回数)および一般的な健康状態の変化であった。臨床試験終了後、ブラストシスチスの亜型はPCR法により決定され、便サンプルは社内PCR法により他の11種の原虫について検査された。

結果
外来患者581人を対象にスクリーニングを行い、そのうち50人が適格基準を満たした。メトロニダゾールを投与した被験者とプラセボを投与した被験者との間に、主要評価項目および副次的評価項目のいずれにも差は認められなかった。

最も頻度の高いBlastocystis亜型はST4(11/36)およびST2(10/36)であった。社内PCRでは25%(10/40)の患者で他の原虫が陽性であった。その結果,Dientamoeba fragilisが5例,Entamoeba disparが3例,Cyclospora cayetanensisが2例で同定された.Blastocystisサブタイプや他の原虫の有無による層別解析では,メトロニダゾールとプラセボの治療成績に有意差は認められなかった.

結論
Blastocystis sp.に感染した患者では,サブタイプや顕微鏡的に未検出の他の原虫の併発にかかわらず,メトロニダゾールはプラセボと比較して胃腸症状の改善には至らなかった.

原虫PCR、便寄生虫、ブラストシスチスPCR、ブラストシスチス分子診断、ブラストシスチス診断、ブラストシスチスメトロニダゾール、ブラストシスチス治療法

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